売り場利用者の ”ニーズが見える” ID-POS分析
本ホームページは、状況確認を超え具体的な収益改善に繋がる※、という一点から、ニーズの見える化(Tapir)に著しく記述が偏っています。
ここでは営業からの要請もあり、それ以外のID-POS分析手法を、厳選して4つご紹介してみたいと思います。
いづれの分析手法もBiZOOPeを象徴するものであり、有効にお使い頂けるものと存じます。
※.簡単な例としてカテゴリーキャプテンにお願いしたい3つの施策 をご参照ください。
小売業さんにお聞きしたところ、従来のバスケット分析には大きく二つの問題がありました。
1)「奇跡の組み合わせ」や 「自社都合優先の組み合わせ」 の提案が多く、現場負担の割に政策ボリュームが期待できない
2)リフト値、併買率等の指標とその使い方を、バイヤーが理解できない
そこでエンハンスリリース予定のシン併買では、以下のような機能により、誰もが簡単にクロスセル政策を行えるようにしています。
・併買ボリュームが平均超の商品の組み合わせだけに、順位を振って抽出※1
・内、クロスセルに適した商品の組み合わせに◯または△を表示※2※3
・対象商品/比較商品どちらの売り場で、どちらの顧客をターゲットと見做して政策展開すべきかを示唆※4
・異部門商材に明るくない取引先向けに、商品名クリックでGoogle検索(コードと名称のOR条件)
クロスセル政策であれば単純に言って、◯が付いた組み合わせの中から相手を選べば良いだけです。
図の青フォントのID数は全て、クリックで顧客リストとしてダウンロード可能です(一度に任意複数指定可)。
※1.併買ボリュームという”量”の降順である事から、直感的で、リフト値や併買率に関する知識、指定が要りません。
※2.買い忘れのリカバリーと、処理スピードに鑑み、本分析ではレシートでは無く、顧客の同日中の買い物全てをバスケットと見做しています。
※3.◯ = クロスセル好適:同日併買者率 > 非同日併買者率
△ = クロスセル適 :同日併買者率 > 同日併買者率平均
適正flgのない商品については、クロスセルと言うよりも、「〇〇フェア」のような、類似用途・機能の集積販促の対象です(棚割の考え方に類似)。
※4.非併買者が多い方の売り場で展開し、該当する非併買者のニーズを汲んだPOPを打った方が効果が上がります。
逆説的には、示唆された展開場所とは逆の商品に、より多くの利がある政策と言えます。
売上 = 点数 ✕ 点単価
= 客数 ✕ 客点数 ✕ 点単価
= ID数 ✕ ID回数 ✕ 客点数 ✕ 点単価
時代ごとの売上方程式の解像度に応じた売上アップ政策を私たちは採ってきましたが、ID-POSの売上方程式は、その終着点です。
BiZOOPeの店舗診断カルテは、好調店が好調な理由、不振店が不振な理由を、売上方程式の根源に求めたツリーです。
時代ごとの売上方程式の中でも「点単価よりも点数」、「客点数よりも客数」、すなわち「平均値よりも実数」に、より働き掛けなければなければならない事を、私たちは経験上知っています。
ID数は、売上の最深淵にある実数であり、お店が競合や景気によらず※、文字通り人気店であるか否かを示しています。
顧客も人の子ですので、競合を利用する事もあります。景気によって来店頻度や客点数、点単価が失われる場合もあります。
が、顧客そのものを失う事態は避けたいところです。
私たちが深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いています。深淵とはID数、すなわち私たちの顧客です。
※.フォーマット、景気、競合状況の変化は ID金額 = ID回数 ✕ 客点数 ✕ 点単価 に、より色濃く現れます。
よくある期間推移表は、曜日や季節による変動の繰り返しに見えますが、その裏には想像と異なる母集団の動きがあります。
BiZOOPeのリピート推移では、月や週といったある期間の当初利用者を母集団ID数とし、その後の利用と未利用への分岐(母集団ID数の減耗)を追う事ができます。
図の青フォントのID数は全て、クリックで顧客リストとしてダウンロード可能です(一度に任意複数指定可)。
母集団には定義上流入が無い為、必ず減耗して行きます。減耗は通常ならば、引っ越し等により除々に進行するものと想像されます(自然減耗)。
ところが、どのような母集団の取り方をしても図のように、利用翌期には必ず未利用化の”崖”が観測されます。
図であれば、よくある期間推移表の各期の値の46.60%が、期中ほとんど一回限りの利用者で作られているという事です。
図中最大の50.47%の未利用化率の店舗と、最小の34.15%の未利用化率の店舗の違いはどこにあるのでしょうか?
全店平均の未利用化率46.60%が、34.15%に迄改善されれば、売上にどれ程のインパクトがもたらされるでしょうか?
BiZOOPeのリピート推移は、小売業最大の課題を提起しています。
(このような状況を、顧客ニーズに応える事で具体的に改善して行く為の武器が、ニーズの見える化(Tapir)です)
自分で言うのもみっともない話ですが、BiZOOPeはメーカーさん、ベンダーさんから「お世辞抜きで、日本で一番使い易いID-POS分析システム」と言われます。
POS分析の条件指定は基本、いつ?どこで?なにが?ですが、「難しい」と言われるID-POS分析で、そこに加わるのはだれが?だけです。
それを画面上でいたづらにこじらせずに、「顧客リスト読込」一本で片付けてしまっている点が「日本で一番使い易い」決め手だと考えています。
条件指定画面で唯一のだれが?の指定方法「顧客リストの読込」
だれが?(顧客)の指定を条件指定画面中でこじらせない理由は以下の通りです。
1)畢竟”マス”が相手である為、そもそも殆どの場合こじる必要性が無いから(こじればこじる程矮小な政策になって行く)
2)分析結果画面で任意複数のID数をクリックして、顧客リストにダウンロード出来※1、条件指定画面で指定するよりも、直感的だから
3)それを超えて複雑な指定※2については全て、ベン図でポン!に外出ししてしまっているから
※1.前出シン併買やリピート推移で、青フォントで表示されたID数がそれに該当します。本機能をご存知無い方はこちらを御覧ください。
※2.「A店またはB店を、◯月◯日〜✕月✕日の間に利用した40代のロイヤル顧客の内、商品01を購入しながらも、商品02を購入しなかった顧客」のような指定。
図は前項「リピート推移」で、第二週に未利用化した顧客と、第三週以降の11週中で利用している顧客を分析画面上でクリックして抽出し、ベン図でポン!で両者が重なる、利用が復活した顧客を抽出しようとしているところです。
「ベン図の円を三つにしてよ!」と言われた事もありますが、「四つにしてよ!」と言う人も「やっぱ二つが良かった!」と言う人も居るでしょう。
複雑な指定をしたい一部の方にはご不便をお掛けしますが、今のところ単純な思考の基本単位である二つのままにしておきます。