ID-POS意思決定支援クラウドサービスBiZOOPe
クルマで例えるID-POS分析

マーケット・セグメンテーションの原理 をスーパーやドラッグにあるような高頻度品で説明するとどうしても

「え?同時併買される商品がなんで”遠い”の?”近い”の間違えじゃ無い?」

シャンプーとリンスって”遠い”の?”近い”じゃ無い?」

と、なかなかイメージが湧かない方も多いようです

それじゃあ逆に商品を、極々低頻度な”車”に置き換えてみたらどうだろう?

と考え、最近難しい記事ばかりアップして来たので、一度気楽に”車”商品同士の、利用行動による遠い近いを説明する事を試みてみますw

(まあ、車は多くの販売店がメーカー系列な上、新車販売に限らないんで逆にややこしいかもしれませんが。。。)

対応する言葉の定義

スーパーやドラッグにおける商品の利用行動には非併買同時併買期間併買(非同時)がありますが、車となるとそうそう頻度高く買うものでもありませんから、車の利用行動として対応する以下のような言葉で置き換えてみます。

非併買       ⇨ 乗継利用

同時併買並行利用

期間併買乗換利用

乗継利用(非併買)

今では大分減ったかもしれませんが「歴代のクラウンをモデルチェンジの度にずっと乗り継いで来ている。」というような方が居ます。

このような方にとってクラウンという商品の利用メリットは、他を持って代え難いものなのでしょう。

このようなクラウンユーザが他の銘柄のユーザに比較し相対的に多かった場合、クラウンは他車から遠い独自の利用メリットを持った価格競合し難い車であると言えるでしょう。

但し、この時乗り継がれるクラウン同士の関係は後述の「乗換利用」にあたり、クラウン同士については似たようなもの=近いと捉えられます。


もう少し大きく捉えると「スバル車だけを乗り継いでいる。」スバリストと呼ばれる人たちが居ます。

スバリストにとってスバルというメーカーは、他社から遠く離れた孤高の存在なのでしょう。

スバル利用者におけるスバリストと呼ばれる人たちの割合が他社のそれと比較し相対的に多ければ、スバルは他社から遠い独自の利用メリットを持った価格競合し難いブランドと言えるでしょう。

こちらもスバル内で乗り換える為、スバル車間の関係は近くなります。

このような相対的な利用者数から判断される他ブランドとの”遠さ”と、自ブランド内の”近さ”の関係からクラウンというマーケットクラスターが出来たり出来なかったり、スバルというマーケットクラスターが出来たり出来なかったりする訳です。

ともあれー

乗継利用(非併買)は他とは遠い

並行利用(同時併買)

「奥さんの買い物用にフィット、自分の通勤用にアルト。」 とか、

「家族とのお出掛け用にデリカD5、自分の趣味用にロードスター。」 とか

ちょっと羨ましい人たちが居ますw

両車を利用する、または利用する事によって得られるメリット全く異なるからこそこのような利用形態となります。

私にも可能な利用形態として

「普段はジムニー、帰省する長男夫妻と孫のお迎えにレンタでカローラツーリング。」

なんてのもありますw

これもわざわざ借りるのは、ジムニーでは手に入らない利用メリット(5人乗り&積載量)がカローラツーリングにあるからです。

その為このような利用行動の見られる車両同士の関係は別物=遠いと言えます。

レアなケースとして

「何?俺はR32 GT-R二台持ってるぜッ!」

って方も居るでしょうが、サーキット走行用と部品取り用だったり、多くの場合異なる用途、利用メリットを求めているからこその並行利用だったりします。

並行利用(同時併買)は互いに遠い

乗換利用(期間併買)

前出の「新型出たら見積と契約書持って来て!ハンコ押すから」的な歴代クラウンのケース、

「ロードスター乗ってたんだけど車検が来たんでS660に乗り換えて、今はGRコペンに乗ってる」のようなケース、

前者は車種としてのクラウンという価値、後者は車種は違うがオープンライトウェイトスポーツという価値が求めているものであり、このような利用者にとっては、それぞれの利用メリットは近いと言えます。

同じ価値を、何も二つも車庫に置いとく必要は無いんで乗り換える訳です。


が、これは車にしては比較的高頻度で買い換えるケースでしか見受けられません。

多くの人は

「新婚当時はワゴンR、子供が産まれてシエンタ、子供が部活をはじめてセレナ、夫婦二人に戻ってジムニー。」

のように、ライフステージの節目=車の買い替え時にあたる為、利用者そのものの価値観と求める利用メリット自体が変遷してしまう事から、この4台は乗換利用ながら、寧ろ遠い関係にあります。

ここがライフステージが変わってしまう程の低頻度の難しいところで、車であれば実際には「アイミツ取って86かBRZ。」のように相見積もりの関係で捉えた方が現実的かもしれません。

利用者にとって極めて近いんで価格競合=カニバリゼーションする訳なんで。

とは言え、

ライフステージを跨がない頻度の乗換利用(期間併買)の関係は近い

さて、「”車”で例えるID-POS分析」如何だったでしょうか?

非併買、同時併買は”遠い”、期間併買は”近い”とイメージし易かったですか。。。ね。。。w

まあ、低頻度ならではの利用者側の変質等、発見もあったので良しとしときましょう♪