やりがいのない「忙しさ」を捨て、「商い」の調和を生む
推論文字数約3,200文字。推論平均読了時間約6分30秒(山手線3駅分)で読めます。
「私、東京に転職しようと思うんだけど、どう思う?」
彼女(カミさん)の相談は多くの場合、相談では無く確定事項の通達です。ファーストインパクトは凄いですが、長年一緒に暮らしてるんで慣れてますw
「いいんじゃない!?単身赴任だと思えばあり得ることだし」とは言ったものの......
東京には長男夫妻と孫も住んでいます。彼女が引っ越した後に送られて来た、彼らと遊んでいる写真を見ながら、よくよく考えてみると......
「俺が強制単身赴任みたいなもんやんけ〜!!!」
ということで、「モデルルーム見に行こ♪」と言われた時にはほぼ契約が決まっていた、ローンの残る静岡のマンションで一人、私の強制単身赴任がはじまりましたw
状況 = 強制単身赴任
この状況に備えまず手掛けたのが、平日5日間の「メニュー」と「買い出しリスト」の作成です。
以下の条件を与え、定められた円環の物語の中で演じ続けているAIと、この2本の槍を共創しようと考えました。
AIへの6つの条件(クリックで展開)
①ガス、包丁、洗剤は一切使わない。その上で必要な栄養分を過不足なく賄うこと。
②できれば健康診断で毎年記録を更新し続けている、肝臓、腎臓、血圧に効くこと。
③メニューは単調な繰り返しで構わないので、買い出さなければならないSKU数を極力絞り込むこと。
④「サバ缶は半分残してラップして冷蔵」とか「ご飯を0.45合炊いて」は嫌だ!小数点以下の無い使い切りで。
⑤買い出しは週末1回のまとめ買いのみ。保存方法は冷凍のみ可。賞味期限を考慮すること。
⑥土日は、人生を楽しむチートデイとする。そのためメニューと買い出しは平日5日分を基本とする。
前述の状況下においても、条件の①、③〜⑤には、積極的に「脳の認知をサボりたい」という私本来の「価値観」が色濃くあらわれています。
価値観 = 脳の認知オフ
過去記事でも何度か触れている通り「 自我(エゴ) = 状況 ✕ 価値観 」です。
これに現在の私の状況と価値観を当てはめてみれば ー
強制単身赴任 ✕ 脳の認知オフ = 「脳の認知オフによる状況の受容」
という現実に対する態度が、私の「自我(エゴ)」のコアにあることが分かります。
そして私の自我(エゴ)を、意志の力で「モノ」の形へと顕現させた「買い出しリスト」が、私の「ウォンツ(欲しいものリスト)」です。
「買い出しリスト」は「脳の認知をサボる(忘れる)」という、人類の不完全さを補完する計画書であり、「私はこれが欲しい」という側面から見れば「お客さまアンケート」の回答のようなものでもあります。
図はAIが生成した「買い出しリスト」の最初期のもの。後ほど実際のレシートもお見せしますが、今ではこの内4品が間引かれ、各品目の購入数量も変化しています。AI曰く同じメニューを日を跨いで連読させない「オールスター丼」というシナリオも、今では崩壊しています。
さて、学生時代以来のシリアスショッパーに戻って、買い物しようと町まで出掛けたら、財布こそ忘れませんでしたが、やはり買い出しリスト(ウォンツ)の思惑通りには行かないものです。
「釜揚げしらす」は思ったより足が早いな……扱い難いからやめとくか……「ナムルセット」は欠品か……週一の買い出しにマイナーな品はあてにできんな……等々……
宿願たる買い出し計画と、諦観された「レシート(ニーズの刻印)」とでは異なる結末を迎えたのです。
売り手が「お客さまアンケート(ウォンツ)」通りに動いても(カスタマードリブン)、買い手が必ずしもそのシナリオ通りには動かない理由が、この「現実の状況※を前にしたときの、利用者の価値観の変化」にあります。
※.外的状況だけでなく、利用者の内的状況も変化します。
こうして現実に制約され磨かれた結果である「レシート」こそが、売り物を前にした時の自我(エゴ)のあらわれ「ニーズ」です。
前日譚としては長くなり過ぎましたが、まず前提として買い手には ー
状況 ✕ 価値観 = 自我(エゴ) > ウォンツ(買い出しリスト) > ニーズ(レシート)
のような関係があることをご理解いただけましたら幸いです。
買い手のウォンツは、自我(エゴ)を商品やサービスに限定した時のあらわれです。
また、買い手のウォンツが現実の状況や、それを前にした時の自身の価値観に制約されることで、最終的なニーズが顕現します。
よってこれらは、右に行くほど小さくなる大小関係(>)にあると同時に、状況(外的/内的)や、価値観の変化による制約を避けられないという比例関係(∝)にもあります。
さて、その「レシート」ですが、単純でワンパターンな事もあり、色々と見えて来ることがありました。
「レシートは語りだす」今回はそんな気付きの、かちょーAI(今回定められた円環の物語の中で演じてもらうのは「渚カヲル」w)との連弾「第一弾」です。
土曜の朝、「まずはガソリン満タンにして、9時開店のドラッグでボディーソープ買って、9時半開店のスーパーで買い出ししよッ♪」と意気揚々と出掛けた私ですが……
無自覚な「認知のサボり」が発動し、気づけばガソリン満タン後、開店前のスーパーへと直行していましたorz
開店前のスーパーには30人のお客さんたちが、カートにカゴをセットして、列をなして開店を待っている光景がありました。
スーパーに特化した(?)システム屋でありながら、改めて「スーパーって、開店前からこんなに人が並ぶんだ!」と関心してしまいました。
【図】開店前のスーパー。イラストでは表現できていませんが風除室の中は、2つある出入口に向かって二列が伸びている状態でした。
かちょーAI(NotebookLM)が図も代替テキストも読めないため「ここに画像があるよ」と認知させるためにも、このような図説を書く事としました。その為、代替テキストは「無し」としています。
さて、当の私が今=土曜ここに居るのは、ポイント10倍デーだからです。
正直に白状しますと、私は「お得」が嫌いです。
ID-POS分析担当者にあるまじきことながら、ポイントカードを持ち歩くのも、出すのもメンドくさい!w
過去記事で激奨している「レシートクーポン」も、当の本人は認知を極力サボるため、心動かされないよう券面も見ずに捨てています。それが私の(厄介なw)「価値観」です。
それにも関わらず、私が今ここに居るのは「買い物は、ポイント10倍の土曜にしてねッ!」というカミさんからの指令があるからですorz
ほらね!「お得(カミさん?)」という外的「状況」が、私本来の「価値観」を制約するでしょ?!
次いで私が今=開店時間ここに居るのは、「とっとと遊びに行きたい!」からです。
「遊びから戻ってから行けばいいじゃない!?」ですって?
全力で遊び疲れたら、カミさんからの指令を反故にしてしまうじゃあないですかッ!何より閉店時間に拘束された、ストレスのある状態で遊びたくないッ!
だから、開店時間でとっとと買い物を済ませちゃいたいんです。それも私の(厄介なw)「価値観」です。
今開店を待っている30人の中に、私と全く同じ「状況」に置かれ、私と全く同じ「価値観」を持っている人は、ほとんど居ないでしょう(カミさんの指令 ✕ とっとと遊びに行きたい)。
「状況」と「価値観」は個々に、あるいは最大派閥のそれを、「慮(おもんばか)る」ことしかできないのです。
けれども土曜=ポイント10倍デー、開店時間の9:30という、具体的な「売り物(メリット)」という形で顕現する「自我(エゴ)」、すなわち「ニーズ」は、現に「今ここに居る」という事実からも、私含めここに居る31人に全くもって共通のものです(同じ穴のムジナw)。
私(55歳男)と30人の老若男女...... ニーズは年代や性別で決まるものでは無いのです(確かに年上の女性が多かったけど、年上の女性すべてがそうしている訳では無い)。
自我(エゴ) = 状況 ✕ 価値観
ニーズ = 「売り物(メリット)」の利用によって顕現した自我(エゴ )
「ニーズ」だけは、「売り物」という具体物に表れる為、自我(エゴ) = 状況 ✕ 価値観 を代弁する「利用者に共通のものさし」として使えるのです。
当然「土曜」「9:30」は ”万人に共通” のニーズではありませんが、レシートはその他の人のそれも記録しています。
さて、下の図は私の5月9日の買い物のレシート(左)と、5月16日の買い物のレシート(右)です。
【図】このシリーズでは今後、この2枚のレシートをベースに話を進めて行きます。
5月16日のレシートは「クレジット売上票(お客さま控え)」部分を雑に折り畳んでスキャンした為、このような見映えとなっております。5月9日は「しずトク商品券(これもカミさんからの指令)」で支払いました。
本稿「第一弾」では、まずこのレシートから、件の曜日と時間の部分にフォーカスして比較をしてみます。
次の図からは、この利用者(私)が一週間という期間を股にかけ、「土曜と土曜」、「9:30台と9:30台」を利用していることが分かります。
これを曜日や時間の「併買(選択)」と言います。
併買するのはそれが自身のメリットにつながるからであり、ニーズがあるからです。
【図】5月2日のレシートと5月9日のレシートであれば、並ぶレジとその担当者(責)の選択も同じだったので、私の「他人の好む主通路至近のレジを避けたい」というニーズもお見せできたのですが……残念ながら5月2日のレシートはポケットの中でしわくちゃになって、捨ててしまいましたorz
5月16日も意図的にそうしようかと思いましたが、その日そのレジは開いてなかったorz まさにウォンツがそのままニーズとして刻印される訳ではない事の証明となってしまいました。
【閑話休題】レジとその担当者もまた顧客接点であり、利用メリットであり、ニーズです。
逆に言えばこの利用者は、「日月火水木金」という大半の日と、「9:40〜21:00」という大半の時間帯を、選択していないことが分かります。
これを「非併買(非選択)」と言います。
併買と非併買は対となる概念ですが、このように断固たる非併買は、「強く制約された状況」または「確固たる価値観」に基づく、利用動機とも言える強い自我(エゴ)のあらわれです。
対とは言え、「選んでいる」ことよりも「選んでいない」ことの方に、より強い自我(エゴ)を感じませんか?
【図】このようなことが分かるのは「顧客ID」があることで、複数枚のレシートを結びつけられるから(ID-POSならでは)です。
勿論買い忘れにより、急遽「水曜」「19:30台」に買い物をする事もあるでしょう(個人の「外れ値」)。
けれどもこれを個人では無く、全ての利用者を対象とし、一定期間内で見てみれば、このような自我(エゴ)の存在を、「マス」で捉えることができます。
すなわち「土曜」「9:30台」を選択肢とする「同じ穴のムジナ」の多さ(ID数)が分かります。
一方で、もっと緩やかに「おおよそ週末に買い物をしている」「おおよそ午前中には買い物を済ませている」といった利用者がそれ以上にいます。
しかしこれも全く同じように、「土曜と日曜」の併買、「9:30〜12:00までの各時間帯」間での併買、そしてそれら以外との非併買にあらわれます。
これらは「土曜」「9:30台」という単一の選択肢では無く、「土曜と日曜」「9:30〜12:00までの各時間帯」という一つ以上の「選択肢の束」として認識されます。
その「選択肢の束」の中にも、最も「同じ穴(群)のムジナ」が多い穴(選択肢)があり、それもやはり多くの利用者の自我(エゴ)を、代表するポイントと言えます。
【図】並んだ稲穂のイラスト。稲穂が「選択肢」を、稲穂の束が「選択肢の束」(共に「ニーズ」)を表している。束の中で最も「同じ穴のムジナ」が多い選択肢は、相対的に実りが多く、頭を垂れた稲穂として表現されている(各時間帯の中でも「9:30」というタグが付いた稲穂と、「11:00」というタグが付いた稲穂)。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
「ニーズの見える化」では選択肢の大きな束を「目的範囲(くらしのスタイル)」、小さな束を「選択範囲(ニーズ)」として集計します。
利用者の自我(エゴ)が強く表れる場合、束とはならずに単一の選択肢が、目的範囲/選択範囲を形成する場合もあります。
選択肢の束(1以上)という意味ではすべてが「ニーズ」ではあるのですが、「ニーズの見える化」では平均以上に選択が行われている選択肢の束である「選択範囲」を、特に「ニーズ」と定義しています。
また、それを代表する「同じ選択範囲のムジナ」が最も多い選択肢に「重点レコメンド」を行っています。
これにより曜日や時間はもとより、多様なニーズに対して、それぞれ画一的ではない施策を採ることが可能となります(ニーズ毎/重点レコメンド毎、もしくは幾つかのニーズにフォーカスした施策)。
【図】「ニーズの見える化」顧客接点=曜日の画面例。「目的範囲(くらしのスタイル)」も「選択範囲(ニーズ)」も平日の併買と土日の併買に分かれている。
重点レコメンドは前者が木曜、後者が土曜。平日は利用者が分散する為、月曜にも「3rd」というレコメンドが振られている。これには小売業が作り出している「状況」の影響も表れる。本図の場合、木曜がポイントデー。
【図】「ニーズの見える化」顧客接点=時間帯の画面例。一日の営業時間が「くらしのスタイル」で5つ、「ニーズ」で6つに分かれている。それぞれ9:30〜、11:00〜、11:30〜、16:30〜、18:00〜、20:00〜の30分単位(設定で変更可能)の6つの時間帯が重点レコメンドされている。
この2つの図の中には、やはり状況や価値観に応じ「その曜日に行きたい」もあれば「その曜日にしか行けない」もあり、「その時間帯に行きたい」もあれば、「その時間帯にしか行けない」もあります。
当然、そのどちらにも当てはまらない状況や価値観を持った人たちもいますが、施策とは確率分布の利用です。
1)多くの場合、売り手はそれと認識していないが ー
「売り物」とは、売り手が提供している「すべての顧客接点」である。
直接的な対価こそ商品に対して支払うが、いつ(曜日、時間帯)、どこで(店舗、レジレーン)もまた、利用者の自我(エゴ)が取捨選択したメリット
売り物へのありのままの自我(エゴ)の発露を捉えることが可能なのは、レシート上の項目のみ
それ以外(接客、クリンリネス等)についてはアンケートでしか捉えられないが、いずれも結局トータルでは、「売上」というデータに表れる
「商品」という狭義の「売り物(モノ)」にしか目が向いていない場合と較べれば、施策の幅を、顧客のくらし全体(いつ、どこで、なにを)、すなわち時空の次元にまで拡張できる(「モノ売り」から「コト売り」へ)
2)「ニーズ」とは ー
売り物の中から「何を選択したか?/しなかったか?」を表す「選択肢の束」である。
売り物を前にした時の自我(エゴ)のあらわれ(選択/非選択)が「ニーズ」
状況、価値観、自我(エゴ)は千差万別でも、売り物によって顕現したニーズは、ある集団(同じ穴のムジナ)に共通の「ものさし」として扱うことができる
3)「マーケットセグメント」とはー
選択肢の束の、顕著な併買が起こる限界サイズが「マーケットセグメント」
前出の例で言えば、土日同士、平日同士はその束の中で顕著に食い合い(選択)を起こすが、土日という束と平日という束の間での食い合い(選択)は多くはない。裏を返せば確率的に言って、平日に打った施策が土日の利用者を満足させる事も、土日に打った施策が平日の利用者を満足させる事もない。
これは「ニーズの見える化」の「目的範囲(くらしのスタイル)」にあたる
かちょー は不正確な場合があります。回答はAIに再確認してください。