ID-POS意思決定支援クラウドサービスBiZOOPe
顧客ID付き購買データで商品ブランドを伸ばす

「ブランドを強化したい」「ブランディングがしたい」というご要望を頂きました。

折しも本ホームページへの検索ワード=「id pos マーケティング 顧客 id 付き 購買 データ で 商品 ブランド 売り場 を 伸ばす」が複数回引っ掛かって来た事もあり、期待に応えて考えてみたいと思います。

ブランディングが出来ている/ブランドが確立されている事の定義

マーケットの中で一定の地位を占めている事がブランディングが出来ている/ブランドが確立されている事の定義と言えます。

マーケットはID-POSによって明確にセグメントする事が出来ますので、より具体的に言えば他ブランドから不可侵な独自マーケットセグメントを築いていれば、そのマーケットセグメントについてはブランディングされている/ブランドが確立されている」考えられます

ブランドによる選択が行われ易いサプリメントマーケットを題材に、例によって例の如く、マーケットセグメンテーションTapir_MK で見て行きましょう。

市場を席巻しているケース

図では大きく20にセグメントされたサプリメントマーケットの内、seg_f=f19とf20をDHC商品が占めている事が分かります。

定義上seg_fはカニバリゼーション境界ですので、このマーケット分野においてDHCは他ブランドから不可侵なブランドを確立していると言えます。

※.個々の単品が実際の消費者との接点/チャネル、seg_nが拡大解釈をした(似たような商品を選んでいる)接点/チャネル、seg_fが最大解釈をした(カニバリゼーションが起こり得る)接点/チャネルです。

このような場合、ブランドと当該市場参加者との接点強化を図ります。

例えばseg_f=f19であれば、顧客はおおよそf19的な嗜好を持って売り場にやって来て、人によって各々 f1_n89 〜 f1_n94 の具体的な用途・機能へと分岐して行きますので、この単位でゾーニングする事、場合によってはこの単位の意味を見出しコーナー化(DHCサプリ入門コーナー?)する事で、潜在的にf19的な嗜好を持つ人々の流入を促すと共により一層ブランドと既存顧客との接点を強化します。

また単品のR率(ここでは2回以上利用者率)が50%を超えるものは存在しませんので、クーポンで利用を働き掛ける事も接点強化の一つです。

きめ細かくやるのであれば、単品の顧客に実際の接点であるその単品のクーポンをとなりますが、併買による顧客−同一seg_n内類似商品間の重複も発生しますので、大雑把にやるのであれば拡大解釈した各seg_nの利用顧客に、各seg_nを代表する=レコメンド1st/2ndの付いた商品のクーポンを発行する事で接点強化を図ります。

各顧客は併買を行っていますので、例えばTの顧客(ここでは1回利用者)は他ブランドにスイッチした顧客かもしれませんし、自ブランドの別商品にスイッチした顧客かも知れません(20日分→60日分等)。Rの顧客(ここでは2回以上利用者)であっても当然、他社のseg_fと接点を持っている併買顧客が含まれますので、現に接点がある/あったという事実を元に行う接点強化は、強固なブランドを維持して行く為に最も重要な手段と言えます。

市場を競合と分け合っているケース

seg_f=f1そのものもそうですが、図ではseg_n=f1_n15をDHCが席巻している一方で、seg_n=f1_n23、f1_n24で他社ブランドとシェアを分け合っている事が分かります

この場合も基本はこの単位でゾーニングをする事で、他社ブランドと比較検討をしてもらえるように図ります。

幸いな事にDHCはいずれのセグメントにおいてもレコメンド付商品を持っていますので、競合との比較検討はDHCに優位に働く公算が高いと言えます。

葉酸60日分の場合、足元のセグメントf1_n15を制圧していますので、このセグメントでの接点強化を図る一方、seg_f=f1という嗜好を持った17,064人に対して接点の拡大=ブランド認知の拡大を図って行きます。

これも幸いな事にレコメンド=1st すなわちseg_f=f1というマーケットセグメントのおおよその嗜好を最も代表する商品である事を示していますので、当該セグメントへのブランド認知を図る尖兵としてうってつけの商材と言えます。

ルテオリン尿酸ダウン20日分とコレステロール対策20日分については市場を競合と分け合っていますので、ランチェスターの法則に則り当該seg_n内という局地戦での各個撃破を図ります。
※.いづれの商品の利用ID数も同一seg_n内の敵の利用ID数の√3倍を優に超えた、ランチェスターで言うところのナンバーワン商品ですので、既に市場を席巻していると言えますし、必ずしも市場を独占する事が良い訳でもありませんが、考え方として捉えて下さい。

同一seg_n内の他社ブランドの優位性を模倣して、取り込んでしまうというのも一つの手です(図であれば30日分をラインナップする等)。

各seg_nの顧客に自社商品のクーポンを投入すれば、自ブランドの接点強化と共に、他社ブランドの接点侵食を図る事が出来ます。

顧客から見て、自社商品と同一マーケットセグメントを構成している他社商品が何か?が正確に分かるからこそ各個撃破への道が拓ける訳です。

ブランドスイッチに関する弱者の戦略については ブランドスイッチは幻か?<ペプシ VS コカコーラ>  も併せて御覧ください。

個別の戦術についてはあくまで考え方の一例ですが、「マーケットをセグメントし、当該セグメントにおいてNo.1となる事を目指す(まずはseg_n、次いでseg_f)」事が基本的なブランド戦略となります。

まずマーケットを正確にセグメントする事が出発点で、例え現時点でのシェアは低くとも、マーケットセグメントを認識している者が勝者です。

Tapir_MK が提供するマーケット・セグメンテーションについて詳しくは Tapir_MKによるマーケティングの教科書 を御覧ください。