チラシ商材選定の技術と実務

「今度のチラシ、酒部門で裏面の21コマお願いね!」と言われたとします。

さて、どのカテゴリーから何SKUを選定しましょうか?

単品の選択は商品選定の基礎 の通りですが、ここではカテゴリーへのSKU割り振りの段階から BiZOOPeTapir_MK 実際に行われている商材選定の方法を紹介します。

チラシの目的「極力多くの人の多様な価値観に響かせる」による来店誘引にありますから、正にTapir_MK の独壇場です。

分析条件についてはID-POS分析の勘所 に準じます。

何故そうなるかの理由、用語、ロジック等については別途 Tapir_MKによるマーケティングの教科書 をご覧下さい。

SKU分配率で割り振る

基本は【参考】SKUとスペースの分配率 にも書いたSKU分配率で割り振りを行います

SKU分配率(図の赤フォント)の合計は100%ですが、数値の切上げを行う関係上そのままですと21SKUを超えるSKUが採用されてしまいます。

この場合、採用順が下位のカテゴリーから順に割り振り数を減らして行き、21SKUに合わせます。
その結果が図のSKU分配(図の青フォント)になります。

ID-POS分析の勘所 でも書いたように、理想は各カテゴリー毎にTapir_MK の単品分析を掛け、採用順昇順で分配数分のSKUを採用して来る事ですが、面倒な場合には採用カテゴリー全体を単品分析に掛けてしまいます。

分析結果(分配関係はEXCEL上で計算)

※.採用順が高いにも関わらず分配率の低さから1SKUも割当が行われないカテゴリーが出るのを避ける為、四捨五入では無く切上げとしています。

2ndレコメンド以上で分配した方が手数も少なく効果も高い

実証実験の結果から、2ndレコメンド以上のカテゴリーに絞って分配を行った方が、チラシ商材の利用者率が高くなる事が分かっています。

SKU分配率はどのカテゴリーも分母は同じですので、2ndレコメンド以上のレコメンドが付いたカテゴリーのSKU分配率を足し合わせる事でこれを改めて分母とし、SKU分配率を計算し直します(図の赤フォント)。

この場合も数値の切上げの問題が出て来ますから、採用順が下位のカテゴリーから順に割り振り数を減らして行き、21SKUに合わせます。
その結果が図のSKU分配(図の青フォント)になります。

この程度のカテゴリー数であれば、各カテゴリー毎にTapir_MK の単品分析掛け、採用順昇順で分配数分のSKUを採用する事も可能でしょう。

それでも面倒な場合には、採用カテゴリー全体を単品分析に掛けてしまいます。

分析結果(分配関係はEXCEL上で計算)

2ndレコメンド以上に絞るという事が、チラシの目的である「極力多くの人の多様な価値観に響かせる」に反すると感じる方もいらっしゃるかと思いますが、絞らなかった場合に割当が行われる採用順最下位(10位)のみりんの利用者が241人に対して、採用順1位のリキュールの利用者が4,980人と、約21倍のバラエティーに富んだ利用者が居る訳ですから、リキュールの中の顧客の多様性を深堀りした方が「極力多くの人の多様な価値観に響かせる」事に繋がる訳です。

また顧客は併買をしますから、みりんの利用者の中にもリキュールが響く利用者が含まれる筈です。

これは他のカテゴリー同士の関係においても同様です。

季節性があるカテゴリーの場合

直近データの集計では2ndレコメンド以上にならないが、将来そうなるであろうカテゴリーが出て来ます。

その場合、直感に則って割り振りを変更して頂ければ結構です。

直感が無い方、厳密に分析したい方については【参考】ハネるカテゴリーの確認 をご参照下さい。

SKUの選定(チラシの場合)

原則商品選定の基礎 同様採用順昇順で割当数迄のSKUを取得して来れば良いのですが、気に入らない商品/都合の悪い商品がある場合、それを間引きながら割当数迄のSKUを取得して行きます。

SKUでは無くアイテムとしてチラシ掲載する場合においても、アイテムとして重複するSKUを間引きながら割当数迄のSKUを取得して来ます。

但しこの場合においても掲載する代表商品写真には、アイテム中採用順トップのSKUのものを使用します。


多少気に入らない点もあるかとは思いますが、額面通りに分析すれば、リキュール、ビール、清酒の各カテゴリーから図のような商品がチラシに採用される事となります。

リキュール採用順昇順で14位迄


ビール採用順昇順で4位迄


清酒採用順昇順で3位迄

以上、チラシ商材選定の技術と実務でした。


チラシ紙面配置の技術と実務 に続きます。