ID-POS意思決定支援クラウドサービスBiZOOPe
マーケティングの概念

ID-POSに限らず、マーケティングとは何なのか?どのような事をすればマーケティングと呼べるのか?どう進めて行けば良いのか?
その概念について書いたページです。

マーケットとは

マーケットの一方、売り手側の側面には、商品やサービスといった商材の存在があります。売り手は幅広い買い手の幅広い価値観に受け容れられるよう、求められる一定範囲のメリットを想定して、商材を揃えます。

それを食品マーケットとするか、乾物マーケットとするか、水産乾物マーケットとするか、はたまた「中華干エビは乾物か?中華食材か?」といった定義は、完全に売り手の都合と判断に依拠します。

商材の存在だけでは倉庫と同じですから、マーケットを成立させるもう一方の側面に買い手の存在があります。買い手は各々の価値観に照らし、商材の利用から自らが得られるメリットを想起し、思い思いに利用/未利用の選択を行います(例えば車にメリットを見い出せ無い人が、車屋を利用する事はありません=マーケット不参加)。

マーケットとは

商材の利用メリット と 買い手の価値観 との接点

と言え、これに照らせばwebサイトや店舗、売場、棚割、チラシ、アプリといったもの全てが局所的マーケットです。

マーケティングとは

よってマーケティングは、販促であれ、MDであれ、買い手の価値観に触れる全ての場面における商材政策です。但し、マーケットが商材∧買い手の接点である以上、それを商材だけ/買い手だけの一側面からしか押さえていない政策は  ”マーケティング的” ではありません。

ex)”マーケティング的”で無い政策

商材だけ :粗利が高い商材を売り込む

買い手だけ:偏った個の要求を飲む


マーケティング的な政策とは

制約のある商材に対して、膨大な数の個々の顧客がそれぞれ異なる価値観を持ち、異なる利用メリット認識を行う以上、

商材を介し

なるべく多くの買い手に喜んでもらう

なるべくがっかりする買い手を少なくする

  ⇩

売り手の都合 と 多くの買い手の都合 が合致する 部分 に集中し続ける

= Win-Win がマーケティング政策の枠組みです。

例えばチェーンストアにおけるセルフサービスは、一部の買い手からしてみれば、売り手の一方的な都合に見えますが、圧倒的多くの買い手と双方の都合が合致したからこそ、今日の業態の隆盛に繋がっています。

マーケティング政策における具体的意思決定手法

他の政策同様、意思決定に必要なのは「分ける」事、「優先順位を振る」事ですが、マーケティング的な分け方、優先順位の振り方が必要です。


「分ける」

「多くの買い手」と書いて来ましたが、マーケットの51%の買い手と合致する部分に集中し、49%の買い手を切り捨てては立ち行きません(”品揃え”という概念が崩壊します)。

マーケットを買い手の価値観と、その多数決による利用メリット認識の相違から「分ける」事=マーケット・セグメンテーションによって、それぞれのマーケットセグメントに異なる政策を打つ事ができます。


※.商材セグメントの円の面積は、買い手セグメントの人数の面積を踏襲したものであり、商材数や売上高を示すものではありません。

買い手セグメントと商材セグメントはマーケティング政策の定義に則り被りますが、前者は買い手がセグメント間で重複し、後者は商材をセグメント間で重複させません。

世の中には買い手をセグメントする様々な手法が存在しますが、個人の内面の多様性、各個人の相違を考えれば重複は当然であり、一人が必ず1セグメント内にしか所属しないセグメント手法は、デフォルメが過ぎます。


「優先順位を振る」

図のように買い手の人数と商材の品揃え数や売上は必ずしも一致する訳ではありません。

商材を3つ採用しようとした際に、買い手の人数/商材の売上どちらか片方を優先して順位を振ると、その全てが利用メリットAから選ばれ、価値観Aを持つ買い手からしか喜ばれない可能性があります。

商材を3つ廃止しようとした際も、その全てが利用メリットCから選ばれ、価値観Cを持つ買い手ががっかりする可能性があります。


なるべく多くの買い手に喜んでもらい、なるべくがっかりする買い手を少なくする為にも、採用時にはなるべく全てのセグメントから最低限1商材が選ばれるような、廃止時にはなるべく全てのセグメントで最低限1商材が残るような順位の振り方が必要です。


食品スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター等の小売チェーンを対象としたID-POS分析システム BiZOOPe の分析メニューの一つTapir_MKでは、ID-POSデータを使う事で、このようなマーケット・セグメンテーション、優先順位振りを実現しています。

実現方法の詳細については Tapir_MKによるマーケティングの教科書  を、具体的にどのような業務に活かして行けるのかについては これからのID-POS活用を真剣に考えてみよう!  を御覧ください。