ID-POS意思決定支援クラウドサービスBiZOOPe
シン・ID-POSの教科書

Tapir

Tapir(ていぱぁ)

【メニュー名の由来】Ç3−Labが、「ID-POSで食っていく!」という夢を喰らって生きて行こう!と決めた第一作。

Tapirは様々な利用メリットを持った商品群/分類群と、様々な価値観を持った顧客群との接点を、顧客の利用行動に基づきセグメンテーションし、セグメンテーションによるメリットを享受する為の様々な活用手法を提供します。

現在Tapirにはマーチャンダイザー向けの Tapir_MD と マーケッター向けの Tapir_MK が存在しています。

Tapirの操作方法に関する事項ついてはマニュアルをご覧下さい。

Tapir_MDマニュアル

Tapir_MKマニュアル

テンポラリーTapirマニュアル

※.本項を完全に理解し、自在に操れるようになれば、あなたのキャリアアップは約束されたようなものです。

   読み損したく無いという方はまずこちらを御覧じろ。。。ズバリこんな感じに使えちゃいます。

AGENDA

ポイント

「自分にとっての利用メリット」が無い店に顧客は来店しません。
(釣りが趣味で無い人が釣具店に来店する事は無い。)


「自分にとっての利用メリット」が欠けた売場を持つ店は、しばしば顧客の来店機会を逸失し、
競合にみすみす来店機会を与えています。
(「そうだ!ビール買いに行こッ!」と考えた時の「そう言えばあの店黒ラベル置いてなかったなぁ〜。遠いけどあっち行こorz」のようなケース。許容可能な代替品が存在しない場合に発生する。)


Tapirはマーケット・セグメンテーションによって、自社の顧客にとっての”利用メリット”を明らかにするものです。


マーケット・セグメンテーションの基本原理は”併買”という顧客の利用行動にあります。

マーケット・セグメンテーションについて、極々簡単にはこちらをご覧ください。

以降、図表等で挙げている例はあくまでも「その企業を利用している顧客の利用行動」に基づいたものであり、どの小売企業でも同じような結果が出る訳ではありません。

ここから導き出される重要なポイントは、Tapirの分析に基づき実施される政策は、「分析対象小売企業利用者の為の政策」であり、競合他社とは完全に差別化された政策であるという点です(但し、これは当該小売企業の”在り方”に多くを依存しており、その”在り方”そのものの優劣は、分析とは別の問題です)。

Tapirが提供する機能

1.マーケット・セグメンテーション

マーケットを構成する売り物(以降商品と呼称)を顧客視点から”近い”商品群と”遠い”商品群に分類します。

2.並び順

商品をどのように並べたら良いのかの関連順を示します。

3.採用順

商品をどのような順番で採用すれば良いかの順番を示します。Tapir_MDTapir_MKでロジックが異なります。

4.レコメンド

採用順に基づき、Tapir_MD では商品カットや何本パターン以上で陳列すれば良いかのレコメンドを、Tapir_MK では販促等でチョイスすべき商品のレコメンドを行います。

以上を出力する「明細表」の他に、セグメントされた分類毎の「サマリ表」、計算根拠である「距離行列表」とそのクラスター分析結果である「デンドログラム」が提供されます。

距離行列表
※.文字コード=UTF-8である為、Windowsではメモ帳等によるS-JISへの変換が必要です。

デンドログラム
画像ファイル

Tapir_MD と Tapir_MK の違い

政治的な色彩の強い”カット”Tapir_MD (MD=マーチャンダイジング)と

自然科学的な色彩の強い”選抜”Tapir_MK (MK=マーケティング)

という2つの思想の違いから、前者は単品による棚割、品揃え、商品カットに特化しており、後者は販促等様々な用途を担う汎用機能として設計されています。

【共通】

下図のように、同一の分析条件である限りマーケット・セグメンテーションと並び順の計算方式は共通です。

・マーケット・セグメンテーション

マーケットをseg_f(セグメントfar:顧客から見て利用メリットが”遠い”セグメント)とseg_n(セグメントnear:顧客から見て利用メリットが”近い”セグメント)の2つに自動で分割します(画面上同一コード、同一網掛け部分)。

このセグメントを本HPでは「利用メリット群」と呼称しています。

棚割やチラシ紙面上のゾーニングに用いると共に、利用メリットそのものが売場から一切消滅してしまう事態を避ける為のガイドラインとして用いられます。

※.分析時に定義されたマーケット内における相対的な”遠さ/近さ”である点にご留意下さい(ex.ジャムで集計した場合の遠さ/近さと、ジャム+ハチミツで集計した場合の遠さ/近さは異なる)。

・並び順

実際には三次元である商品相互の関連する順番を、二次元配列に置き換えた数値を提供します。

棚割やチラシ紙面上での並びの参考にして頂けます。

詳細については「利用メリットと並び順」をご覧ください。

【相違】

上図のように、採用順とレコメンドについては、MDとMKで異なります。

・採用順

何をもって「セグメントを代表する」と見るのか?と利用メリットの満たし方の相違。

Tapir_MD(売上実績重視。売れ筋排除回避。)
※.tmp_Tapirにおいてはロイヤル顧客(M1F1)の算出が出来ない事から、以下関連する記述についてはそれに当たらないものと解釈して読解願います。

加重平均された金額、点数、ID数と、それぞれのM1F1顧客(超ロイヤル)構成比を点数化して「採用評点」を計算します。

まず各seg_nから採用評点の高い順に1SKUを抜き出し、「採用順」を振ります。

次いで、残った商品に対して採用評点順に採用順を振ります。

極力売場から利用メリットの消失を避ける事と、たとえ利用メリットが重複したとしても売れ筋は排除しない=バイヤーの納得感を両立させた仕様です。

※.加重平均=1店舗1日換算値。品揃えに重点を置いている為、隠れた売れ筋をカットしてしまわないよう加重平均化を行っている。混乱を避ける為、画面上の数値については実数を表示。

Tapir_MK(利用実績重視。重複回避。)

何よりも”利用を増やす”という側面から、「採用評点」にあたる数値として、現により幅広く”効く”顧客数の多いID数(デフォルト)、またはマーケットを広げるかもしれない加重平均ID数(画面上は非表示)を「採用順」ボタンから選択可能としています。

セグメント数を2 ⇨ 最下層リーフ数(SKU等)迄1つづつ増やしながら、1つづつ表出して来るセグメントの利用メリットを代表する=採用評点の高い最下層リーフを順に採用して行きます。

極力多くの人の価値観に、重複せず響く利用メリットを選抜する為の仕様です。


同質利用メリットを持った売上二番手、三番手商品があった場合に、前者はそれを高く評価し、後者は低く評価するというのが大きな違いです。

仮に食用油カテゴリーの売上一位と二位に、顧客にとっての利用メリットが極めて近いA社のキャノーラ油1,000g、B社のキャノーラ油1,000gが入っており、利用ID数については後者の方が多いというケースを仮定した場合ー

Tapir_MDは、A社の商品を高く、B社の商品をそれなりに高く評価します。

Tapir_MKは、B社の商品を高く、A社の商品をかなり低く評価します。

・レコメンド

Tapir_MD(カットの視点:手動)

何本パターン以上で採用すべきか?のレコメンドを行います。
(但し計算は最終採用SKU数と、指定された最大パターン本数の単純な割り算によるものです。)

「cut条件」より分析者の意志として、「絶対採用」と(A商品は絶対採用等)何%をカットするか指定をする事ではじめて、「cut」と「不要seg」(seg_n中1SKUしか存在せず、それが絶対採用の条件に当たらないもの)のレコメンドを最終確定させます。


Tapir_MK(選抜の視点:自動)

1st choiceから最大3rd choice迄のレコメンドを自動で行います。

1st :seg_fを代表する利用メリットを各セグメントから1つづつ選抜。

2nd:seg_nを代表する利用メリットを各セグメントから1つづつ選抜。

3rd:2nd迄のID数の単純和が、マーケットの総ID数に満たない場合にのみ、採用順にID数の単純和が総ID数以上となる迄選抜(最低品揃えの一つの目安)。

詳細については「採用順とレコメンド」をご覧下さい。

Tapirでできる7つの事

Tapirのマーケット・セグメンテーションにはその他にも様々な用途が期待されますが、現状分かっている活用方法は以下になります。

以下いづれもマーケットの定義=集計期間や選択店舗(地区/業態)によって、結果が変わる点をご理解下さい。

計算結果ですから「ん?」と思うケースもあるとは思いますが、それが恣意的に歪められていない顧客のリアルな利用行動の計算結果である事だけは確かです。

鵜呑みにするだけでは無く、あなたの意思決定の支援としてお役立て下さい。

1)商品カット・絞り込み(Tapir_MD

顧客にとっての利用メリットを押さえている事から「利用を極力減らさず、作業を減らす」商品カット、絞り込みが可能です。

ドライグロサリーでSKUを10%カットしても売上が減らなかった事例、小型店フォーマットの品揃え決定に使われた事例があります。

詳細はこちら

※.cutをレコメンドするのは Tapir_MD ですが、筆者的には Tapir_MK で採用順下位のものから「都合の悪いものは除いて」カットするのが望ましいと考えています。後者は短期的な部門の売上(粗利)やリベートへの配慮に欠けますが、部門の利用、ひいては店舗の利用という”利用”に拘り、全体最適を目指すものだからです。「都合」は自分で避けて欲しいのです(理想論に過ぎるかもしれませんがw)。

棚割り/チラシ紙面のゾーニング、並び順

seg_f、seg_nの各利用メリット単位でゾーニングを行う事で、顧客にとっての利用メリットが一箇所に固まり、遠目には利用メリットが発見し易くなる事で買い逃しを防ぎ、近目には同一利用メリット内からの商品選択を容易にします。=見つけ易く、選び易い売場。

定番売場平均で1%の売上アップ事例があります。

当然品出し効率や販促物の都合、サイズや色と言った問題で、Tapirによるゾーニングに沿えないケースがある事に留意して下さい。

棚割には、棚割パターン(何本以上パターンで採用すべきか)をレコメンドする事からTapir_MDが、チラシには、その採用順のロジックからTapir_MKが適しています。

これ以降については、全てTapir_MKを利用した政策となります。

詳細はこちら

全店必須品揃えの徹底で売上、客数アップ

売場に「自分にとっての利用メリット」が無ければ顧客はその売場を利用しません。

そういった売場を持つ店舗はしばしば来店機会を逸失し、みすみす競合に利用機会を提供しています。

ところが「最低限の品揃え」「品揃えの良さ」とは何か?が今まで我々には分かっていませんでした。
その為、図のように最低限の品揃え(レコメンド=2nd choice迄)が全店で順守されている事は稀です。
これらは当然競合にも分かっていない事です。

Tapir_MKの2nd choice迄のレコメンドは、来店している顧客にとっての「最低限の品揃え」を示唆しています。

この分析を全ての売場において実施し、全店品揃えを徹底する事で、来店機会の逸失を最小限に留める事が期待されます。

エンド商品、チラシ商品の選抜

上の例と同様、チラシに「自分にとっての利用メリット」が掲載されていければ、その顧客はチラシに反応し来店する事はありません。

エンドに、その売場を代表する利用メリットが陳列されていれば、多くの顧客がエンドで買い物を完了させるか、利用メリットの存在(買い忘れ)に気づき、定番売場への呼び込みを誘引します(買い忘れは競合の利用機会を作ります)。

セグメンテーションと並び順は、チラシ紙面配置、エンド陳列にも使えます。

EDLP商品による固定チラシ枠の商品(画像)選抜と紙面配置に利用され、以降のチラシの枠比でほとんどが140%超の買上点数を記録しています。

詳細はこちら

チラシもエンドも掲載/陳列可能なSKU数が極めて限られている事から、あくまでも「最大限」を狙います(政策とは”パーフェクト”では無く”より高い確率”を狙う事です)。それぞれ以下の点に留意して下さい。


・チラシ

来店を促すには単に「より多くの人にとっての利用メリット足り得る」というだけではいけません。

”距離”という物理的デメリットを越えさせる為には、少々謎の概念ではありますが「来店動機」足り得る事が重要です。

例えば「もやし」は店内において幅広い人たちに利用メリットを持ちますが、ことチラシとなると「来店動機」に欠けます。

幸いバイヤーには「来店動機足り得るか否か?」が分かりますので、Tapirで分析する際には「ファイル読込」で来店動機足り得る商品だけを読み込んで分析するか、「採用順」が上位だったとしても来店動機足り得ないと判断される商品を除外しながら選抜を行うかして頂く必要があります。(システムによって「来店動機」を抽出する事も不可能では無いと考えますが、季節性やテーマ等を考えれば、人間の頭で考える方が遥かに容易で融通が効くというのが結論です。)


・エンド
チラシとは異なり、入店してしまったからには、より多くの人の”気づき”に繋がる利用メリットを選抜、露出させておく事がベスト(前項で言う「もやし」でOK)です。

seg_fの数(1st choice SKU数)が陳列SKU数の一つの目安となります。

背中合わせになっている売場からぞれぞれ選抜する/主通路側のエンドを主通路方面に位置する台の商品から、中通路側のエンドを中通路方面に位置する台の商品から選抜する等の分析上の工夫を行っても良いでしょう。

いづれもほとんどの場合、分析期間を変えても上位で選抜されて来る商品は固定されがちです。

一度のチラシやエンドでは網羅し切れないであろう2nd  choice迄を組み合わせて、効果的に回す工夫が必要です。

また「季節感のある売場」や「フレッシュな売場」、「新商品のプレゼンテーション」の為には、当然システムのレコメンドだけに頼らず商品選抜をして頂く事も必要です。

※.分析は何処まで行っても”あなたの顧客を思う意志、売上を追い求める意志”を決定する為の支援です。

5)売り上げ、客数を増やすクーポン政策

メーカーは(需要の前借りであっても)自社の商品の売り上げを増やしたい。

それに対して小売業は来店を増やしたい。

そんなミスマッチな願いを、ぴったりマッチさせる政策です。

「顧客に直接リーチできる」事はID-POSの大きなメリットの一つです。

アプリ等の利用が当たり前になりつつある昨今、これは益々重要度を増して来る政策の一つでもあります。

この先メインに台頭して来るであろう顧客層を思えば、ID-POSを実施していない企業にとっては、最早脅威以外の何物でもありません。

単品クーポンを配布した顧客の約40%が利用し、利用者の期間内来店回数が0.3〜0.4回増え、客単価は変わらなかった=商品の売上も店舗の売上も増えた 事例があります。

詳しくはこちら

Tapir_MKでは、複数SKUからなるアイテムクーポン等のクーポン形態にも対応すべく、「階層ファイル」の読込等の商品指定方法を実装しています。

詳しい操作方法は、マニュアルのこちらをご覧下さい。

※.単品クーポンの場合、所属カテゴリー内で分析すればおおよそ十分ですが、アイテムクーポン等多くの利用者が集積されるクーポンの場合、それより上位の階層である部門等を分析対象とする事も検討して下さい(seg_f=seg_n=アイテムとなるケースが多い為)。

下図はアイテムクーポン「江崎グリコGABAフェア」で集計をかけた例。

クーポン発行対象者は、いづれかのGABA商品利用者の17,356人か、”近い”商品の利用者であるf4_n38=34,625人または”遠からぬ”商品の利用者であるf4=222,887人。

ID数クリックでダウンロードが可能です。

メーカーの予算に合わせた人数のセグメントにクーポンを発行して下さい。

定義上、seg_f外の顧客にクーポンを撒いても効果は極めて薄くなる為、むやみに配布範囲を広げる事は経済合理的ではありません。

例えばレシートクーポンであれば、その分の印字コスト、チェッカーさんの作業が無駄になります。

レシートクーポンに限らず、当然クーポン登録件数には一定の上限がありますので、より来店効果の期待できる別のクーポンの発行を妨げる事(=来店機会の逸失)にも繋がってしまいます。

単品が売れて「メーカー良し」来店客数が増えて「小売良し」使ったお客さんは得をして「顧客良し」

三方皆良し な政策です。

6)フロアレイアウト、ゴンドラレイアウト、経営戦略

Tapir_MKでは、単品と同様のロジックで商品分類サマリのマーケット・セグメンテーションを行う事も可能です。

新店出店時や改装時のみの用途となってしまいますが、部門=売場のように見做せばフロアレイアウトの考察に、カテゴリー=棚割パターンのように見做せばゴンドラレイアウトの考察に用いる事ができます。

大きく、TapirはSKUに限らず”売り物”の「レイアウトを決める為のもの」と言えます。

図は菓子部門配下の小分類をセグメンテーションした例です。

seg_fが菓子売り場を大きくどのように分けて取り扱えば良いのかを示し、seg_nが一箇所に固めておきたい選択的に利用されているゴンドラ群を示します。

並び順が台の配置順を、採用順とそれに基づくレコメンドが顧客がこの売場に求めている主要な利用メリットを表します。

何処の台数を増やし、何処の露出と品揃えに注力すべきかが分かります。

全部門を一度にこのように俯瞰すれば、これは一つの経営戦略足り得ます。

7)品揃え考察、新商品投入/開発

Tapirではこれまで見てきた明細表と同時に、サマリ表(seg_f、seg_n)、ダウンロードデータ(デンドログラム、距離行列表)を生成しています。

サマリ表は主に品揃えの考察、新商品の投入/開発に用いられています。

下図は「サマリ表(セグメントN)」をEXCELに出力後、加工(色付きフォント部分)したものです。

※.色付きフォント部分はTapirで直接出力されるものでは無い点にくれぐれもご留意下さい。

サマリ表をEXCELに出力し、seg_f、seg_nの各セグメントに「それは利用する顧客にとって、どのような利用メリットなのか?」名前を付けて行く事でマーケットの全体像が見えて来ます。

私のように商品知識の無いシステム屋が名前を付けるのは難しい為、図ではセグメントの利用メリットを代表する商品(レコメンド=1st choice /2nd choice)の商品名をセグメント・イメージとして貼り付けてみました(あくまでも複数SKUが存在するセグメントの利用メリットを、代表させる為の名称と捉えて下さい)。

マーケットを俯瞰すると、マーケットの利用メリットは、およそ「セカンドブランドの350mlパック+その他」、「トップブランドの350mlパック」、「2大ブランドの350ml単缶」から構成されている事が分かります。

セグメントf1はプレモル、一番搾り、黒ラベル等、確実に存在はするが今ひとつ抜け出しきれていないブランドSKUが散見され、抜け出すチャンスがあるとも思われますが、SKU数の多いマーケット・セグメント、マーケットボリューム(利用ID数)の少ないマーケット・セグメントについては、商品開発をするにしても、新商品を投入するにしても、熾烈なレッドオーシャンと言え、品揃え商品のリフレッシュ以上の政策的な価値は薄いと考えられます。

それに対して一般論として商品開発/投入を行うのであれば(極めて困難である事は承知の上で)、当然SKU数が少なく、マーケットボリュームの大きなセグメントに対し、その利用メリットを十分に理解し、現状の利用メリットを上回るメリットを何らかの形で提供するというのが正攻法です。

マーケットを俯瞰する事によって生まれる最も強力な政策は「マーケット創造」です。

顧客が求めている現状の利用メリットを見渡す事で「あれ?こんな利用メリットが無いのでは無いか?/あっても良いのでは無いか?」と、ここには現れないマーケット外の利用メリットに思いを馳せる事がマーケット創造に繋がります。

(かつてそれを成し遂げてしまったのが「スーパードライ」なのでしょうね〜。改めて凄い!と思いますし、チャレンジするだけの価値を感じますね。)

まとめ

本項を完全に理解し、自在に操れるようになれば、あなたのキャリアアップは約束されたようなものです。

【ポイント】
Tapirはマーケット・セグメンテーションによって、自社の顧客にとっての”利用メリット”を明らかにします。

Tapirから得られる政策は「分析対象小売企業利用者の為の」、競合他社とは完全に差別化された政策です。


【Tapir】
Tapirが提供するのは

1.マーケットを分ける

2.並び順(関連順)を振る

3.採用順を振る

4.レコメンドを行う

の主に4機能。

「明細表」の他に「サマリ表(セグメントF&N)」「距離行列表」「デンドログラム」が提供されます。


【2つのTapir】
Tapirには

「カット、品揃え、棚割」に特化したバイヤー視点の Tapir_MD

・兎にも角にも「利用を増やす」為の「チョイス」主眼に置いた汎用機能の Tapir_MK

の2つがあります。上手く使い分けて下さい。

※.筆者的には、より自然科学的な Tapir_MK 一本で行きたいという思いもありますが。。。


【Tapirでできる7つの事】

簡単な事から難しい事までありますが、今の所の活用方法ー

1)商品カット・絞り込み

2)棚割り/チラシ紙面のゾーニング、並び順

3)全店必須品揃えの徹底で売上、客数アップ

4)エンド商品、チラシ商品の選抜

5)売り上げ、客数を増やすクーポン政策

6)フロアレイアウト、ゴンドラレイアウト、経営戦略

7)品揃え考察、新商品投入/開発


如何でしたでしょうか?

「あかん!売上上がってまう!」

「あかん!競合に勝ってまう!」

とは思えませんでしたか? 

多くが「机上の空論」では無く、ちゃんと売場での実証実験を伴ったものなので、個人的にはー

「ID-POSは、流通の意思決定の常識になる!」

「ID-POS分析って、実はTapirだけでほぼ十分じゃね?」

と不遜な事を思っていますが、そんな私の不遜の致すところなのか?この文字数とアクのある表現が悪いのか?実のところ小売業さま向けの BiZOOPe も、メーカー/卸売業さま向けの テンポラリーTapir もイマイチご利用頂けてませんorz

同意頂ける方には、是非ご利用頂き、ウハウハして頂きたくお願い致します。

同意頂けない方には「何故利用しようと思えないのか?」教えて頂ければ有り難い限りです。

Tapirのよくある質問についてはこちら

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