ID-POS意思決定支援クラウドサービスBiZOOPe
【これからのID-POS活用を真剣に考えてみよう!】
ID-POSの本質的メリットと原理

顧客、製配販「三方皆良し!」の流通業最強データ

これからのID-POS活用を真剣に考えてみよう!

売場、顧客、様々な問題とシリアスに向き合っている流通マンの為に ー

顧客接点が多様化して来ていますが・・・

従来からの接点である店舗/売場、チラシに加えて、レジクーポン、アプリと顧客接点が多様化して来ています。

特に顧客に対してダイレクトにリーチ可能なアプリは、スマホネイティブな世代がメイン顧客として台頭して来ている事、並行して人口が減少局面にある事を踏まえれば、この接点を持たない企業にとっては極めて脅威に感ぜられます。

アプリやクーポンをもってID-POSのメリットと捉える向きも多いかとは思いますが、単に顧客接点を増やすだけであれば、アプリやレジを介して従来型のチラシやクーポンを配布すれば良いだけで、ID-POSは必要ありません。

ID-POSのメリットはアプリやクーポンといった顧客接点は勿論、チラシ店舗売場といった従来からあるありとあらゆる顧客接点分割できる、それによって接点を理解し、より良い関係へと改善可能な点にあります

中でも小売チェーンにとってのレゾンデートルである店舗/売場/商品といったリアルな顧客接点は、当然ながら最重要顧客接点と言え、ここの分割、理解、改善無くして集客だけを図っても「仏作って魂入れず」です。

本稿前半では思考の単純化の為にアプリやクーポンを例に出しますが「それだけじゃ無い!」ですので「ウチには関係ないや!」と離脱しないで下さい(*-ω人)

同じく前半は「単純過ぎて」、後半は「複雑過ぎて」離脱してしまいたくなってしまうかもしれませんが、絶対にあなたの仕事とキャリアのお役に立ちます!どうぞ最後までお付き合い頂ければ幸いです(*-ω人)

(弱者こそ力を一点に集中すべきです。小売業にとってその一点とは、当然店舗になります。筆者個人的には寧ろ「ウチには関係ないや!」と思われるかもしれない図のB社のような企業さまにこそ、ID-POSを徹底活用して頂きたいと考えています。)

ID-POSの真のメリットは 接点分割 ⇨ 接点理解接点改善

ID-POSによる単純な接点分割の例を挙げるとー

例えばスーパードライの単品クーポンがあった時に、ID-POSではスーパードライと顧客との接点を「スーパードライを利用した事がある」「スーパードライを利用した事が無い」かの2つに分割する事が出来ます(細かい事を言えば、年代を絞った上で)。

ほとんどの単品の利用者率は20%どころか10%を超える事も稀ですので、ここでは便宜上前者を20%、後者を80%とします。

「利用接点がある」=「利用メリットを感じた事がある」ですから、前者(20%)にスーパードライのクーポンを発行すれば、その内40%程度の顧客が利用します。

利用した顧客は、クーポンないしはそれを発行した店なりアプリなりを「利用メリット有」と考え、利用するようになります。

後者(80%)にスーパードライのクーポンを発行しても、その多くは利用されません。

利用しなかった顧客は、クーポンないしはそれを発行した店なりアプリなりを「利用メリット無(多くの場合、寧ろ煩わしい)と考え、利用しません。

単なる接点の追加では「媒体が増えただけ」であるばかりか、80%超の顧客から「嫌われる機会も増加させる」リスクを孕みます。

発行しないか、何か別の商品のクーポンを発行した方が良かった訳です。

単純な例ですが、接点は基本このように利用/未利用といった利用行動から分割、理解されます。

流麗な動画が流れるアプリだろうが、レシートの紙クーポンだろうが、何であれ顧客は自分にとって「利用メリットがある」と認識したものをのみ利用するというのがシンプル行動原理です。

我が身に翻って見れば分かる通り、顧客とは「育てる」「離反を防ぐ」ような代物では無く、ただ単に「そういうもの」だという理解が必要です。

何故来店しないのか?

何故カード会員にならないのか?

何故売り場を/アプリを/商品を利用しないのか?

全ては畢竟、その人にとっての利用メリットが<無い認知されて無い他店比で劣る>から/利用メリットを上回るデメリットがあるからだという点に帰結します。

利用メリットがあるから利用します。

利用メリットが無いから利用しません。


顧客にとって何が利用メリットなのか?を知り、それを適切に提示することが出来たならば、接点は改善され、その”売り物”は強くなる筈です。

顧客ID付きの ジャーナルデータ は アンケート用紙

ID-POSの世界において顧客は、ジャーナルというアンケート用紙を通じて

「私はスーパードライに利用メリットを感じる。そういう価値観を持った人間である。」

「私はスーパードライに利用メリットを感じない。そういう価値観を持った人間である。」

と、その利用/未利用という利用態度から表明しています。

今度はスーパードライ、プレモルという2商品の相互関係に絞って見てみると、それは下図のようになります。


「ロイヤル/離反顧客/バーゲンハンター」と店が顧客を評する一方で、当の顧客は

「私がそのような利用態度を示すのは、あなたの店の利用メリットが、私にとってはこれ(だけ)だからである」

と、清濁いづれも日々のジャーナルデータとしてアップし続けているのです。

それを利用しない手はありません。

それにも関わらずプレモル派どころか、ビール未利用者にも、スーパードライを「お得でしょ!?」とプッシュし続けるような方法論では、その媒体が何であろうと顧客接点は改善されないどころか、場合によっては悪影響を及ぼします。

「マーケティングとは新しい策を生み出す事では無く、
 マーケット・セグメンテーションのメリットを生かす事にある」
<エリヤフ・ゴールドラット>

人間は仕事を増やすのが大好きですが、アプリやクーポンといった新しい策を始める事がマーケティングではありません。

現に存在する マーケット <売り物の利用メリットと、顧客の価値観との接点>をたった一つの ”マスマーケット” として捉えるのでは無く、利用/未利用の実態から幾つかの利用メリットと価値観との関係に分割して捉える事、それを政策へと落とし込む事がマーケティングであり、その分割を可能にする数字がID-POSなのです。

このアンケート用紙をもとに改善すべき顧客との接点は、至るところに見いだせます。

それはチラシであり、クーポンであり、店舗であり、売り場であり、エンドであり、であり、ゾーンであり、商品です。

これら接点をID-POSで分割する具体的かつ汎用的な方法論について、以下に見て行きましょう。

マーケット・セグメンテーションの原理

商品間には”距離”があった!

簡単の為、スーパードライ、プレモルという売り物(=ビールと定義)と、8人の異なる価値観を持ったマーケット参加者との接点=「ビール マーケット」について考察してみます。

下図ではマーケット参加者8人中スーパードライ派の4人、プレモル派の2人の計6人が「スーパードライとプレモルの利用メリットは違うもの」という価値観を持っており、「どっちも派」の2人が「スーパードライもプレモルも、似たようなもの」という価値観を持っています。

マーケット参加者8人中6人=75%が双方を「遠い」と判断している為、この75%をこの2商品間の距離と定義できます。

このような距離は商品間のみならず、部門間やカテゴリー間においても計る事ができます。

ことビールというマーケットに絞っても、現実のマーケットはより多くの商品と参加者によって構成されています。

また、顧客はより幅広い商品選択(併買)を行います。

その為これと同じ方法で、マーケットを構成する商品相互の距離計算を行います。

かなり商品を絞ってみましたが、その計算結果が以下のような表<距離行列表>になります。
(表をクリックで開きます)

ビールマーケット距離行列表

このままの形では接点数=商品数✕商品数で、とても業務には使えません。

これを業務に使える形にする為には、政策実行可能な数に、接点の分割数をまとめる必要があります。

One To Oneという言葉がありますが、人間が実行する策である限りクーポンですらOne To Oneとなる事はありません。

ましてや リアルな売場をや です。

何だかんだ小売チェーンは マスメリット 実行可能 である事は譲れないのです。

そこでこのデータを、最も距離が近い商品同士の組み合わせから順繰りにくっつけて行き、最終的に全商品が一つの塊になる迄計算を繰り返す「クラスター分析」にかけます。

下のトーナメント表のような図がクラスター分析結果を可視化したもので「デンドログラム」と言います。

図の各商品名の先頭から、トーナメント表の各結合部迄の”高さ”距離を表しています。

この高さに対して、水平にデンドログラムをカットする場所を選ぶ事で、2〜商品数迄、任意の数の接点分割=マーケット・セグメンテーションが可能です。

【ちなみに】

距離行列表中、最も遠い商品同士の距離と同じ高さで、デンドログラムを水平に切った際にできる塊(後述のseg_f)が、青と緑の線の交互で表現されています。

距離行列表中の商品間距離の平均と同じ高さで、デンドログラムを水平に切った際にできる塊(後述のseg_n)が、赤と黄の線の交互で表現されています。

デンドログラムが作られる過程で、商品が関連する順番に並びますので、図表の右から左、もしくは左から右の商品の並びが、後述する「並び順」になります。

マーケット・セグメンテーションから小売業が得られるメリット

ここまでの解析結果を、業務に使える形に落としたのが下の明細表です(主要な出力項目に絞っています)。
(表をクリックで開きます)

各項目とその利用用途につき以下に解説して行きます。

解析結果はあくまでもこの時の、この小売チェーンの在り方、品揃えと、それが呼ぶ固有のマーケット参加者によって作り上げられたものであり、普遍的なものでは無い点にご留意下さい。

ビールマーケット明細表

seg_f(セグメントfar):顧客にとって”遠い”利用メリットの塊

定義上、遠い=このセグメント一つに対して何らかの政策(マークダウン等)を打ったとしても、別のセグメントに影響を与える事のない=カニバリゼーションしない 塊で、マーケット・セグメンテーションそのものを表します。

一方のマーケット分野における価格変化が、
他方のマーケット分野における価格変化を誘導しない場合、
この二つのマーケット分野は互いにセグメンテーションされている。
<エリヤフ・ゴールドラット>

「利用している人が違う」もしくは同じ人でも「利用時の用途が大きく異なる」と捉えられます。

”最も遠い商品同士”と同じ距離でデンドログラムをカット

赤フォントのf1〜f4の塊に分割される
(表をクリックで開きます)

ビールマーケット明細表_seg_f

【多くの顧客にとって】
漠然とした来店動機/売場の利用動機です。
表のseg_f=f1であれば「そろそろビール箱買いしに行こッ♪」「そうだ!家の在庫切れてた!買っとこ!」というイメージ。

【レイアウトに】
フロア、棚割、チラシ紙面等レイアウト決めが必要な全ての業務において、この単位でゾーニングをする、遠目に利用メリットが目立ち目に止まりやすい/見逃しの少ない」レイアウトができあがります。

【クーポンに】
表の三列目「プレミアムモルツ350ml」の単品クーポンを発行しようとする際に、所属するseg_f=f1の利用者1,296人が、定義上クーポンが響き、来店頻度の向上が期待できる限界の人数と考えられます。
メーカー視点で見れば、プレモルにブランドスイッチさせる事がギリギリ可能なのは、スーパードライの箱買いユーザだけだと捉えられます。

【新商品に】
それぞれのセグメントが持つ顧客にとっての利用メリットを解釈したら「ここに存在しない、顧客にとっての利用メリットは無いか?」を考えます。
ストアコンセプトとの整合性が必要ですが、来店していない人、来店しても売場を利用していない人にとっての利用メリットが、そこにあるのかもしれません。
新商品の開発/投入によって新たなseg_fが生まれたならば、それは”マーケット創造”と言えます。

seg_n(セグメントnear):顧客にとって”近い”利用メリットの塊

売場の利用メリット、利用動機そのものです。

近い=政策によってセグメント内で相互にカニバリゼーションを起こし得る塊なので、その中には代替可能品群/選択利用品群が含まれます

商品の絞り込み等によって、このセグメントそのものを消失してしまう「用途機能欠落」、来店動機の逸失に繋がります。

”平均的な商品間距離”でデンドログラムをカット。

赤フォントのf1_n1〜f4_n6の塊に分割される。
(表をクリックで開きます)

ビールマーケット明細表_seg_n

【多くの顧客にとって】
より具体的な来店動機/売場の利用動機であり、選択の単位と言えます。
表のseg_n=f1_n1であれば「プレモル買わなきゃ♪」「一本でいいかなぁ?車で来んで一箱買っとく?」というイメージ。

【レイアウトに】
フロア、棚割、チラシ紙面等レイアウト決めが必要な全ての業務において、この単位でゾーニングる事、近くに利用メリットが固まり「選びやすい/手に取りやすい」レイアウトができあがります。
順番としてはseg_fでゾーニングした後に、その中でseg_nのゾーニングを行います。

【クーポンに】
表の三列目「プレミアムモルツ350ml」の単品クーポンを発行しようとする際に、単品の利用者389人に次いでクーポンが響き、来店頻度の上昇が期待できるのが、所属するseg_n=f1_n1の利用者670人になります。
「seg_f > seg_n > 商品」という単位で、各社の予算とブランドスイッチの目論見に応じた協賛を大々的に募れば、大きな客数増が見込めます(小規模メーカーでも参加でき売上が増え、小売業は客数が増え、顧客は喜び三方皆良し)。

【新商品に】
一つのセグメントにおいて顧客が「どれにしようかな?」と選べる商品選択の幅を、例えば3商品程度と定義したら、所属商品が3に満たないセグメントについては新商品の追加を考えます。3を超えるセグメントについては鮮度維持の為、商品の入れ替えを考えます。
但し、いづれにおいてもマーケットサイズ ≒ seg_n利用ID数 が十分ある事を前提とし、そうで無い場合にはカットも検討します。

並び順:関連する商品の順番(二次元版)

クラスター結合の過程で生成される、ざっくりと「より数字が近いもの程、顧客にとっての利用メリットが近い/商品同士の関連性が高い」事を表す指標です。

結合の過程で生まれる並び順。
BiZOOPeでは右から昇順に採番しています。

赤フォントが並び順。
デフォルト表記は並び順の昇順です。
(表をクリックで開きます)

ビールマーケット明細表_並び順

【多くの顧客にとって】
表で言えば「プレモル24本」と一番選択に迷うのは「プレモル6本」、「プレモル6本」と一番選択に迷うのは「プレモル1本」といった具合です。
「プレモル1本」の次に「スーパードライ24本」が来るのは、選択と言うよりも「常飲」と「特別な日」のような利用関係、価値観が推察されます。

【レイアウトに】
フロア、棚割、チラシ紙面等レイアウト決めが必要な全ての業務において、おおよそ並び順昇順/降順で並べる事、顧客にとって関連性に繋がりのある「あれもこれも」のレイアウトができあがります。
seg_f>seg_nとゾーニングを終えた後に調整用として用います(左右の優位地や、大きさ/重さによる上下位置を考慮しなければならないレイアウトにおいては、余りこの数値に囚われ過ぎないようにして下さい)。

採用順:昇順=選ぶべき商品の順番、降順=カット候補商品の順番

デンドログラムをその最上部付近、2本の垂直線と交わる位置で水平にカットすると、2つのセグメントが生まれます。

これはマーケットをデンドログラムの左と右、顧客にとって大きくかけ離れた2つの利用メリットの塊に分けた事を意味します。

それぞれの利用メリットを代表する=利用ID数が最も多い商品を一品づつを選抜し、これに1位、2位と順位を振ります。

これを「売場を3つの利用メリットに分けて」「売場を商品数に分けて」繰り返しながら順位を振って行ったのが採用順です。

より離れた利用メリットを代表するものから順に採用して行くので、採用商品にバラエティーが生まれ、より多くの異なる人/異なる利用用途に、重複無く訴えかける商品の順序となります。

セグメントを3つに分けた段階での採用例。

赤フォントが採用順(オリジナル表記から列を移動)。
単なる売上順では無いのがID-POSならではのポイント。
(表をクリックで開きます)

ビールマーケット明細表_採用順

【多くの顧客にとって】
売上順位のイメージは、1位商品に投票した人が2位以降の商品を決める投票にも参加できる「一人複数票」による投票。=商品視点
採用順のイメージは、1位商品に投票した人は2位以降の商品を決める投票には参加できない「一人一票」による、なるべく全員を満足させる投票(チェーンストアである限り”マス”である事は重要な為、厳密には異なる)。=顧客視点

【販促商品選抜に】
表を採用順昇順並び替えれば、エンドやチラシに選抜した際に、より多くの顧客に重複無く響く商品選抜が可能です。

【商品カット/品揃え絞り込みに】
表を採用順降順並び替えれば、カットしても用途機能欠落=来店動機の逸失に繋がりにくい商品から順に並びます。
顧客がわざわざ遠くの店を利用する理由は「他店に無い利用メリットを求めて」です。
商品という利用メリットで考えた時に何故「他店に無い」かと言えば、「売れないから」というのが理由の一つとして考えられます。
時にこのような商品は「売れている商品」、売れているが故に「同質的商品」との入れ替え候補となってしまい勝ちです。
ID-POSはこのような来店動機商品/利用動機商品の欠落を防ぐ事に役立ちます。

レコメンド:最も強力な来店動機/売場利用動機商品

各seg_fを代表する商品一品づつに「1st」、各seg_nを代表する商品一品づつに「2nd」振られます。
(採用順 seg_n数 の商品にレコメンドが付く

レコメンドがついた商品、売場に必要とされる「最低品揃え」=最低限利用メリットの代替、吸収が可能な1商品と考えられます。

既にレコメンド=1stが存在しているseg_nからはレコメンド=2ndは選ばれません(1seg_nにつき1商品)。

赤フォントがレコメンド(オリジナル表記から列を移動)。
レコメンドがついているにも関わらず、全店採用で無い商品が見受けられる。
(表をクリックで開きます)

ビールマーケット明細表_レコメンド

【多くの顧客にとって】
現在売場を利用している顧客にとって、ギリギリ我慢可能な=選択余地の無い最低限の品揃え。
転じて当該売場であるならば、最小パターンから最低限品揃えしておきたい代表的来店動機/売場の利用動機

品揃えに】
全売り場でこのような分析を行い、全店で漏れなくレコメンド商品の品揃えを行えば来店増、利用増が期待できます。
限られた店舗でしか取扱の無かったものを「全店で取り扱ってみるから☆」と言われれば、お取引先も大いに協力してくれるのでは無いでしょうか?

【商品カット/品揃え絞り込みに】
逆にレコメンドがついた商品は、経済合理性に大きく反しない限り、絶対にカットしない(最低1品を残す事で、用途機能欠落を防ぐ)事。

様々な単位(部門/カテゴリー/単品)で意思決定に活かせます

マーケットの定義はまず売り手側の”売り物”の定義(範囲、サマリ単位)を起点としますが、その利用メリットと顧客の価値観との接点を利用行動の相違から分割するという手法には変わりが有りません。

ここ迄はビールというマーケットを単品でセグメントする例を示して来ましたが、それ以外にも様々に定義された”売り物”と顧客の関係をセグメンテーションし、同様の手法で業務に活かす事ができます。

売り物=自社(ドラッグストア業態) と見做し、部門のセグメンテーションを行った例(表をクリックで開きます)

顧客が何を主たる来店動機としてドラッグストアを利用しているのか(レコメンド)?おおよそどのような買い回りをする顧客で構成されているのか(seg_f & n)?が分かる。
部門=売場と見做せば、フロアレイアウトにも使える(並び順&採用順)。

部門セグメンテーション

売り物=酒 と見做し、カテゴリーのセグメンテーションを行った例(表をクリックで開きます)

顧客が何を主たる利用動機として売場を利用しているのか(レコメンド)?おおよそどのような買い回りをする顧客で構成されているのか(seg_f & n)?が分かる。
カテゴリー=ゴンドラと見做せば、売場のゴンドラレイアウトにも使える(並び順&採用順)

カテゴリーセグメンテーション

売り物=チラシ と見做し、チラシ掲載予定商品(部門横断)のセグメンテーションを行った例(表をクリックで開きます)

顧客にとって目玉となる商品/塊(≒チラシ枠)が分かります。
seg_f、seg_n、並び順から適切な紙面レイアウトの目安が分かります。

チラシ掲載予定商品(部門横断)

ここまでのデータは全てBiZOOPeTapir_MKで出力しています。

Tapir_MKからはこの他にもseg_fサマリ表、seg_nサマリ表が出力されます。

協働のススメ

ここまでに挙げ、以降に詳細を記すような政策を、全店、全売場で採る事ができれば、大変大きな効果が期待されます。

が、これを小売業だけで実施して行く事はなかなかに至難の技です。

バイヤーが概念だけは理解した上で、棚割は従来棚割を依頼していたリーダーベンダーさんに、クーポンはメーカー各社さんに、チラシは印刷会社さんに任せる協業体制を採る事が一つの方策として考えられます。

BiZOOPeはインターネットを介して製配販で協働、その視点を等しく自店の顧客へと向ける意思決定支援クラウドサービスです。

業務への具体的な適用例(リンク)

不定期連載「これからのID-POS活用を真剣に考えてみよう!」シリーズへのリンクを、順次以下に追加して行きます。

全ての政策が以下に通じています。

目的
利用を増やす
(ロイヤル顧客等の構成比構造、客単価、来店頻度等の顧客の利用行動は大きくは変わらない⇨パイを増やす/抜けを減らす

優先度
店舗の利用>売場の利用>商品の利用

価値規範
顧客視点≠商品視点
自らの”在り方”が顧客をそうさせている/顧客とは「そういうもの」である

手法
顧客にとっての利用メリット理解する
= マーケット・セグメンテーションのメリットを活かす