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大切な顧客

誰が”大切な顧客”か?

商品の場合

商品という顧客接点にとって誰が大切な顧客か?端的にデフォルメした例を示します。

Aさんは商品1を年に10回利用している顧客です。

Bさんは商品1を年に1回利用している顧客です。

一見してAさんが”大切な顧客”に見えます。

但し人の趣味嗜好はそれぞれ異なりますから、これをもってBさんが商品1の「ファンでは無い」とは言い切れません(場合によっては他店でAさん以上に買っているかもしれない)し、少なくとも無接点人よりは、関心を寄せてもらった分だけありがたい存在です。

顧客は併買をしますので、その商品とだけ接点を持っている訳ではありません。

Aさんは商品1を年に10回利用していますが、店舗利用は商品1の利用に限定されています。

Bさんは商品1を年に1回しか利用していませんが、店舗では大いに買い物をしています。

当該商品メーカーもしくはカテゴリー担当者からすれば、事実としてAさんは大切な顧客です。
一方で経営者や店長の立場からすれば、メーカーカテゴリー担当者にはBさんを大切にしてもらいたいところです。

極端な例を挙げましたが、基本的にはAさんのようにご愛顧に感謝すべき顧客と、Bさんのようにご利用に感謝すべき顧客が居る(人はそれぞれ異なりその背景迄は読めないが、商品1という共通の接点ある)というだけです。

店舗の場合

次は顧客接点を店舗と見て、誰が大切な顧客か?端的にデフォルメした例を示します。

Aさん、Bさん、Cさん、Dさんは等しく月にカート5台分程度の買い物をする(世帯構成類似の)消費者です。

誰もが相対的に「自分にとって利用メリットがある」と感じるものを利用し、そうで無いものを利用しません。
何を利用メリットと感じるかは人それぞれですが、中でも「近い」という利用メリットは強力で、俗に言う「優良顧客」の多くは図のAさんのような方です。

しかし残念ながら「近さ」は勿論、「駐車場の停め易さ」、企業が定めた「ストアコンセプト」等を現場が簡単に変化させる事はできません。
変化させられるのは商品(品揃え、価格、レイアウト)です。

多くの小売業が「顧客を育てる」と言い、CさんをAさんのように変化させる事を、或いはDさんをBさんのように変化させる事を願望します。
例えばクーポンを送れば「余り欲しいものが(安く)無い」と感じているCさん、地理的に遠くに住んでいるDさんが「育つ」でしょうか?

ささやかながらもしも図の商品2を自店が品揃えしていれば、AさんBさんのカート1台分の競合店利用を防ぎ、CさんDさんのカート1台分の自店利用を増やせていたかもしれません(最も都合良く考えれば、カート4台分を競合店から奪えますが、逆(商品1)についてもまた然りです)。※1

現に接点記録が存在しているという事は、少なくとも何らかの利用メリットを感じたからこそ会員カードを作成し、1回は買い物をしたという事ですから、この場合についても、ご愛顧に感謝なるべく維持したい顧客(Aさん、Bさん)と、ご利用に感謝なるべく奪取したい顧客(Cさん、Dさん)が居る(人はそれぞれ異なりその背景迄は読めないが、自店という共通の接点ある)というだけです。

※1.商品2が競合店にしか無い場合知る由もありませんが、自企業内最大棚割パターン店でその取り扱いがある場合、このような状況を分析により類推できます。
※2.一般論として政策は定義した接点の単位で打ちます。クーポンであれば接点=商品とした場合商品のクーポンで、接点=店舗とした場合店舗のクーポンで手を打ちます。

優良な商品の目利きでありたい

「みんな大切」は「みんな大切じゃない」と同義ですから、私たちは無理にでも閾値を設けて大切な顧客とその他の顧客に分けようとします。※3

本項では一貫して自店において商品1と接点を持った事のある顧客で論を進めて来ましたが、これが図の全顧客の共通項です。
共通する顧客が充分に多い ≒ ”マス” である場合、商品1は店舗にとって大切な顧客接点であり、他の商品よりも大切に扱う事で、自ずと該当する顧客はこの一側面において大切に扱われます。

顧客は(優良顧客であっても)個々に異なり、とても全顧客の全側面を大切にする事が叶わない事は自明ですから、極力このような”マス”な接点を数多く持ちたいところです。※4

商品を分け選ぶ事が「みんな」では無い顧客とその来店を規定して行きます
私たちは優良な民の選別者は無く、優良な商品の目利きでありたいものです。※5 ※6


※3.DM等経済的問題で数を絞らざるを得ない全体政策には必要です。
※4.実際にはマスであるだけで無く、排他的/非選択的にマスである事が望まれますが、本項では言及を避けます。
※5.同じく優良な立地、物件の目利きでありたいものです。
※6.注)マスで優良な商品程多くの人が必要としている為、俗に言う優良顧客比率は低くなり勝ちです。

本ホームページには、優良な商品の目利きである為のヒントが多く書かれています。

是非ご愛読頂けましたら幸いです。