売り場利用者の ”ニーズが見える” ID-POS分析
【シン・テイパー・マイナスワン】
「ID-POSによる意思決定を流通の常識にする!」という ”夢”を喰らって 生きて来たTapirシリーズの第3世代。
流通に蔓延る”セリング”のパラダイムに打ち勝つ願いと、オールインワンのパワフルさから、メニュー名に「シン」「−1.0」を添えました。
2016年4月リリースの第一世代より、棚割、品揃え絞り込み、エンド、チラシ、クーポン、未利用化防止、競合店対策、商品開発等、今日迄スーパーマーケット、ドラッグストアの様々な分野で実証実験を繰り広げ続けて来たTapir。
2019年10月 BiZOOPe 誕生と共にリリースされた第二世代のTapir_MD、Tapir_MKを経て、実験成果と理論構築を積み上げ続ける中、実験を行った多くの業務が通常業務化し始めています。
それらの業務をより具体的に、定常的に支援すべくTapir_MD、Tapir_MKの機能を融合、更に進化させた2025年7月現在の集大成が、第3世代Tapir 「シン・Tapir−1.0」 です。
日、店舗、単品等、レシート上に印字された顧客との全ての接点を、顧客の 選択=必要、非選択=不要 という利用行動から、ニーズとして見える化します。
【顧客接点】
【”選択”から各接点へのニーズを見える化】
商品部、販促部、店舗運営部、ベンダー、メーカー
顧客との接点に携わる全ての人たち が業務上直面する ―
いつ?どこで?なにを?いくらで?だれに?
といった 全ての意思決定 を ―
顧客ニーズの観点からオールインワンで支援する マーケティング・モンスター それが 「シン・Tapir−1.0」 です。
物言わぬ消費者の為に ―
セリングのパラダイムをぶち破れ!
ニーズに基づいた4つの算出項目が、全てのベースとなっています。
以降特定のニーズの集積を、マーケットと呼びます。
マーケット中に存在するニーズを、最も相互非選択な選択肢同士並に外部と非選択な 目的範囲 と平均以上に選択されている 選択範囲 、その配下の 選択肢 に見える化します。
床割、棚割、紙面割等レイアウト全般に使われています。
レイアウトが顧客の利用目的と選択範囲に沿ったものとなる為、売上が上がります。
各目的範囲中人気No.1の選択肢に1st、各選択範囲中人気No.1の選択肢に2ndの重点レコメンドが振られます。
3rd 迄の選択肢が、売り場の顧客ニーズを満たす為に最低限必要な選択肢です。
重点日、重点店舗、重点カテゴリーといった重点設定、マグネット/アイキャッチの決定、価格対策単品の決定等に使われています。
ニーズを1つ※1 〜 選択肢数迄細分化※2して行きながら、分化したニーズ中の 人気No.1 から順に 採用順 を振って行きます。
ニーズ重複しない選択肢の採用、ニーズ欠落しない選択肢の不採用に用いられる順位です。
採用順は量よりもあくまでもニーズ=買い手の都合を最優先に振られますが、変更採用順 で そこに 売り手の都合を加える事ができます。
※1.POS分析の世界。
※2.目的範囲、選択範囲も細分化の過程の一つです。
主にカット単品の決定、販促単品の採用に使われています。
選択肢同士の関連性の強さを 関連順 という並びで表現しています(マーケット内 < 目的範囲内 < 選択範囲内 で、数値が隣り合っているもの程関連性が高い)。
主に床割、棚割、紙面割等、レイアウト上での選択肢同士の並びの決定に使われています。
いつ?どこで?なにを?いくらで?は、全業務に共通した意思決定です。
目的範囲は、顧客が いつ を目的に来店/利用しているのかを示します(図では曜日が目的)。
選択範囲は、顧客が いつ と いつ を選択しているのかを示し、その範囲を超えると選択されなくなる 未利用化の周期 と捉えられます(図のf1_n1では12週間)。
重点レコメンドは、いつ 販促を行えば未利用化防止の効果が最も高いのかを示します。
主に年間販促カレンダーの策定に使われます。
その他にも拡大顧客接点 = 曜日 があります。
選択範囲は、顧客が実際に買い回っているリアル・ドミナントです。
3rdレコメンドが存在するドミナントでは、その店の前後で商圏密度が薄いか、競合によって商勢圏が分断されている可能性があります。
(図の選択肢の名称には、本来実際の店舗名が表示されます)
標準化政策や出店政策、競合店対策に使われています。
人気店は、人気のある売り場が揃っているからこそ人気店であり、人気のある売り場は人気のある単品から成ります。
重点レコメンドの付いたニーズ毎の人気No.1がー
・価格面、レイアウト面で他店より手に取り易い、
・「売れていない」為他店では欠落している
のであれば、人気店を実現できます。
顧客接点 = 単品は、最も具体的な顧客との接点である事から、様々な用途で使われています。
その他にも拡大顧客接点 = 分類(部門やカテゴリー) があります。
売価を ニーズ とは言えませんが、レコメンドがついた売価が、多くの顧客が現に接している プライスポイント であるとは言えます。
【実際の売価政策(単品)】
レコメンド単品(特に1st)について ー
「遠くの顧客がわざわざ買いに来る」価格もしくは「近くの顧客がわざわざ遠く迄買いに行かない」程度の価格を意識して設定します。
その際に最も近しいプライスポイントが、一つの目安になります。
以降の例の他にも、想像力を使って様々な業務に使われています。
顧客にとって最低限必要なニーズの 全店品揃え/配荷徹底 により、客数増を図ります。
品揃えが良い売り場、楽しい売り場とは、各ニーズ中の選択肢が多い売り場では無く、幅広いニーズに応える売り場です。
選択範囲内の 選択肢数 を制限する事で単品のカットを行い、売り場に幅広いニーズに応える余地を持たせます。
フェイシング数、棚割パターンの分配シミュレーションも可能です。
【棚割ソフトの活用】
EXCEL出力した目的範囲/選択範囲とJANを棚割ソフトに読み込ませ色分けする事で、ニーズに沿った最適なゾーニングが実現できます。
同じように採用パターンとJANを棚割ソフトに読み込ませ色分けする事で、最大パターンから簡単にそれ以下のパターンを作り出す事ができます。
単品クーポンの費用対効果の極大点となるターゲット顧客が分かります。
単品クーポンは単品の利用を増やす事に留まらず、利用者の来店頻度を増やします。
チラシ販促等で部門に割り当てられた単品数を、単品分配率と採用順で、各カテゴリーに適正分配します。
同様に理論スペース分配率を用いたスペースの分配シミュレーションも可能です。
ここまでの例は全て「顧客接点表」によるものです。
その他にも目的範囲サマリ、選択範囲サマリが出力されます。
また、本分析の根拠あるいはロジック理解の一助として、処理過程であるデンドログラム、距離行列表をダウンロードして頂けます。
目的範囲はマーケット・セグメントと言えます。
主に各マーケット・セグメントのマーケットサイズ認識と、ナンバー1戦略を採るマーケット・セグメントの決定に使います。
最もマーケットサイズの大きな目的範囲が持つ特性を理解し、PB商品の開発に活かした例もあります。
主に、人気が低いのに選択肢数が多い選択範囲や、人気が高いのに選択肢数に欠ける選択範囲を、見極める為に使います。
顧客接点=年月日 の場合の顧客接点数は、未利用化周期の週数を表します。
目的範囲と選択範囲が交互の色違いで表現されています。
結節位置が低いもの同士程近しいニーズ、結節位置が高いもの同士程異質なニーズである事を示しており、採用順も各結節位置でのマーケット分割と、選択肢の利用ID数(デフォルト)の関係から算出されています。
関連順が各顧客接点の右から左への並びで表現されています。
全顧客接点間の実際の距離(ニーズとしての近さ/遠さ)です。
全顧客接点が相互に結ばれたこの3次元の構造を、実務に落とし込む事のできる2次元の ”場” へと畳み込んだものが、デンドログラムです。