お客様のニーズが見える ID-POS分析
アンケート結果に一喜一憂し、新商品が市場に響かない。そんなジレンマに陥っていませんか?『顧客ニーズを把握し、価値を提供すること』マーケティングの基本ですが、その『ニーズ』が本当に見えていると自信を持って言えるでしょうか?
マーケターの皆様にこそ、ぜひBiZOOPe(ID-POS分析)に触れていただきたい、本質的な理由が二つあります。それは、マーケティングにおける大命題であるサイレントマジョリティのニーズを把握できること、そしてマーケティングの根幹をなすマーケット・セグメンテーション(市場細分化)が実現できることです。この二つの要素は密接に関連しており、マーケティング戦略の成功に不可欠です。
BiZOOPeの対象は、食品や雑貨といった比較的回転の早い分野に限定されますが、そこで得られる概念や分析手法は、それ以外の分野のマーケターの皆様にも大いに参考にしていただけると確信しております。
マーケティングにおける最大の課題の一つは、「積極的に意見を表明しない多数派(サイレントマジョリティ)の潜在的なニーズや本音をいかに掴むか」という点にあります。
多くの消費者は、自らの意見を積極的に表明しません。そのため、声の大きい少数派(ノイジーマイノリティ)の意見だけではなく、黙っている大多数(約96%とも言われます)の消費者の「声なき声」を的確に理解し、それに応えることが、企業が持続的な利益を上げる上で極めて重要です。
しかし、アンケートなどの一般的な市場調査手法で集まってくるのは、通常、ノイジーマイノリティの声に偏ります。さらに、そうした声が、彼ら自身の実際の行動や本音とはかけ離れているケースも少なくありません。
ここで注目すべきは、万人から公平に、かつ本音そのままに定常的に得られる唯一のデータ、それがPOSデータであるという点です。POSデータは、サイレントマジョリティのニーズを知るための客観的で強力な鍵となります。
ニーズとは、直訳すれば「必要性」を意味します。
人は、自分にとって必要なものは購入し、不必要なものは購入しません。
買った/買わなかったは、一切の誇張を含まない事実(ファクト)そのものです。
POSデータに顧客IDが紐付けば、個々の顧客にとって何が必要で、何が不必要なのかが明確に分かります。これにより、顧客の「ニーズ」が具体的に可視化されるのです。
さらに、消費者の「選択」は、互いに類似したニーズの選択肢の間で行われるという特性があります。
選択/非選択は口ほどに物を言う。
売り場で実際に行われている選択と非選択の傾向を統計的に処理し、それを可視化するのが、BiZOOPe(ビズープ)の分析メニュー「ニーズの見える化」です。
この「ニーズの見える化」によって示される、平均以上に選択されている範囲である「選択範囲」こそが、サイレントマジョリティとノイジーマイノリティの両方を含んだ「真のニーズ」そのものを示しています。
ここでの「真の」とは、それが仮説ではなく事実(ファクト)であるという意味であり、サイレントマジョリティを含む大衆のニーズであることを指します。
これこそ、マーケターの皆様にBiZOOPeに触れていただきたい第一の理由です。
「ニーズの見える化」選択範囲サマリ画面例:冷凍パスタ売り場に存在するニーズの例。選択範囲配下の具体的な商品については、巻末の顧客接点画面例に掲載します。
イスラエルの物理学者であり、TOC(Theory Of Constraints:制約条件の理論)の提唱者でもある故エリヤフ・ゴールドラット博士は、自身の著書『ザ・ゴール2 思考プロセス(邦題)』の中で、マーケティングの定義を『マーケティングとは、新しい策を打ち出すことではなく、マーケット・セグメンテーションのメリットを活かすことにある』と述べています。
この言葉が示す通り、マーケットをセグメンテーションする事(市場細分化)こそが、マーケティング戦略の根幹をなす要諦なのです。
It's Not Luck = 運頼みでは無い(論理思考の必然だ)!
一方で、多くの企業では、ABC分析のように「市場」ではなく、「商品」をセグメンテーションしようとしたり、顧客ランクや年代といった属性で「顧客」をセグメンテーションしようとする傾向が見られます。
そして残念ながら、それらをマーケット・セグメンテーション(市場細分化)と誤認し、結果としてマーケティングの根幹から外れてしまっているのが現状です。(ここで強調しておきたいのは、市場とは商品だけでも顧客だけでも成立しないということです。市場とは、商品の利用メリットと顧客の価値観とが互いに交錯する、文字通り「場」を指します。)
それでは、真のマーケット・セグメンテーション(市場細分化)とは何でしょうか?
先の書籍では、セグメンテーションの定義を『一方のマーケット分野における価格変化が、他方のマーケット分野における価格変化を誘導しない場合、この二つのマーケット分野は互いにセグメンテーションされている』としています。
ここで、もう一度「ニーズ」という概念に立ち戻ってみます。
人は、自分にとって必要なものは購入しますが、不必要なものは購入しません。
・必要なものが安売りされれば、購入意欲が刺激されます。
・必要なものに近しいものが安売りされれば「これも良いかもしれない」と購入を検討するかもしれません。
・しかし、不必要なものがいくら安売りされようとも、購入意欲が動くことはありません。
ニーズが無いものの価格変化に、ニーズが誘導される事はありません。
この購買行動の原理こそが、マーケット・セグメンテーションの核心を突いています。
そうです、マーケット・セグメンテーションとは、突き詰めれば「市場のニーズによる分割」に他なりません。
BiZOOPeの「ニーズの見える化」においては、顧客の購買行動データに基づき、相互にほとんど選択されていない範囲を区分した「目的範囲」が、そのまま独立したマーケット・セグメントを明確に示しています。
そしてこれこそが、マーケターの皆様にBiZOOPeに触れていただきたい第二の理由です。
「ニーズの見える化」目的範囲サマリ画面例:冷凍パスタ売り場に存在する、互いに相容れないマーケット・セグメントの例。目的範囲配下の具体的な商品については、巻末の顧客接点画面例に掲載します。
「これでは顕在ニーズしか可視化されていないではないか!私たちマーケターが知りたいのは潜在ニーズだ!」とお考えかもしれません。
しかし、改めてお伺いします。マーケターの仕事が、マーケティングすなわち「マーケット・セグメンテーションのメリットを活かすこと」にあり、そのメリットを見出すことにあるという点を。
潜在ニーズは、選択範囲(顕在ニーズ)同士の行間、あるいは行外に存在しています。それがさらに目的範囲(マーケット・セグメント)同士の行間、あるいは行外にあるならば、そのマーケットはブルーオーシャンなマーケットです。
選択範囲(顕在ニーズ)内に新商品を投入することは、レッドオーシャンでの選択肢の一つとして戦いに身を投じる危険な行為です。
単に「潜在ニーズが分からない」と嘆くのではなく、この場合、事実から「行間」が明らかになることで、レッドオーシャンのリスクを避けつつ、ブルーオーシャンへの仮説を得られる事自体が、マーケット・セグメンテーションの、今までに無かったパワフルなメリットであり、マーケターであるあなたの重要な仕事※なのです。
※.AIに「選択範囲」「目的範囲」の意味と、後に掲載する「顧客接点表」を読み込ませ、「目的範囲の行間または行外に存在する潜在ニーズを、具体的に教えて」と問うてみるのも一つの手です。
顕在ニーズの行間に「潜在ニーズ」を見る。新商品開発の考え方。
その他にも、例えば「ブランディング」であるならば、「ブランドそのものが、顧客にとって選択範囲化(ニーズ化)、ないしは目的範囲化(マーケット・セグメント化)すること」と具体的に定義でき、その後の施策検証にも活用できます。
そのために「ブランドスイッチ」が必要なのであれば、「まず顧客の選択範囲内で、次いで顧客の目的範囲内で他ブランドに対して優勢に立つこと」と定義し、他ブランドが各範囲内に存在しているか?そしてそれは具体的にどの商品なのか?を知ることで、イメージ上では無く、顧客ニーズ内におけるリアルな競合を明確に認識し、具体的な施策を生み出すことができます。
パーソナライズ化によってエンゲージメントを高め、顧客ロイヤルティに繋げたいのであれば、マーケット・セグメンテーションの定義からして、少なくとも目的範囲内の商品を、目的範囲外とする顧客には薦めないことです。
このように、マーケット・セグメンテーションのメリットは、あなたの考え方次第で、様々な形に活かすことができます。
「ニーズの見える化」顧客接点画面例:冷凍パスタ売り場の全貌。目的範囲>選択範囲>選択肢の関係は、謂わば、マーケティングにおける大分類>小分類>単品のような関係です。
「マーケット・セグメンテーションのメリットを活かすこと」を、もっと卑近で単純な例に求めるならば、顧客にとっての売り場利用の「目的」や実際の「選択」が見えているのですから、この通りに商品を陳列すれば、顧客にとっては「見つけやすく選びやすい」という、潜在ニーズ以上に即時性のある直接的なメリットとなります。それがひいては売り手のメリットにもつながるのですから、これはまさにマーケティングを体現したものです。
「選択範囲」が分かるということは、「選択範囲」内の選択肢の数が分かるということでもあります。過剰な選択肢の数は顧客の選択を阻害しますし、売り手にとっても売上、在庫、作業の全ての面で良いことはありません。「選択範囲」内の選択肢数をトリミングし、適切な数とすることもまた、売り手よし、買い手よしのマーケティングを体現したものです。
プロダクトアウトな私たちの思想はつい「価値の提供」=「価値ある商品の提供」と考えがちですが、顕在ニーズであるこれら既存の商品の陳列や選択肢の最適化もまた、「顧客ニーズに応える価値提供」に他なりません。
マーケティングとは『顧客ニーズを把握し、価値を提供すること』。この基本を、本当に実践できていますか?
BiZOOPe(ID-POS分析)は、その核心を突く二つの鍵を提供します。
第一の鍵:『声なき声』も語り出す、真実のニーズ
一切の誇張を含まず、事実のみに基づいた、サイレントマジョリティを含む大衆のニーズを明らかにします。
第二の鍵:マーケティングの羅針盤『真の市場細分化』
ゴールドラット博士のセグメンテーションの定義に、完全に合致したマーケット・セグメンテーションを実現します。そしてこれは同時に、マーケットとは、大衆のニーズの集積から構成されるものであることを明らかにしています。
This Is Marketing
もしもあなたの会社が、トップページに記載されているBiZOOPe導入小売業様とお取引があるようでしたら、ぜひBiZOOPeに触れる機会を作ってみてください。
これからのマーケティングは、市場の『真実』を手に、データドリブンな戦略を立てるものへと進化します。
This Is Marketing:マーケットとは大衆のニーズの集積から構成されるもの。