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顧客接点で政策をドライブして行くイメージ

【マーケットドリブン経営】ID-POSは死活問題 で使用した図表が(極)一部で割と好評だった為、この図表を利用して「政策をどう動かして行くのか?」のイメージについて語ってみたいと思います。

全般的にデフォルメした極端な例で示していますが、理解を容易にする為ですのでツッコミ不要でご容赦下さい。

食品スーパーやドラッグストアには沢山の買い手が訪れます。

また、その売場には沢山の商品が存在します。

買い手と商品は相互が複雑に関係した両輪のようなものである事から、片輪だけを管理したり、それぞれを別個で管理すると図のような捻れが生じます。

買い手一人ひとりの内面は、私たち売り手が考える以上に遥かに複雑(そう!あなた自身の内面のようにw)で、買い手と商品との関係は図よりも遥かに複雑怪奇にこんがらがっています。

こんがらがった膨大買い手と商品の関係を効率的に管理する為には、その間にある(顧客そのものでも、商品そのものでも無い)接点を見つけ出し、それをあたかもハンドルのようにしてドライブして行く必要があります。

接点=利用メリット

買い手は売り場に商品そのものと言うよりも利用メリット(自分が利用する事で得られるメリット)を求めに来ていますし、年齢やランクによらず人それぞれ異なる価値観、利用メリット認識を持っていますので、その利用メリット認識という接点を利用して政策をドライブして行きます。

そのイメージが下図になります。

接点利用メリットを知る方法についてはTapir_MKによるマーケティングの教科書を御覧ください。

この概念を整理したものが下図になります。

各商品が分類されるのは一つの接点あり、これはある意味「買い手から見た商品分類」と言えます。

一方で買い手は人により一つしか接点を持たない人、複数接点を持つ人と様々であり、年代やランクのような一人の人が必ず一つにしか分類されないセグメントとは異なり、顧客内面の複雑性を尊重した顧客セグメントとも言えます。

この買い手の複雑性に対して接点を介して手を打って行きます


まず棚割り(プラノグラム)のようにレイアウトに関するものをこの接点の単位でゾーニングすれば、単純に言って見つけやすく、選びやすくなるのは自明の理です。

例えば商品を選ぶ場合(エンド、チラシ、クーポン、ネットスーパー)

表題のような業務用途で3商品を選抜するケースについて考えます。

従来の考え方(商品ドリブン)

接点の存在を知らない場合、売上上位3商品が選ばれ勝ちです。

これによって一つの利用メリットが活性化され、そこに接点を持つ三人の買い手に響き※ます。

理解を容易にする為に綺麗な売上順としていますが、接点は売上から作られるものでは無い事にご留意願います。

実際の接点の算出方法についてはTapir_MKによるマーケティングの教科書をご参照下さい。

接点ドリブンな考え方

接点の存在が分かっていれば、各接点の利用メリットを代表する(カバーする確率の最も高い)商品を一品づつ選抜します。

これにより三つの利用メリット全てが活性化され、そこに接点を持つ全ての買い手に響き※ます。

図では対比の為「売上順」を使用していますが、実際には「利用ID数順」で計算されます。

※.買い手の中には特定の一品にしか関心を持たない人たちも居ますが、選抜のというものがありますので、せめて「惜しい!」と感じてもらえる事を「響く」と表現しています。

例えば顧客を選ぶ場合(ターゲットマーケティング

ターゲットマーケティングの単純な例として、1商品についてのターゲット顧客を選抜するケースについて考えます。

接点の存在を知らない場合の商品ドリブンな従来の考え方(売り手の儚い願望)は、「買っていない顧客に買わせたい」等様々ですので、接点ドリブンな考え方のみを以下に示します。

図の商品(赤丸)のクーポンを出すとした場合、ターゲットは図の商品が属する利用メリットと接点を持つ(価値を感じる)図のTマークの顧客となります。

このターゲットであれば少なくとも、響く確率が高く、「使えない店」というイメージを持たれる確率が低くなります。

この商品にした理由

図中、接点と繋がる線の本数が最も多い(響く買い手の人数が多い)商品だからです。

クーポンの利用顧客は来店頻度が上がる事が知られており、商品の売上増以上に店舗の売上増に効く商品だからです。

大事な事

イメージとして「既に接点のある顧客にクーポンを出すのは損」と思われる方も多いかと思います。


単品内】この商品を買っている顧客の過半が年一回しか購入していない(全ての単品に言える事実)。
⇨ 関係を常に育み続けた方が売上は上がる。


【接点内】ターゲットの中にはこの商品が属する利用メリットと接点はあっても、この商品そのものとは接点の無い顧客も居る。
⇨良い方にも悪い方にもブランドスイッチし易い最重点ターゲット。


【接点外】ターゲットは他の利用メリットとも接点を持っており、決してその利用メリットだけを利用している訳では無い。
⇨どの利用メリットをより重視しているかは、買い手により様々


と言う事で、損どころか「これぞターゲットそのもの」です。

接点がある=足がかりがある政策

接点が無い=足がかりがない政策

です。また、

【接点外】響かない人への配慮、影響が過小評価されている。
⇨10%の顧客が買っていれば「超売れ筋」と評価されるが、裏を返せば90%の顧客が無関心。

とも言えます。

「使えない」クーポンの多さ、辟易するターゲット広告等は、現実世界で私たちみんなが経験しているところです。

マーケティングとは「買い手が喜ぶ事をし、嫌がる事を避ける」事と見つけたりにも書きましたが、現にある接点を大事にするからこそ、一つまた一つと接点が増えて行き、最終的に「便利だから今までこの店で買って無かったものもこの店で買って行こう!」になって行きます。

食品の顧客に医薬品も自店で買って貰いたければ、接点の無い医薬品のクーポンを出すので無く、現にある食品という接点を徹底的に大事にすべきです。

以上、図表を使って「顧客接点で政策をドライブして行く」という事のイメージを解説させて頂きました。