【参考】ハネるカテゴリーの確認

ID-POS分析の勘所でも書いたように、直近のデータが最も現状のマーケットを正確に反映しています。

しかし、長いリードタイムを要するチラシ販促のような場合、季節性に左右されるようなカテゴリーについては、若干なりとも未来を見通しておきたいところです。

バイヤーさんなら直感的に理解できる為不要でしょうが、将来のマーケティングオートメーションの為にも「ハネる」とは何なのか?経験則的に得た Tapir_MK によるデータの見方を解説してみたいと思います。

以下、分析条件についてはID-POS分析の勘所 に準じます。

何故そうなるかの理由、用語、ロジック等については別途 Tapir_MKによるマーケティングの教科書 をご覧下さい。

ハネる = マーケット構造の変化

店舗数の増減をはじめとする外的パラメータによって、単純な物理量のアップ率からハネを掴むのは容易ではありません。

ハネをマーケット構造の変化と捉える事で、上手くこれを捉えられる事が分かりました。

具体的には、これは Tapir_MK レコメンドの変化に表れます。

図のようなチラシ実施週(図の赤フォント)と直近、前年というデータ集計期間を取った際に、直近レコメンド無しもしくは3rdレコメンドだったのものが、前年1stレコメンドだった場合、近未来においてもハネる(同様の事が繰り返される)事が予測されます。

直近レコメンド無し/3rdレコメンド、前年2ndレコメンドのものの中にも時にハネそうなものが見受けられますが、売場勘の無い人にとっても確実なのは前述のような大きな変化です。
直感に照らしてハネると判断できる場合はその限りではありませんが、そもそもそのように判断できる人にとって、この分析は不要なものです。

予測単位 = カテゴリーとカテゴリー粒度

単品での予測はその入れ替えの激しさからほとんどアテになりません。

よって予測はカテゴリーでかけます。

但し、カテゴリー粒度が粗すぎればビビットな変化はオミットされ、カテゴリー粒度が細かすぎれば単品同様の問題が顕著となります。

ハネるの例

ビビットな変化の例として、花粉症の季節前後による医薬品各カテゴリーの変化を挙げてみました。見易くする為に3rdレコメンドをレコメンド無しに書き換えています。図の左が当年直近期間のマーケット構造、右が前年翌期間のマーケット構造です。

鼻炎薬(アレルギー薬)が当年レコメンド無し、前年翌期間1stレコメンド(図の赤フォント)でハネる事が予想されます(採用順も1位)。

反対に風邪補助薬については当年1stレコメンド、前年翌期間レコメンド無し(図の青フォント)でオチる事が予想されます。

どちらのレコメンドも同じ1stの小児用薬、総合感冒薬(ファミリー)については販促に採用するにおいて鉄板のカテゴリーと言えます。

販促商品の採用においては、直近のマーケットを正とするだけでは無く、前年翌期間を見る事でハネると目されるカテゴリーから敢えて採用し、オチると目されるカテゴリーから敢えて採用しないというのも一つの手です。

以上、ハネるカテゴリーの確認方法についてでした。