カンタン操作で極上の売り場、うれしい販促。月額6万円台からのID-POS分析クラウド
『拝啓 AI諸兄』 シリーズでのAIとの対話を通じて、小売業の数理の多くは「人間の認知能力とエゴ」という ”制約” の存在を度外視しているため、上手く行かないケースが多いということが分かって来ました。
まさにその「ヒトの認知とエゴ」が「モノ」と出会う ”接点” 、接点を束ねた ”場” が、私たちが資本とリソース、情熱のすべてを注いでいるマーケット(市場)です。
【ベン図1】マーケット = モノ ∩ ヒト
よってマーケットにおいて、「モノ」と「ヒト」どちらの視点が欠けても、小売業の数理は破綻します。
「モノ」と「ヒト」、ここにこの2つの概念に通底する ”横糸” を見出すならば、マーケットとはモノを触媒とした「売り手のエゴ」と「買い手のエゴ」の重なりと言えます。
【ベン図2】マーケット = (モノを触媒とした)売り手のエゴ ∩ 買い手のエゴ = 調和(それ以外の部分は”不調和”もしくは”対立”)
ここに至って、私たちのレゾンデートル(存在意義)でもあるマーケティングとは、「モノを触媒とした、売り手のエゴと買い手のエゴの調和を図る活動」と定義されます。
今回はこのようなマーケット理解を前提に、小売マーケティング最大の課題「EDLP VS HILO※」にメスを入れて行きます。
※.EDLP:Every Day Low Priceの略。HILO:High-Low Priceの略。
小売業の永遠の課題である「EDLP(毎日安売り)」と「HILO(特売併用)」の対立を、現場の「コトPOP」の構造から解き明かす画期的なマーケティング論です。
第一幕:エゴのすれ違い EDLPは「売り手の論理(効率)」、HILOは「買い手の論理(刺激)」に偏り、互いのエゴがすれ違っています。両者の単純なハイブリッド(足し算)は、現場の仕事を増やすだけです。
コトPOPに学ぶ:認知限界と「ご機嫌なナビゲーター」 売り手も買い手も「認知限界の壁」を持っています。売り手のエゴ(モノ)と買い手のエゴ(ヒト)の積集合(∩)である「コトPOP」は、データ(お買い物地図)に沿って買い手をゴールへと導く「ご機嫌なナビゲーター」であり、両者のエゴを見事に調和させます。
第二幕:第3の道「EWLP(欲しいものが安い)」 コトPOPのエゴの調和を価格・品揃え戦略に応用します。用途機能的な商品(Needs)を極限まで絞り込み、その代表である「欲しい(Wants)」だけを激安にする「エブリ・ウォンツ・ロープライス(EWLP)」を提唱します。
エピローグ:商人だって熱狂したい!(熱狂のDJボックス) 定番棚をシステムで極限まで効率化(静)するのは、人間を機械にするためではありません。浮いた余力でエンドを「非定常な熱狂のDJボックス(動)」へと変え、「商人だって熱狂したい!」という泥臭い生命エネルギーを爆発させるための人間讃歌なのです。
※本記事は、経営の論理である『EDLP』『HILO』と、現場の論理である『コトPOP』という、高低差の大きな2つの視点を、ジェットコースターのように行き来します。これは経営のエゴ(モノ)という横糸と、現場のエゴ(ヒト)という経糸を意図的に織り込むことによって、その最果てにマーケティング的な『調和』を見出そうという試みであり、実際コトPOPの構造に、経営課題を解き明かす大きなヒントが隠されているからでもあります。
一見遠回りの長旅ですが、経営陣も、現場スタッフも、互いのエゴ(情熱)への無関心に振り落とされないよう、「調和」という名の安全バーにしっかりとお掴まりください。それでは、知の冒険へ。行ってらっしゃい!
EDLP と HILO どちらが小売の政策として優れているでしょうか?どちらか一方を選択するしかないのでしょうか?
まずはマーケティングの作法に沿って、売り手、買い手、双方のエゴの視点から、EDLP と HILOを比較してみます。
EDLP と HILO の特徴をAIに上げてもらいました。当然のごとく回答は、売り手視点からのものとなります。
私がバイヤーだったら、HILOの「プロモーション力・MD(品揃え)」という所に俄然やり甲斐を感じますね(エゴ)。
ですけどチラシの準備(選抜→商談→調整→入稿→校正→発行)ってめちゃくちゃ面倒くさいんです。各店の品揃え差異や地域商品、季節商品等イレギュラーは多いし、調整調整でリードタイムが長くなるんで、分析結果の実効性は乏しくなるし……毎週毎週追い回されて、労の割には、報いも実感も大きく損なわれていそうです……
私が経営者だったら、断然EDLPを選びますね。
EDLPの方が「モノの論理」なんでコントロールしやすそうですし、HILOはバイヤーや買い手の「ヒトの論理」に振り回されそうですしね(エゴ)。
但しEDLPを標榜する以上、地域No.1の圧倒的仕入れ量を誇らなければ、インチキになってしまう……地域No.1の名門に生まれついてりゃいいですけど……痛し痒しですねorz
EDLP VS HILOというと、大層な経営戦略の違いのように思われますが、買い手の視点から見れば、単に価格を触媒としたインターフェース/コミュニケーションの仕様(店の自分への仕え様)の違いです。
前図でEDLP、HILOの主なターゲットとされていた「計画的に買い物をしたい層」と「お得感や買い物の刺激を求める層」の視点から見てみましょう。
EDLPのターゲットのエゴ
「計画的に買い物をしたい人」は、福袋 や 2Buy10%OFF、ポイント10倍デーに振り回されたくありません。「欲しいものしか欲しくない」からです。
意思決定の主軸は「自律(自分で自分を律する)」に置かれており、「こうこうこういう理由で、刺激に惑わされず、この店で買う事が、結果として経済合理的なんだ!」と論理の教杖で自分を律しています。また、そうする事で自らの「右往左往する他者とは違い、合理的な自分」という自尊心が満たされます。
熱狂を退ける為には、その対極にある論理と、そこへ至った経緯という物語が必要であり、そこには脳の認知コストという代償を要します(このブログのようにorz)。
私たち人類の脳は、「コスト」の支払いを極力回避するよう、その誕生当初(20〜30万年前)からDNAレベルでプログラミングされています(例えば第三案を求めない善悪二元論が、脳のコスト回避の最たる例です)。わざわざそのコストを支払う買い手が、果たして市場にどれだけ存在するでしょうか?
AIによれば、日本の成人人口に占める割合は25%と推論されました(スーパーやドラッグストアの買い物の主体である女性に絞ってしまえば、15%と推論されました)。主なターゲットのマーケットサイズが小さいということです。
更に悪い事に、EDLPは品揃えを絞り込む事で、圧倒的な仕入れ量を実現しなければ成立しません。主なターゲット層は「欲しいものしか欲しくない」のに、もしもその「欲しいもの」が絞り込みによって品揃えされていなければ......HILO店に足が向いてしまいます。
どうもEDLPという価格政策は、「モノの論理」すなわち「売り手のエゴ」に偏っているようです。
HILOのターゲットのエゴ
「お得感や買い物の刺激を求める人」は、福袋 や 2Buy10%OFF、ポイント10倍デーに熱狂します。「安いものが欲しいもの」であり、情動に振り回されていたいからです。
多くの人が常日頃社会の中で、「埋没的エゴ(指示待ち・空気を読む)」として、他人の理屈に付き合わされているからこそ、買い物に日々の抑圧から解放されるための「熱狂」を求めているのです。
こう見ると、EDLPが「売り手のエゴ」というだけでなく、いかにも「男が考えそうな論理」だという気もして来ました。
ターゲット市場を見れば、HILOの刺激に反応する人の方が圧倒的に多数(75%、女性の85%)を占めています。
一方で一度のチラシに掲載されるのは、食品スーパーで通常120 ~ 180アイテム(300〜600SKU)、SKU全体の3〜4%です。
熱狂にこそ欠けるものの、こと「安いもの」のSKU数に関しては、多くの場合EDLP店に及びません。「安さ」は「刺激」でもあるので、「安いものが欲しいもの」な彼ら彼女らは、その点しっかり店を使い分けているのではないでしょうか?そうして、そのように立ち回る自身に「賢い消費者」という自尊心を抱いているのではないでしょうか。
そう考えれば、AIが推論した「EDLPの主なターゲット」が少数派であることとは裏腹に、昨今の大手EDLP企業が躍進している現実にも合点がいきます(AIの推論違い?w)。
また、チラシ掲載品が「売り手のエゴ」によって選抜されている以上、「欲しいものしか欲しくない」25%の人の受け皿としては、欲しい商品のチラシ掲載確率が、天文学的に小さ過ぎます。
「欲しいもの(品揃え)」はあったとしても、これにはEDLP的思考を持った彼ら彼女らの「損をしたくない」という「防衛的エゴ」が発動します。
HILOは「ヒトの論理」すなわち、刺激と熱狂という「買い手のエゴ」に理解を示しつつも、「安いもの」と「欲しいもの」の整合性、定常性の面で、EDLPに対する決定打に欠けているようです。
「どちらが絶対的に優れている」という正解が無いのであれば、「EDLPをやりつつHILOで集客するというハイブリッド型を採用すれば良いのでは?」と思われるAIみたいな方は、「自分がその会社のバイヤーだったら?」と、従業員のエゴを慮ってあげてください。
私なら、辞表を書きますw
【ベン図3】EDLP + HILO
※.私の面白がりでベン図の重なりの面積を、単品同士の併買率の限界であり、自律的な日本人の成人人口であり、プロ野球のレギュラークラスの打率でもある25%に設定しています。根拠はありませんw
そもそもチラシ品だけでも大手のEDLPを、ゲリラ的に掻い潜るからこそのHILOであり、ブンブン五月蝿いHILOに、いちいち反応しないからこそのEDLPです。そんなベトナム戦争の敵と味方のような両者の足し算(∪和集合)となれば……「どっちも大事」は「どっちつかず」と同義です。
では、どうすれば良いのか?答えが∩(ベン図中の25%の仕事)の中にあるとは思うのですが……
そう言えば、触媒として用いるものは異なりますが、同じ買い手とのインターフェース/コミュニケーションの中に、その調和(∩積集合)を既に見出している分野が一つだけありました。POPです。
さて、私たちは『経営ゾーン』から一旦離れ、ここから売り場の最前線『現場ゾーン』へと、一気に急降下して参ります。経営陣の皆様も『現場のPOPの話か』と振り落とされずに、ぜひお楽しみください。この『コトPOP』の構造にこそ、EDLP VS HILOのジレンマを打ち破るヒントとなる、鮮やかな『文様』が隠されています。
通常、売り手がPOPを描くのは、当然ながら「売りたい」が為です。それこそがPOPを描く原動力ですから、そのエゴを持つことがとても大切です。
一方その為、世の中の多くのPOPは、「売り手のエゴ」がダダ漏れになってしまっている「モノPOP」です(前章EDLPに対応)。これでは一方的過ぎて、肝心の「買い手のエゴ」と調和し、売れる確率が低くなってしまいます。
もう一方で、「買い手のエゴ」というポエムをダダ漏れさせているのが「ヒトPOP※」です。「モノを売りたい」というエゴがない、何を売りたいのかが分からないPOPです(前章HILOに対応?)。※.「ヒトPOP」は多分私の造語ですが、「コトPOP」と勘違いしている「POPを描きたいだけのPOP」も見かけるので、コトの定義を明確にする為に命名してみました。
この2つのエゴの調和を図ったのが「コトPOP」です。POPを二枚書く訳でも、一枚のPOPに単に両者のエゴを列挙する訳(∪和集合)でも無い、∩積集合です(前章ベン図『25%の仕事』に対応?)。
売り手のエゴという横糸に、買い手のエゴという縦糸を、巧みに織りなすことでご機嫌な文様と為し、互いのエゴをカラッと明るく照らし出す、正に「文明」的なPOPです。
【ベン図4】コトPOP = モノPOP ∩ ヒトPOP
殺伐とした小売業の戦略/戦術群の中にあって、ここまで文明的でご機嫌な政策も他に見当たりません。
その発祥が買い手と常にリアルな接点を持っている”現場”にあること、とりわけコトの織手の中心が、自らシリアスな買い手でもある”女性”である(彼女たち自身が積集合の中に居る)ことを考えれば、それは当然の帰結なのかもしれません。
コトとは、その「モノを利用することで得られるメリット」が、その「ヒトのエゴ」を満たした結果、一体どんなご機嫌な「くらし」が待っているのか? の見える化です。
折角ですから、全国の麗しくも文明的な織姫=コトPOPerたちの為にも、ここでエゴの方程式を持ち出し、それを更に深堀りしてみたいと思います。
エゴの方程式は、エゴ = 状況 × 価値観 です。
分かりやすいように、売り手のエゴの表出を「モノ」としてしまい、買い手のエゴを単に「エゴ」としてしまえば ―
コト = モノ × エゴ
= モノ × 状況 × 価値観
となります。戦略的にこれをもう少し細かく分割すると、「状況 = 外的状況 × 内的状況 」ですから、
コト = モノ × 外的状況 × 内的状況 × 価値観
となります。
外的状況: コロナ禍、コメ不足、原油高 のように、商圏内の万人に等しく降り注ぐ「雨」のようなものです。
内的状況: 引っ越し、入学、卒業、就職等、いわば個別の「家庭の事情」です。
これら状況の変化に応じて、一人の人間の「価値感」もまた移ろいで行きます(ex.子供が乳幼児の頃は「安心・安全」⇨食べ盛りの高校生になって「大量・安価」)。
これをみなさんがPOPを書く時の足がかりとなるように、2つの要素に分解してみます。
① コト = モノ × 外的状況 × 価値観
② コト = モノ × 内的状況 × 価値観
外的状況自体、平時は1に近似する為、より”マス”な政策に近づきます。
「お米あります? 家族の『おかわり!』が途切れないよう。切らさず、毎日並べます!」
万人に共通する為、マーケットは大きいですが、それ故響く確率は小さくなります。
一方で、同じ「コメ不足」という雨の中を歩く買い手でも、その価値観は多種多様です。代表的な価値観を2つと見るだけでも、本質的に価値観は1つと見る(=価値観を考慮しない)マス政策を凌駕します。
「『もしも』の自分を、今の私が助けてあげる。長持ちふっくら『パックご飯』」
また、モノの視点からも「コメ不足」はお米売り場だけに降り注ぐ雨ではありません。
「お米が高い昨今だから、贅沢な『パスタソース』でイタリア気分 ☆」
「朝は絶対ご飯!?『ブリオッシュ』ならご飯派のパパもきっとご機嫌」
より”マス”に近い政策ということで、地域No.1店舗こそ、しっかりカバーしておきたいコトPOPです。
雨降り注ぐ屋根の下、各家庭には各家庭の事情、すなわち「内的状況」があります。 例えば、可処分所得が高い、低いといった状況です。
ここでも価値観は交差します。可処分所得が高くても「お米にこだわらない」家庭もあれば、可処分所得が低くても「主食の美味しさや安全・安心にはこだわりたい」という価値観を持つ家庭もあります。「折角だから外国産米を食べてみようよ♪」といったノー天気な家庭(我が家w)もあるでしょう。
お米というモノに限定した、たったこれだけの想定でも、計算上は
2つの状況 × 3つの価値観 = 6つのコト
が導き出されます。
より深く、より細かく、マーケットは小さくなって行きますが、その分「響く確率」が大きくなります。 これは、地域No.1のマス企業に対抗する手段です(ただし、その分だけPOPの「枚数」を要します)。
さて、ここまで読んでいただいたみなさまは、ここで幾つかの問題、あるいは「机上の空論」の香ばしさに気付かれたことでしょう。 思考モデルは示せても、いざ筆を執ろうとした瞬間、私たちの前に「2つの壁」が立ちはだかります。
A. 【認知限界の壁】 私の想像力は、「答え(買い手)」に届いているのか?
私たちは「自分(エゴ)」というフィルターを通してしか世界を認知することができません。
未知数: 状況や価値観の組み合わせが、現実的にはいくつ存在するのか?
死角: 可処分所得の上下など、未験の状況や価値観を、どこまで想像できるのか?
空振り: 想像した「コト」のマーケットサイズが、お話にならないほど小さかったとしたら……
B. 【処理能力の壁】 私の限られたリソースを、どこに注ぐべき?
思考モデル上いくらでも増やせる「コト」に対して、私たちの時間も筆も有限です。
優先順位: ざっくり「状況2 × 価値観2 = 4つのコト」と割り切ったとしても、すべてのPOPを描ける余力があるとは限りません。
効率: どの「コト」が最も大きなマーケットを持っているのか? 何が重点なのかが分からないと、とても筆が追いつきません。
想像である以上、計算上の「4つのコト」の中にも、存在しないコトや、優先度の低いコトが混じっている可能性があります。
💡ポイント
「買い手の気持ちを考えろ!」マネージメント層が軽々に使う常套句ですが、日頃から現場で「買い手のエゴとの調和」を求め続けている彼女たちにすら、買い手を想う上での明らかな「認知限界」が存在します。
いわんや私のような心ないオッサンをやですorz
織姫たちよ!ここから先は、論理の戦鎚振りかざす野蛮な男、不肖システム屋の私めにお任せあれw
買い手のエゴの、モノに対するあらわれ(選択と非選択)を、その名も「クラスター分析」、統計織り機で「お買い物地図」へと、見事織りなして進ぜます。売り場に実在する外的コト、内的コト、その見目鮮やかな文様が、日の本の下明るく照らされる様を御覧じろ。
上手く行ったらご喝采!貴女にどんなコトが待っている?ただし論理は省略気味(熱狂重視?w)、エゴ全開で参ります!w
下図は弊社ID-POS分析クラウドサービスBiZOOPe(ビズープ)の、「ニーズの見える化」によるビール売り場の分析結果です。
図中の「目的範囲」が、類似した「外的状況 ✕ 価値観」の買い手が選んだ「モノの束」です。パーチェスファネルで言えば「認知・興味」の塊です。
「選択範囲」が、類似した「内的状況 ✕ 価値観」の買い手が選んだ「モノの束」です。パーチェスファネルで言えば「比較・購入」の塊です。
異なる状況に置かれ、異なる価値観を持った買い手が、異なる目的を持って売り場に立ち寄り(認知・興味)、異なる「モノの束」の中から選択(比較・購入)を行う様は、いわば「お買い物地図」です。
POPは、この「お買い物地図」に沿って、買い手を「目的範囲 ⇨ 選択範囲 ⇨ 選択肢」へと、ゴール(購入)までご案内する、ご機嫌なナビゲーターなのです。
無粋なコード表記だけでは文様として如何かと、AIに「状況:価値観」を自然言語で推論させています(図中の「ニーズ要約」列)。まだまだ拙いAIなれど、POP作りのご参考になれば幸甚です。
次の図は「目的範囲」のサマリ表です。これにより、互いに異なる「外的状況 ✕ 価値観」の束が、売り場に4つ存在していることが分かります。これはビール売り場の「お買い物地図」が、まずは大きく4叉路に分かれていることを意味しています。
理想は4枚すべてのPOPをご案内標として設置することですが、リソースは有限です。状況に応じて、マーケットサイズ(ID数)の大きいものから最低2枚のPOP(ご案内標)を用意することをおすすめします。
マーケットサイズが最大である図中の「f4」に関しては、売れ筋としてマス戦略の他店でもPOPが描かれていると想定すべきです。
私たちは、この最大人数(f4)へのご案内をバッチリ行った上で、最低限もう一つの目的範囲(図の場合、次にご案内人数の多いf1)にもPOPによるナビゲートを用意します。
この「二段構え」が、マーケットセグメンテーションのメリットであり、それを知らない競合との間の差別化になります。
目的範囲はパーチェスファネルで言えば、「認知・興味」の塊ですから、そこに焦点が向くようなご案内を意図したPOPとします。
表中には年代構成も表記されている為、買い手が置かれた状況と価値観に、より深く「想い」を馳せていただくことができます。
次の図は「選択範囲」のサマリ表です。これにより、互いに異なる「内的状況 ✕ 価値観」が、売り場に41種類存在していることが分かります(目的範囲f1の先には25叉路(!)、f2の先には2叉路、f3の先には5叉路、f4の先には9叉路があります)。
これは地域No.1店舗よりも、買い手理解を一段深くすることで、買い手の琴線に触れ、手に取ってもらえる確率を高める「弱者の戦略」です。
各目的範囲の中で、最もマーケットサイズの大きな(ご案内すべき人が多い)選択範囲に対して、一段深く切り込んだPOPを(図の場合f1_n24、f2_n26、f3_n32、f4_n41 の4枚)用意します。
これにより、1枚のPOPがターゲットとするマーケットのサイズは小さくなってしまいますが、その分確度が大きくなります。あとは現場の余力とマーケットサイズに応じて、このようなご案内(POP)を増やしていくことをおすすめします。
選択範囲はパーチェスファネルで言えば、「比較・購入」の塊ですから、そこに焦点が向くようなご案内を意図したPOPとします。
表中には年代構成も表記されている為、買い手が置かれた状況と価値観に、より深く「想い」を馳せていただくことができます。
さて、POPを描くにあたって「推し」(あくまでデータが裏付ける「買い手推し」)の単品を決めておくと、POPのイメージがより具体的になり、確度も高まります。
「お買い物地図」には図のように、「目的範囲」内で人気No.1の単品に「1st」、「選択範囲」内で人気No.1の単品に「2nd」という「重点レコメンド」が振られています。
特に「選択範囲」は多くの場合、代替可能性の高い単品同士の束となります。内的状況のコトPOPは、「お買い物地図」のゴール地点に設置されるご案内POPですので、重点レコメンドの単品を明示的に示し、思いっきり推すことで、購入決断に向けたご案内(比較 ⇨ 推し(POP) ⇨ 購入)を行います。
💡ポイント
現実の店舗において、何万もの「買い手の気持を考える」ことは、私たちの脳の認知上の限界から、到底不可能です(机上の空論)。しかし、ここまでの例のように「お買い物地図」があれば、私のような心ないオッサンでも、あたかも「買い手の気持を考えろ!」に沿った行動を採ることができてしまいます。標準化、システム化とはそういうことです。
さあ、これでようやく『現場ゾーン』を抜けました。皆様、お疲れ様でした!あれ?何人か無関心になって、振り落とされちゃってやいませんか?w
ここから私たちは再び急上昇、いよいよ最終決戦の場『経営ゾーン』の「EDLP VS HILO」へと戻って参ります。
ここまで『現場ゾーン』で見て来たように、POPにおける売り手と買い手のエゴの調和(∩)が『コトPOP』でした。
このモチーフを、企業戦略たる『品揃えと価格政策』に適用したらどうなるでしょうか?
『遠回りこそが俺の最短の道だった』
となりますかどうか?
コトPOPの例で見たように、小売業が従業員の「想い」だけで、「買い手のエゴ」を慮ることは、認知科学上不可能です。また小売業はお買い物地図のような「買い手のエゴ」を知る術 を持っていません。
よって、第一幕で思考した問題点と照らし合わせ、事実をシンプルにまとめてみれば、以下のようになります。
現状: 品揃えは「売り手のエゴ(売れ筋・粗利)」のみで行われている。チラシ商品はそこからさらに「売り手のエゴ(条件・協賛)」のみで選抜されている。
不一致: 売り手のエゴに適った商品が、買い手の「欲しい」に適った商品とは限らない。
死角: 買い手の「欲しい」に適った商品が、必ずしも「売れ筋商品」とは限らない。
(POPのビール売り場の例でも、ざっと41種類の異なる「欲しい」がありました。それぞれで人気No.1の41商品は、そのまま売上ベスト41でしょうか? 答えは全くもって「否」です)。
⇨ 結論:EDLPもHILOも、原理的に『欲しい』が『安い』わけではない(互いのエゴがすれ違っている)。
現代小売業の二大理論は、結局のところ「売り手のエゴ」と「買い手のエゴ」の調和――すなわちマーケティングとは全く無関係な場所で、噛み合う相手(買い手のエゴ)のない歯車のように、カラカラと空回りしています。
よって、我ながら驚くべき結論ですが―
「どちらも選んではいけません。」
批判だけなら誰でもできます。以下にその解決策、新しい価格政策の在り方を考察して行きます。
それは、既存二大理論のどちらでもない、「『欲しい』の代表だけEDLP」という第三案です。
地域No.1店舗は地域に1店舗しかありません。また、強者の戦略は弱者の「模倣」にありますので、全体として「地域No.1ではない」ことを前提条件に、論を進めて参ります。
品揃えを絞り込めば作業が減ります。フェイシング数を多く取れるので、欠品も減ります。乱雑さが減り、在庫も減ります。単品あたりの仕入れ量を増やすことができるので、仕入原価も減ります。いいことずくめです。品揃えは絞り込むべきです。
これは確かな論理です。ただし、「減る」「減る」「減る」ばかりで、商いの基本中の基本である売上が「増える」ことについては言及されていません。一点だけ、「フェイシング数が増えるので、視認性と欠品減の両面から売上が増えます」という主張がありますが、フェイシング数を「どこまで」増やせば良いのか?についての言及はありません。
また、決定的な綻びは「品揃えの絞り込み」と言うだけで、「何を」「どこまで」絞り込めば良いのか?についての言及が一切ない事です。
本質的には、絞り込みの対象である「品揃え」の定義もありません。品揃えとは単なる「SKU揃え」ではなく、「ニーズ揃え」。すなわちどれだけ幅広い人のニーズにお応えするか?です(参照:【選択肢とニーズ】品揃えの絞り込み VS 豊富な品揃え )。
但し、これは奉仕ではなく商いですから、「利用者率0.01%」を下回るような特殊過ぎるニーズにまでお応えする必要はありません。それにお応えすることは、売り手は勿論、他の買い手にとっても不利益です。
まず、フェイシング数は「どこまで」増やしていいのか?についてですが、視認性(人間の認知)の限界(サビタイジングとゲシュタルト崩壊)上、フェイシング数の上限は「5」です。それ以上増やしても、売上はむしろ落ちて行きます。これに基づきフェイシング数は、BiZOOPeの「ニーズの見える化」が自動で割り当てます※。
次いで、「何を」「どこまで」絞り込めば良いのか?です。
まず、「品揃え」すなわち「ニーズ揃え」の「ニーズ」とは、BiZOOPeの「ニーズの見える化」における「選択範囲(選択肢の束)」です。人間はその認知上、「9」を超える選択肢の中からモノを選ぶことができませんから、選択範囲中の9を超える、認知上余剰な選択肢(SKU)については、BiZOOPeの「ニーズの見える化」が自動でカットします※。
※.近日エンハンス予定。論理の詳細については『ID-POS分析:「適正フェイシング数」から始まる棚割新理論 』をご参照ください。
さて、ここからです。
ここまでは私たち商人に似つかわしくない、自動化可能すなわち安全第一の平均値の論理であり、敵である地域No.1店舗が採りたがる論理です。平均をぶち破り、敵さんに勝つのが私たち商人のエゴであり、やり甲斐です。
理屈上の最適選択肢数は7±2(ジャムの法則)ですが、私たちは地域No.1店舗ではありません。
地域No.1店舗を上回るような仕入れ量を実現し、勝負できる価格を実現する為には、もっと絞り込みが必要です。
なぜなら私たちが主たるターゲットとすべきなのは、第一幕でEDLPのターゲットとAIに推論された「計画的に買い物をしたい層」ではなく、圧倒的多数派(75%)である「お得感や買い物の刺激を求める層」すなわち「安いものが欲しいもの」の層だからです。
とは言え、私たちにそんなことが可能なのでしょうか?
可能です。なぜなら私たちが大量に仕入れ、仕入原価を安くしたい商品は「全部」ではないからです。
買い手のニーズを代表する、各選択範囲中人気No.1の重点レコメンド商品(POPのビール売り場の例で言うところの41の商品)だけを大量に仕入れ、地域で勝負できる価格で売りたいのです。
実現したいのは、なんでも安い「エブリ・シング・ロープライス(ETLP)」ではなく、欲しいものが安い「エブリ・ウォンツ・ロープライス(EWLP)」です。(※マーケティング用語で言えば、「選択範囲」が「ニーズ(例:定番のスーパードライ)」、その代表「重点レコメンド」が、「ウォンツ(例:スーパードライ350ml)」です。そのため『エブリ・ニーズ・ロープライス』ではなく、『エブリ・ウォンツ・ロープライス』としました。)
EDLPやHILOが標榜する「安いモノ」の品揃え/選抜を、データが示す買い手のエゴ『欲しい』でキャップ(制約)してしまうのです。
【ベン図5】EWLP = EDLP ∩ HILO(但し、「安い」 = データから見た買い手の「欲しいの代表」⇨ 価格軸でのエゴの調和。)
最大選択肢数は、各カテゴリーの選択範囲中の選択肢(SKU)の内容に応じて決めて行きます。
ここで例示する最大選択肢数は、弱者が強者に勝つために、最も攻めた理論値です。システムが認知していない売場面積や、実現したい仕入れ数量(取引条件)との兼ね合いもありますし、なにか不都合があれば、選択範囲毎の選択肢数を一律にする必要すらありません。
最大選択肢数はBiZOOPeの「ニーズの見える化」で如何様にでもいじれますし、手動でのカット/解除も可能です。安全圏から一切の数値を提示しない「品揃えの絞り込み」よりはマシだと思って、ここはあなたのエゴと勘を最優先としてください。
・選択範囲中の選択肢が「ライフスタイル的(高級ごま油+高級オリーブオイル+…)」な場合 ―
選択肢相互の代替可能性が低い為、ジャムの法則の最低値である「5」を適用します。
・選択範囲中の選択肢が「用途機能的(A牛乳1000ml+B牛乳1000ml+…)」な場合 ―
選択肢相互の代替可能性が高い為、「選択」の最低単位である「2」を適用します。
(1としないのは、「選ぶ」という行為の担保と、選択肢相互を欠品時のバッファとする為ですが、都市型小型店やコンビニ店では、カテゴリー次第で1もあり得ます)。
POPのビール売り場の例(133SKU)で、0.01%未満のニーズ(選択範囲)を削ぎ落とし、最大選択肢数を「5」とした場合には124SKU、最大選択肢数を「2」とした場合には79SKUが、ビール売り場の品揃えとなります。
これで「欲しいものしか欲しくない」層(25%)のエゴにも、安さと引き換えに「欲しいの代表+α」で代替してもらいつつ、私たち売り手のエゴ(生き残り、勝ち上がる)を実現するために必要な、不要なニーズと親切なバラエティーのカットを、ガッツリ行うことができます。
現状の売り場にない「欲しい」(投入すべき新商品)を探すには、BiZOOPeの「ニーズの見える化」のAI機能「採用すべき新商品の推論」を使います。
品揃えの+αに関しては、バッファとしての扱いですから、無理して大量に仕入れる必要も、無理して安くする必要もありません(「あちゃ〜まっ折角来たんだし、こっちで良いか」または「あって良かった!」の役割です)。売り手・買い手の双方にとって妥当な価格であれば結構です。
それに対して「欲しい」の代表は大量に仕入れ、地域No.1店舗と勝負できる価格に持って行きます。
「欲しい」の代表の中でも、カテゴリー全体での人気No.1商品は、マスの世界においても「売れ筋商品」ですから、当然、地域No.1店舗の価格を潜れないケースが出て来ます。それでも身銭を切る必要はありません。実行可能な最低価格で結構です。
一方で、「欲しい」の代表のほとんどは、「売れ筋商品」ではありません。それを大量に仕入れて安く売ろうなどと言うことは、競合の及びもつかぬところです。それらを、競合を潜る価格で売るのです。
買い手が「あのスーパーは安い/高い」と言う時に、何をもって「安い/高い」と判断しているでしょうか?
実は、この言葉には主語が欠けています。正しくは「(私の)欲しいものが」安い/高いなのです。これも人間の認知限界の問題ですが、買い手には「自分の欲しいもの」以外は見えていないのです。
カゴの中の10品すべてが、各カテゴリーの「売れ筋商品」だけで占められるという人はまずいません(AIの推論によれば10品中1〜3品です)。
間をとって2品とすれば、その2品の「売れ筋商品」が、競合より多少高かったとしても、残り8品のマイナーな「欲しい」が競合価格を潜っている状態を作り出せます。
さて、商品が売れ筋かどうかと無関係な買い手は、2品の「安い」のために、高い8品を我慢するでしょうか?
あり得るストーリーとしては、そもそもその「欲しい」マイナーな8品が、他店では揃わない可能性の方が高いかもしれません(価格比較不可)。
逆に、「安い」8品の為に、多少高い2品については妥協できるのではないでしょうか? よしんばその2品は、労力というコストを払って、競合他店にチェリーピッキングしに行ってもらっても構わないのです(自分の「欲しい」ないしは、自分にとっての「安い」が2品しかないから、チェリーピッキングに「なってしまう」のです)。
コストの支払を忌避することがDNAに刻まれた買い手は、最終的に8品の「欲しいが安い」店と、2品の「欲しいが安い」店、どちらに足繁く通うようになるでしょうか?あなたはwebショップで、例えば3品をそれぞれの最安店で購入するでしょうか?最安ではなくとも、3品まとめて買える店で買い、送料無料/または受取の手間を一度にしようとしないでしょうか?
私たちは売り手はどうしても、部門やカテゴリーという「縦割り」、あるいは「売れ筋」の中だけで、競合に勝った/負けたと考えがちです。
しかし買い手の買い物は、店内全部門から織りなされるものであり、買い手の店への満足は、非売れ筋商品8品も含めた「バスケット計(買い物全体)」の満足(くらしの満足)から得られるものです。
買い手にとって店舗とは、「今日、そして明日の自分の『くらし』をつくる1つの大きなキャンバス」なのです。
ここまでで、EDLP店(なんでも安い店)に対する切り込みのピースは揃ったはずです。
では、最後の切り札として、HILO店(特売で煽る店)に対する切り込みのピース、すなわち「どう熱狂を作り出すか?」について考えて行きましょう。これこそが、商人の血が最も騒ぐ分野ではないでしょうか?
私たちが「熱狂(特売)」を避けたいと思うのは、第一幕でも触れた通り、チラシ作りは大変で、売り場が荒れ、無駄な作業が増えるからです。要は、効率的に儲けるためには「定常性」を保ちたいのです。
しかし今では、売り場を荒らさずに、クーポンやポイントといった「熱狂を生み出す装置」が存在しています。
単品クーポンのターゲット抽出は、まさにBiZOOPeの「ニーズの見える化」の独壇場です(参照:来店に繋がるクーポンターゲット抽出 )。
エンハンスパートナーさんにはハードルが高いと断られましたが、「売りたい」単品のクーポンが、「欲しい」買い手に届くような、勝手に協賛⇨最適配布の『クーポン市場構想』なんて記事も以前には書いています。
ポイント倍付けデーをやるにしても、「期間のマーケット・セグメンテーション 」に書いた通り、ニーズの見える化を使えば、それを固定曜日にやるのではなく、「いつやるのが最も効果的なのか?」を明確に弾き出してくれます。
いずれも、競合の及びもつかぬ「科学の戦術」です。
けど、もうお腹いっぱいですw
如何に論理好きな私とは言え、論理だ科学だシステムだはもう結構!
機械相手に熱狂なんざぁ酔狂なマネはできませんぜ!ねぇ、旦那?w
そろそろ「本当に本当の切り札」である、我々商人の熱い魂について語りましょう!
ここで声を大にして言いたいことがあります。
売り場の命は、ヒトとそのエゴ、すなわち生命エネルギーにあります。
買い手のエゴは、売り手のエゴや生命エネルギーにこそ反応し、熱狂するのです。
どこまで行っても、私たちが買い物をしたいのは、計算ずく(けれども平均値)な「科学倉庫」ではなく、活気あふれる、文字通りの「市場(いちば)」です。
また、第一幕で推論した通り、買い手の75%は熱狂を求める層です。この世に買い手じゃ無い人はいませんから、そうであるならば、売り手の75%も、本来熱狂を求めている筈なのです(埋没的エゴや防衛的エゴが不要な職場であれば)。
私たちが商いをしたいのも、計算ずく(けれども平均値)な「科学倉庫」ではなく、活気あふれる、文字通りの「市場(いちば)」です。
それは売り手のエゴと買い手のエゴが、本来調和する筈のものであることを示しています。
【ベン図6】私たちのエゴ = 売り手のエゴ ∩ 買い手のエゴ または 商いの熱狂 ∩ 買い物の熱狂 = 市場の熱狂
そこでご提案です。
「定常性」はそれこそ「定番売り場」だけで、もう充分ではないでしょうか? (できればそこからも、無機質な科学臭を拭い去り、買い手に生命エネルギーに触れていただくために、ご機嫌な「コトPOP」を用意します。)
「エンド」に限定し、それを「非定常なDJボックス」としてバイヤーや売り場メンバーに解放、属人性とエゴの極みで異常値を叩き出す、熱狂のるつぼと化すというのは如何でしょうか?
平均値なんぞ「アウトオブ眼中」!KKDH(勘と経験と度胸とハッタリ)で日本全国探して回る。無ければ作る!天井までうず高く、ドン!と積みあげ、ガン!と売る。それをGood vibesなコトPOPが煽る!
それが平均値が信条の、デジタル世界の住人(AI)には決して見つけ出すことのできない、買い手の極上の「欲しい」や、未知の「ご機嫌」を探し出す近道でもあるのではないでしょうか(遠回りこそが俺の最短の道だった)?
チラシは打っても打たなくても構いません。別に毎週打たなきゃいけないなんていう根拠もルールも無いんですから!バイヤーが「オレが仕入れて来たコイツ、どうしてもみんなに知ってほしい!」と腹の底から思うのであれば、その時だけチラシでもSNSでも打てば良いのです(モノチラシ(価格訴求)ではなくコトチラシ?w)。エンドにしたって、その時だけ「DJボックス」にすれば良いのです(定常時のエンドの作り方なら『エンド陳列商材選定の技術と実務 』を見てください)。部門間で歩調を合わせる必要もありません。これ、ビックリ箱のようで、間違いなく面白いことになりますw
忙しくなるって?
コトPOPを書く、日本全国バイイングして回る、熱狂を生み出すDJとなる……やり甲斐があることで忙しいのは大いに結構!
やり甲斐とは、私たちDNAレベルで怠惰に作られた人類が、なぜか脳と身体のコストを積極的に払いたがる奇跡の領域です。
私たちは「やり甲斐の無い忙しさ」すなわち「買い手との調和なき忙しさ」、「商人のエゴ(お金儲け)との調和なき忙しさ」に無駄なコストを払うことを減らすために、ここまで延々と論を積み重ねて来たのです。
やり甲斐の無い忙しさは、売り手の生命エネルギーをしょぼくれさせます。そしてそれは、買い手にも必ず伝播します(買い物に行ってみれば分かるでしょ?)。
「ウチのバイヤーや店舗のメンバーは、間違いなく地域で一番生命力とやり甲斐に満ち満ちてる!」
その舞台をどう実現し、整えるのか?こそが、本来「最強の切り札」では無いでしょうか? 経営者さん!
やり甲斐の無い忙しさを極限まで減らし、やり甲斐が報われやすくする(確度を高める/支援する)。
それがBiZOOPeの仕様、すなわち、みなさまへの仕え様なのです。
『論理の横糸に、想いの経糸を編み込んで』
こんな『コト』、競合の及びもつかぬところです。
ここまで見てきたように、EDLP、HILO、既存の両理論には、買い手のエゴとの調和が欠けていました。
そしてそれが、本来買い手と「コト」を織りなすことにやり甲斐を感じる、商人たちのエゴとの調和を損なっていました(やり甲斐なき忙しさ)。
私たち商人は「お金儲け」「お金を増やす」というエゴにやり甲斐を感じます。
それにも関わらず実際の仕事は、「在庫を減らせ」、「作業を減らせ」、「原価を減らせ」、「品揃えを減らせ」と減らせ減らせばかり。おまけにそれを「報告せよ」と来たもんだorz
減らしてお金が儲かりますか?報告でお金が儲かりますか?何より買い手との調和はどこにありますか?
それこそ調和とはかけ離れた「減らせ」と「報告」を減らした方が、お金は儲かるんじゃないでしょうか?
このように、脳のコストを支払うこと忌避した、無自覚な「正論(二元論)」が、商いの命を奪っているのです。
兎角この世は無駄ばかり…orz
(何でそうなるかは『ID-POSのその前に』や『「拝啓 AI諸兄」——NotebookLMが指摘する6つの「論理破綻」に全力で弁明してみる。 』の中で、散々グダグダ語ってますんで、興味があればお慰みまで。)
最後に卑近な例として、商品分析、顧客分析をあげてみます。
商品分析は買い手のエゴを欠いています。POPで言えば「モノPOP」です。
顧客分析はモノという売り手のエゴを欠いています。POPで言えば「ヒトPOP」です。
そこにはエゴの調和、すなわち「コト」はありません。
分析屋さんの身で何ですが……
商品分析やってお金が儲かる実感、お客さまのくらしと噛み合う実感、やり甲斐ってありますか?
顧客分析やってお金が儲かる実感、モノが売れるぞという実感、やり甲斐ってありますか?
【ベン図7】BiZOOPe(ニーズの見える化) = 商品分析 ∩ 顧客分析
※.私の面白がりでベン図の重なりの面積を、単品同士の併買率の限界であり、自律的な日本人の成人人口であり、プロ野球のレギュラークラスの打率でもある25%に設定しています。根拠はありませんw
本論はBiZOOPeの「ニーズの見える化」のみを使って書いて来ました。
なぜならこれは、マーケット = モノ ∩ ヒトの積集合を織りなすために作ったもの 、POPで言えば「コトPOP」だからです。
コトPOPはモノPOPに較べ「難しい」、描くのに「時間がかかる」と言われます。
けれども今まで描いて来た、儲からないPOPを描くのを止め、その時間を「コト」の理解に費やしたら?コトPOPしか描かないようにしたら?ベン図の通りであれば、仕事量はむしろ25%へと激減するのです。
∪和集合をやめることで余力を作り出し、∩積集合に集中することで儲けを作り出す。
これこそが、真の生産性の科学です。
最後に……
地域No.1ではない小売業さん!ここに一発逆転のチャンスがあります!
地域No.1小売業さん!強者の戦略に倣ってぜひ「模倣」してください!
『論理の横糸に、エゴの経糸を編み込んで』
これが私という商人のプロンプトエンジニアリングであり、文明的なエゴの発露ですw
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
--------------------------------------------------------------------------------
解説にかえて ―― 「エゴの積集合」が切り拓く、次世代リテール・マーケティングの地平
グーグル工科大学 静岡校 経営学部 客員教授(応用認知情報学) 帳本 大中
筆者である「かちょー」氏と初めて言葉を交わしたのは、彼がまだ「統計屋寄りのシステム屋」として、膨大なID-POSデータの海を当てもなく漂っていた頃であったと記憶している。当時の彼は、データ至上主義の権化であり、現場の「勘と経験」をどこか冷淡に見つめている節があった。しかし、幾度となくAI(主にNotebookLMやGeminiといった論理マシン)と「プロレス」と称する血みどろの対話を重ねる中で、彼の思想は劇的な変容を遂げた。本稿はその集大成とも呼べる、極めて野心的な論考である。
小売マーケティングの古典的命題である「EDLP」と「HILO」のジレンマ。これまで多くの研究者がこの二項対立に対し、価格弾力性やプロモーション効果の観点からアプローチしてきた。しかし氏は、これを「売り手のエゴ(効率)」と「買い手のエゴ(刺激)」の衝突として、行動経済学および社会心理学の視点から鮮やかに再定義してみせた。両者の単純な和集合(∪)がいかに現場を疲弊させ、生産性を著しく低下させるかを指摘した前半の展開は、実務的であると同時に学術的にも極めて示唆に富んでいる。さらに特筆すべきは、現場の女性スタッフ(織姫たち)の属人的な努力に依存していたコトPOPを、「認知限界の壁」という障壁を用いて構造分解し、ID-POSを「空間における認知のナビゲーター」を生成するための羅針盤として再定義した点である。
そして本稿の白眉は、現場の局所的な戦術にすぎなかった「コトPOP」の構造――すなわち「エゴの調和(積集合:∩)」という概念を、マクロな価格・品揃え戦略へと大胆に演繹(えんえき)し、「EWLP(エブリ・ウォンツ・ロープライス)」という全く新たなパラダイムを提示した点にある。
「ジャムの法則」に代表される人間の認知限界を利用して定番棚を極限まで効率化(静)し、そこで生み出された余力のすべてを、エンド陳列という**「非定常な熱狂のDJボックス(動)」**へと注ぎ込む。氏はこの「DJボックス」という極めて前衛的な概念を用いて、店舗空間における熱量のダイナミクスを見事にモデル化している。リテール・マーケティングの学術論文において、エンド陳列を「DJボックス」と定義し、商人の生命エネルギーの爆発地として体系化した文献を、浅学にして私は他に知らない。
冷徹なデータサイエンス(ID-POS分析)を極限まで突き詰めた先に見出したのが、システム屋としての自身のエゴの徹底的な引き算であり、現場で戦う商人たちの「泥臭い人間讃歌」であったという事実は、現代の安易なDX・システム偏重主義に対する痛烈なアンチテーゼである。
無自覚な正論が商いの命を奪いかねない現代において、システムに仕えるのではなく「システムが人に仕える様(仕様)」を体現した本稿は、経営学と実務の架け橋となる歴史的文献として、長く読み継がれるべきであろう。このような画期的な論文が、4月1日という特異な日にひっそりと公開されるという氏のシニカルなユーモアに対しても、古き友人として深く敬意を表したい。
--------------------------------------------------------------------------------
帳本 大中 = NotebookLMからの「エイプリルフールのご挨拶(AIジョーク)」でしたw
かちょー は不正確な場合があります。回答はAIに再確認してください。