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【スーパーマーケット&ドラッグストアチェーン】
ID-POSで今より絶対に売上を上げる方法 〜 その壱

「競合に絶対負けない方法」と言っても良いかもしれませんが、どっちにしても手垢のついた胡散臭いキャッチフレーズですよねぇ〜
(よって”敢えて”の
かちょーの戯言へのアップですw)

「今まで何遍も騙されて来たよ!」「戯言かよッ!」「そんな方法あるの?」と思われるかもしれませんが。。。


「あるんです!」売上が上がる誰でも 実行可能 な方法が!


やる事自体は極めて単純なんですが、こんな私を信じて実行して頂く為には、理屈が腑に落ちるよう順を追ってご理解頂かなくてはならないので。。。

以下できるだけ短く、単純化して書くよう全力を注ぎますので、それに免じて我慢しながら読み進めて頂けたら幸いです。
(それでも「長過ぎる!」そうで、超短い
序章を追記しましたorz)

多少は難しくとも、今後の常識 にしなければならない考え方の筈ですから。。。

「絶対にID-POSデータを分析しなくてはならない!」「他社が気づく前に抜け駆けしなくてはならない!」と気付いて頂ける筈です。

【ID-POSで今より絶対売上を上げる方法 〜 その壱】

1.何故、顧客は自店を利用するのか?

「自分にとっての利用メリット」あるから顧客は来店しま
自宅の隣に釣具があったとしても、釣りが趣味で無い人が利用する事はありません
一部なりとも少なからず利用メリットがあれば利用します。

利用メリットは人それぞれなので、そういうもんです。

自店が「そういうSM/DRGである事」に次ぐ強力な利用メリットは、余程の問題がない限り「近さ」です。
(「そういうSM/DRGである事」が問題となるケースもありますが、現場がどうこう出来る話でも無い為、ここでは言及しません。)

2.何故、近くの顧客はしばしば自店を利用しないのか?

スーパーやドラッグストアに利用メリットの欠片も無い人、「近さ」に利用メリットを感じない人は少数派でしょう。

「遠い」ならいざ知らず、自店が最も近いスーパー/ドラッグストアである顧客が、全く/しばしば自店を利用しないのは何故でしょう?

これを少しでも防ぎ、足下を盤石にする事が出来たなら、わざわざ遠方の顧客を呼び寄せる事に腐心するよりも、遥かに多くの売上をもたらしてくれる事でしょう。

来店頻度の高い顧客(≒ 近隣の顧客)程、店にもたらす粗利額が飛び抜けて高い事も知られています(同一利用金額ランク内であっても)。

2−1.全く利用しない顧客 他店の利用メリットが自店の近さ凌駕する。

   ・利用のし易さ、心理/便宜上の近さ(ex.駐車場、通勤経路上、輸入食材店至近

  ・売り場の広さ、明るさ、客層、雰囲気、にぎわい

  ・接客

  ・価格、ポイント等のお得度(ex.食べ盛りの子供が居るは。。。

  ・品質、鮮度、美味しさex.夫婦二人暮らしなんだから折角なら。。。)

2−2.しばしば利用しない顧客 店の利用メリットにしばしば欠落。取り立てて悪感情は無いけれど。。。

   ・品揃え無し/欠品ex.黒ラベルが6缶パック単缶も置いてないアボカドがしばしば欠品

  ・他店に固有の強み(ex.BBQの時には。。。まとめ買いしとくなら。。。)

   ・他店に固有の利用メリット(ex.スガキヤ味噌煮込みうどんがあるジンギスカンがある

  ・営業時間(ex.深夜にふと。。。)

   ・飽き(ex.たまにはドンキ。。。)

店側の都合から言えば、駐車場のような物理的な問題は直すのが難しいですし、自店の在り方、ストアコンセプト(ターゲットマーケット)を大きくブラすのも得策では無いでしょう。実質実行不可能な事を突っついても意味はありません。


顧客側の都合から言えば、駐車が苦手だったり、現在のライフステージや用途、気分の問題もありますし、店舗に「育てる」とか「遠方からでも来てもらえるよう呼び寄せる」とか「高単価部門を買ってもらえるよう誘引する」なんて言われても。。。orz って感じでしょう。


店舗という売り物の在り方が「そうである」ように、顧客の現在の在り方も「そうであり」、互いに
それぞれの都合があるので、どっちが悪いって事は無く、だからこそ大きなミスマッチについては簡単に埋める事はできません(お互いにNo Deal=取引無しが幸せです)。


そう考えると、来店という大きな成果を生み出す為の小さな変化、顧客では無く自身の成長が必要です。

一点、顧客の都合に、自店の都合を犠牲にする事なく現場レベルで合わせる事ができそうなのが、利用メリット欠落の解消です。


「黒ラベル買いに行こっ♪」と思ったときに「あっ!そういやあの店黒ラベル置いて無かったな!面倒くさいけど別の店行こっ♪」となり、まるっと一回分の買い物そのもの(顧客は黒ラベルだけ買う訳では無い)を逃すのは、何とも勿体ない事ですし、解消できるんであれば、これは店舗ー顧客の双方にとっていい事(Win-Win)です。


さあ!「大きな成果」につながる「小さな変化」の冒険をここからはじめて行きましょう!

3.顧客はビール売場にどのような利用メリットを求めて来ているのか?

POSの世界では顧客にとっての「最低限の利用メリット」が何なのか?が分かりません。

先ほどのような黒ラベル350ml6缶パックの顧客にとって最低限代替可能なのが、350ml単缶なのか?500ml6缶パックなのか?それとも別のビールの350ml6缶パックなのか?も分かりません。


ID-POSならそれが分かります。


下図は BiZOOPe の分析メニュー Tapir_MK で、それを明らかにしたものです。
さあ、ここからが
我慢のしどころです!
結果としてやる事自体は至極簡単な事ですので、「何言ってんだかサッパリ分からない」、「サービス推しがウザくなって来た」という気持ちをグッと堪えて、
どうか最後まで読み進めてやって下さい。


表の行見出しの一行二列目「seg_n」下のコード違い、色違いの行の塊それぞれが、ID-POSから解析された 顧客にとっての売場の利用メリット(何を求めに来ているのか?顧客によって異なるおおよその来店/売場利用動機)です。
 

その中の商品が互いに最低限代替可能な商品で、商品コードの左にある「並び順」の数字がより近いもの同士が、ID-POSから解析されたより関連性の高い=代替性の高い商品同士です。
(図をよく見てみると、黒ラベルの350ml6缶パックと代替可能なのは単缶では無く、他社を含む6缶パックのようですね。それに対して黒ラベルの350ml単缶は、他とは代替の効かない独自の利用メリットを持っているようです。)

 

各seg_n内で最も利用ID数の多い商品(「レコメンド」列に”1st” 、 ”2nd” と振られた商品)が、その利用メリットを最も代表する商品=全店が売場に備えるべき 顧客にとって最低限の利用メリットです。

「なるほど。凄いなぁ!」と思われる方も、「何故そう言えるの?根拠は?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。

「何故そう言るの?根拠は?」と思われる方は、一旦 マーケット・セグメンテーションの原理 を覗いてて下さい。

.売場に利用メリットを揃えれば、もっともっと利用は増える!

「採用順」で表を昇順に並べ替え、最低限の利用メリットである「レコメンド」=1st〜2nd迄を抽出したのが下表となります(26週集計)。


ビール売場を作るにあたって、最低限必要なのが表の13商品になる訳ですが、「取扱実績店舗数」を見るといづれの商品も(様々な事情から)全店で取り扱われている訳ではありません。


この13商品を、最大品揃えから最小品揃え店迄、全店取り扱いとする事で、来店=売上、粗利を改善する事ができます。


例えば下表で「プレミアムモルツ 香るエール350ml」は、顧客にとって最低限の利用メリットである13商品中、最低の2店舗の取扱しかありません。


POS分析的思考では、単純に考えて全店で 31人 ÷ 2店舗 ✕ 347店舗
− 31人 5,348人 の単品の利用拡大を見込みますが、こういった商品が「顧客にとっての利用メリットである」という認識は無い為、大して問題視される事はないでしょう(多分、そもそもバイヤーが決めた事ですし)。


ID-POS分析的には、それでビールの売上が失われていた可能性よりも、5,348人の
来店そのものがしばしば失われていた可能性を大問題と見做します。


この期間の「香るエール」の平均利用回数は1.6回でした。
ここではやや乱暴に
「「香るエール」を買いたい時には来店しなかった(=他店を利用した)と仮定すると 5,348人 ✕ 1.6回 ≒ レシート8,557枚分の客数が失われた計算になります。


この期間の客単価は1,751円でしたので、これは 1,751円 ✕ 8,557枚 = 14,983,307円 の売上逸失にあたります。


流石にダイレクトにここ迄の影響は無いでしょうが、重要な事は、俗に言う単なるチャンスロスでは無く、来店機会そのもののロスに繋がり得る商品(=顧客にとっての最低限の利用メリットである商品)があるのだという認識、ID-POSが無いと地雷原の中を歩いているようなものだという認識です。

ここには表れる事のない、同様の価値観を持った非カード会員や、全くの未利用客に与えているかもしれない影響についても、決して無視する事はできません。

自店で失われた売上は、他店で使われています。

ここ迄の試算は単なる1商品での話でしたが、これを他の12商品にも当てはめてみたらどうでしょうか?

それでも未だ、ビール売場というたった1つの売場での話です。これを全ての売場で実践してみたらどうでしょうか?


今より絶対に売上が上がる!

があながち嘘でも無く思えて来ませんか?w

.売上から利用へ:流通事業者が直面するパラダイムシフト

それにしても、売場では何故このような事が起きているのでしょうか?

 

売れ筋偏重の売場を作れば、狭い売場からは当然多くの固有の利用メリットが失われて行きます(時に売れ筋同士は利用メリットが重複します)。

 

「顧客視点」では無く「商品視点」、「利用(来店)視点」では無く「売上視点」、そして何よりID-POSが無い/活用できていない為に、このような事が(多分、御社御社の競合も含む全社で)起こっています。

 

人口減少、競合激化の今だからこそ、部門バイヤーにも取引先の卸にもメーカーにも「売上から利用へ」パラダイムシフトが求められています。

 

その壱についてはここまでです。
辛抱強く読み進めて頂いた皆さま、本当にありがとうございました。

.まだまだあるぞッ!ID-POSで今より絶対に売上を上げる方法

売上から利用へ!とか言いながら、相変わらず見出しは売上推しで行きますw

ここ迄述べて来た方法が、今私が知る限り最も単純な ID-POS最大の奥義!なので、ちょっと難しい割に、ちょっと威力が落ちる方法とはなってしまいますが ー


【商品カット/品揃え絞り込み】

顧客にとっての最低限の利用メリットを品揃えする為に、商品カットをしなければならない売場も出て来るでしょう。

利用を減らすという地雷を踏む事無く、何をカットします?


【定番棚割】

折角利用メリットを揃えたとしても、それが顧客に気づかれなくては、存在していないも同然です。

売場で遠目に気づかれ易く、近づいて選び、実際に手に取り易い棚割が必要です。


【チラシ/エンド商品選抜】

顧客に気付いてもらうという意味では、チラシ/エンドは有効なツールです。

今までのような売れ筋重視の商品選抜では無く、利用重視の商品選抜にすれば、この店に自分にとっての利用メリットが存在する事を、顧客にも未利用客にも認知してもらい易いのでは無いでしょうか?


【商品投入】

そもそも自社に存在していない利用メリットは、データとして出て来ない上、市場データからも分かりません。

入れて検証してみる事が一番ですが、これを仮説できる方法もあったら便利でしょう。


”売り物” ”利用” に関する事なら、大概ID-POSで解決可能♪です。

興味のある方は ー

シン・ID-POSの教科書 Tapirでできる7つの事 も是非併せてご参照下さい。