ID-POS意思決定支援クラウドサービスBiZOOPe
売上順?リピート順?>
商品選抜方法による品揃え差異

「7SKUをカットしたい」

「チラシ掲載商品を7SKU選びたい」

「エンド陳列商品を7SKU選びたい」

「ミニスーパーを作るんで、菓子売場に7SKUの珍味コーナーを作りたい」

採用にせよ不採用にせよ、意思決定に商品の「選抜」欠かせない要素です。

Q)そんな時、あなたなら「何順」で選びますか? 意思決定の 拠り所にできる順位を持っていますか?

もしかして勘?ノリ?(とっても大事ですけどw)

今回はそんなお話です。

比較方法と、比較する〇〇順

【これからのID-POS活用を真剣に考えてみよう!】棚割(プラノグラム) でも分析した「珍味・豆菓子」カテゴリーをそのまま対象にしてみると、当該カテゴリーはseg_f=f1〜f7 の7つの マーケット・セグメント に分かれる事が分かります。

これは、商品視点から見れば「互いにカニバリぜーションを起こさない7つの塊」で、
塊内の商品同士はギリ代替可能である事を示しています。

顧客視点から見れば「互いに利用目的が異なる7つの塊」す。
本来の順序的には、利用目的が異なるからカニバリゼーションを起こさない訳です。
利用目的が異なる為、全ての顧客が全てのセグメントの商品を利用する訳ではありません。
その顧客にとっての利用目的が欠落すれば、売場の利用(場合によっては来店)が為されません。

ここから、様々な順位を駆使して最低限の7SKUを選んだ際に、利用経験者率と想定されるマーケットカバー率がどうなるのかを見て行きたいと思います。

簡単の為マーケットカバー率、seg_fから1SKUでも採用されていればそのSKUが何であれ、そのseg_fの利用者全員をカバーできるという設定にしています。

商品選抜の為の順位としては、 BiZOOPeTapir_MK採用順 、POS分析を代表して売上順、レガシーなID-POS分析で好まれているリピート順頻度順の4つを選んでみました。

尚、各順位の特徴が顕著に出るよう、各商品が全店採用か否かについてはここでは考慮に入れていません(全店採用の方が利用者数で有利)。

あなたが拠り所にできる順位は?

・採用順(マーケットカバー率1位)

分かりにくいですが、クラスター分析結果であるデンドログラムの形と、利用ID数のボリュームから決定される BiZOOPeTapir_MK 独自の順位です。

7つのセグメントは顧客にとって、珍味・豆菓子売場の利用目的、人によっては店舗の利用目的=来店動機ですから、これの欠落が無いよう商品を選んで行くロジックです。

より多くの人にとっての代替可能性に着目し、各セグメント中で最も利用ID数の多い商品を利用目的/来店動機を最も代表する商品としています。

1位には必ず利用ID数No.1の商品が入りますが、2位以降が必ずしも利用ID数順にならないのはデンドログラムの形(顧客にとっての代替不可能性の高さ)に起因しています。

1位を「1商品採用するならば」2位を「2商品採用するならば」のように読み替えて理解する事ができます。

そもそものロジックがロジックですので、f1〜f7の全てのマーケット・セグメントから利用ID数の最も高い1SKUを選んで来ており、マーケットカバー率は100%となります。

しかし、やわらかイカフライに代表されるf1、おつまみセレクションに代表されるf3と比較的マイナーな(もしくは取扱が一部の)マーケットも拾おうとする事から、利用経験者率では売上順に10%離された2位となっています。

何故拾おうとするかと言えば、顧客を「珍味・豆菓子の利用顧客」としてだけでは無く「店舗の利用顧客」として見ている為です。

全店採用で無い商品も含め、各マーケットを代表する商品を選んでいるので、現時点での実利用者数は低くとも、より多くの人/より異なる価値観に”響く”可能性が高い品揃え = 全店採用すれば売れる可能性の高い品揃えとなっています。

売上順(利用経験者率1

以降、同じ画像(下図)を使いまわして行きます。

個人的には併買率の高さ(カニバリゼーション)によって採用順に及ばないのでは?とも思っていましたが、今回挙げた指標の中では最も順位の高さが採用店舗数の多さと結びついている指標である事もあり、利用経験者率では圧倒的母数によって、2位に10%差をつけての1位です。

品揃え的には極端にf6系(天ぷら系?)に偏っており、f1〜f3のような小さなマーケットから切り捨てて行く傾向が顕著です。

絞り込んだマーケットで戦うってのもランチェスターの弱者の戦略なんで、このゴリッとした品揃えもなかなかにパンチが効いて面白いですが、珍味・豆菓子売場だけで戦ってる訳では無いですからね。。。

リピート順(意外に悪くない感じ…

利用経験者率で3位、マーケットカバー率も2位とやや回転の速いナッツ系(f4)やイカ以外の海産系(f5)への偏りも見えますが、売上順程極端なものでも無く、意外にいい感じの品揃えにも見えます。

今回データには含まれていませんでしたが、”率”の順位の宿命として利用ID数が極端に低い商品が多数存在していた場合、利用経験者率が著しく低下する点に注意が必要です(一般に利用者が少ないとリピート率が高く出易い)。

データ的にこの辺が顕著に見えず「いい感じ」になってしまったのは残念でしたが、品揃え的にはその特性上頻度順に近いものがある事が見て取れるかと思います。

頻度順(いづれの指標も最下位

売上 = ID数 × ID回数 × 客点数 × 点単価 中のID回数しか見ていない為、利用経験者率では当然売上順に劣り、マーケットカバー率ではリピート順を更に回転の速いナッツ系に偏らせたような品揃えとなっています。

結果として売上順で利用経験者率を稼いでいたf6から1SKUも選抜されないといった事が起こります。

こちらは”平均指標”の順位の宿命として、”率”の順位と同じく利用ID数が極端に低い商品が多数存在していた場合、利用経験者率が更に低下します

あなたならどの品揃えにしますか

まず少なくとも”率”や”平均指標”の順位は拠り所にするには厳しい事が分かりました。

"実数"の指標として信頼と実績の利用経験者率重視なら圧倒的に売上順ですが、現にあなたがミニスーパーの売場を7SKUで構成しなくてはならなくなったとして、この品揃えを採用しますか?

”実数”のみでは偏重し勝ちですから、実数であるID数+α(デンドログラムの形)を採用しているのが 採用順 です。

お店には様々な価値観を持った顧客が来店します。

例えば珍味・豆菓子売場の利用目的がf1のみだと言う顧客が居ます。
売上順で品揃えした場合、この顧客にとって最低限代替可能な利用目的が売場から一つも無くなりますから、少なくともこの顧客がこの珍味・豆菓子売場を利用する事はありません。
利用目的を充足したい時、この顧客は他店に行き買い物をするでしょう。

利用目的は主にf6だが、時にf3を必要とすると言う顧客が居ます。
この顧客もやはりf3を必要とする時には他店に行き買い物をするでしょう。

この7SKUでミニスーパーを作るというのもそうですが、現に今、f1やf3が存在しない事でこうなっているお店もあるでしょうから、私だったらまずこの7SKUを全店品揃えにしますね。

勿論、箸にも棒にも引っ掛からないような極小マーケットが表出して来る事も論理上有り得ます。

が、詰まるところ「まあ大体これで良いか♪」という割り切りが業務の省力化や自動化に繋がって行く訳です。