” ニーズが見える ” ID-POS分析
前回 【離反を防ぐマーケティングカレンダー】期間のマーケット・セグメンテーション を書いたところ「365日でやって欲しい」というご要望を頂きましたので、365日版をアップします。
利用日間相互の併買者率を計算し、非併買が規定を超えない(それなりに併買が認められる)日にち同士を塊にしたものです。
顧客はおおよそ、そのような日にちをターゲットとして来店する傾向が強いと捉える事ができます(目的ウィンドウ)。
逆に言えば、seg_f外の日にちは、seg_f内の日にちの利用者にとって来店動機足り得ていないと捉える事ができますので、それをもって”遠い”塊=farとしています。
利用日間相互の併買者率を計算し、平均以上に併買が発生している”近い”(near)日にち同士を塊にしたものです。
顧客は各seg_nに属する日にちの中で、顕著に買い回りをしていると捉える事ができます(買い回りウィンドウ)。
他とあまり併買が発生しない塊(seg_f)の中に、平均以上に併買されている塊(seg_n)があり、その中に具体的な日にち(マーケットリーフ)が属しているというのが全体の構造となります。
各seg_f中最も利用ID数が多かった日に”1st”、1stを含まない各seg_n中最も利用ID数が多かった日に”2nd”のレコメンドが振られており、レコメンドが振られた日を”重点日”と捉える事ができます。
前述の通り塊が併買を基準に作られている事から、各塊毎に最も利用ID数の多い日が、各塊内で最も高い併買効果、すなわち塊全体の活性化を期待できる為です。
期間 2018/11/25〜2019/11/24(365日)
店舗 全店舗
商品 全商品
顧客 全顧客
分析結果から元旦(データ1ID分のみ存在)を除外
365日をseg_fで分類してみると、各日にちは以下のように分類されました。
平日から唯一セグメントされた水曜日を、何らかのお得な日と仮定すると、顧客にとっての利用日はざっくりと期間前半の平日、期間後半の平日、日曜と平日休、お得な水曜、土曜の5つに分かれました。
平日が前後半に分かれ、その間であまり併買が発生していないという事であれば、継続利用が損なわれているという事ですので、お得を享受できない人や、人と同じ日に休めない人の為にも、少なくとも各曜日半年に一度は何らかの離反対策を採るべきだという事が分かります。
年代構成は年代未登録のID数が時系列で累積して行く為参考となりますが、40・50代を中心に土曜利用が、50代以降でお得な日利用が顕著な事が分かります。
seg_nになると、図のように主に平日が各曜日に分かれます。
この結果から多くの顧客が、店舗の利用/未利用を曜日を基準に決めている事が分かります。
平日休をはじめとする特殊な備考欄のseg_nを除けば、土曜が2つ、火・木が4つ、それ以外の曜日が3つのseg_nに分かれています。
この分かれ方から、土曜の利用顧客は他の曜日に較べて離反が少ないであろう事、各曜日四半期に一度は何らかの離反対策を打った方が良いであろう事が仮定できます。
年代別ではより詳細に、20歳未満の火曜利用、20・30代の月曜利用、40・50代の土日・祝日利用、50代以降のお得な日利用が見て取れます。
離反対策や新規顧客の取り込みを具体的に何時やるべきなのか?
365日中、レコメンドが付いた重点日28日を抜き出して来たものが図になります。
中でも1stレコメンドを含む年末と、2つの1stレコメンドを含む7月後半、9月後半が最重要となる事が伺えます。
曜日および平日休が顧客毎の主たる来店の動機となっているのであれば、毎年およそいつ頃に全力を傾けなければならないのかは、図から掴んで頂けるものと思います(図は同月で日付間のスパンが1週間以内に入る連続を太枠で表示)。
最後に、ここまで全てのデータの元となった365日のマーケティングカレンダーそのものを、EXCEL形式でダウンロード可能な形で掲載します。
ここまでの分析の仕方をマーケット・セグメンテーションと言います。
マーケットリーフと顧客との接点がマーケットですので、接点間の併買/非併買からマス・マーケット中にどのようなマーケットセグメントが存在しているのか?を分類する方法です。
マーケットリーフは売り手から見れば政策単位に応じた”売り物”全般、買い手から見れば”利用メリット”であり、その売り物に利用メリットを感じた顧客が、接点を持つ事を選択します。人によっては複数のリーフと接点を持ちます(併買)。
その意味でマーケットリーフとしては今回の日付の他、曜日、売価、店舗、部門・カテゴリー、単品等が挙げられます。
現状BiZOOPeが提供しているマーケット・セグメンテーション機能は部門・カテゴリー、単品に限定されていますが、マーケティング業務の全てを網羅すべく、エンハンスにより2025年中にはその他のマーケット・セグメンテーション機能も提供させて頂く予定です。ご期待下さい。