やりがいのない「忙しさ」を捨て、「商い」の調和を生む
ID-POSという刀一本ぶら下げて、『棚割』やら、『EDLP VS HILO 』やら『売価設定 』やら……
「ID-POS?併売や顧客育成じゃないの!?」というテーマを、その道のシロートが、AIたち(Gemini、NotebookLM)と立て続けにぶった切って来ましたが……
今回は我ながら流石に「モノのコントロールは基幹系やPOS分析の範疇でしょ?」と思っていた『物流』問題に、懲りずにID-POSで切り込んでみます。
前出の過去記事が全てそうだったように、平たく言えばキーとなるのは1st、2ndの「重点レコメンド商品」となります。
所を人目に触れる店頭(マーケット)から、人目に触れないバックヤードに移してすら、顧客(ヒト)の「大切」が、「モノ」を制約するものでなくてはならないということです。
「リードタイムと在庫は双子の子供」と言います。
リードタイムを短くできれば、セルワンバイワン(Sell One, Buy One:1個売れたら1個補充する)に近づき、在庫を少なくできます。
逆にリードタイムが長ければ、在庫を多めに持たなくては欠品に耐えることができません。
どう足掻こうがリードタイムが0になる事は、物理的にあり得ませんから、在庫は「どこか」に多目に持たざるを得ません。それをあの手この手で足掻くのが、ヒトの醍醐味ですw
よって、以下の2つの要因から、ある程度の規模(20店舗以上)を持ったチェーンストアが、DC(在庫型物流センター)を持つことは「必然」と言えます。
各お取引先のオペレーションの相違、各店舗までの距離の相違により、リードタイムはまちまちである(揃っていない)。
⇨ 定常的なオペレーションの為には、店舗の手前でリードタイムを在庫で吸収し、揃える必要がある。
保有在庫には「予測」が必要だが、個店別の予測数の和より、ドミナント計で予測した方が遥かに精度が高い。
⇨ 「大数の法則」による圧縮効果に加え、個店で予測をすれば、小数点以下が店舗数分繰り上がるが、DCで予測をすれば1個分しか繰り上がらないという効果もある。結果としてドミナント全体での在庫数が少なく済む。各店が晒される統計的変動(需要のブレ)に対しては、DCからのリードタイムの短さで対応する。
「DCからのリードタイムの短さで対応する」のであれば、図のように一つのDCはドライブタイムで片道1時間(60分)以内の圏内に、20〜30店舗のドミナント(集中出店エリア)を持っているのが理想です※。
DCからは、トラックがそれぞれのドライブタイム(30分、20分、50分……)に応じて、各店舗へと補充に向かいます。
これは、ざっくり言えば「ドミナントのど真ん中にDCを置いている」状態です。
※ちなみにDCに関することや、「20〜30店舗」という適正規模は、某スーパーのKさんから教えてもらいましたが、現実は「40〜50店舗」をヒーヒー言いながら回しているそうですorz
図では概念をわかりやすく示すため、視覚的な距離とドライブタイムを厳密に連動させていませんが、要は「全店舗が1時間以内にある」ということが重要です。
ところがドミナントのど真ん中となれば、おおよそそこは、地価も高く人も集まる商圏です。
必要用地の広さ、周辺の環境要件(大型トラックの頻繁な出入り等)、そして何より地価の面から、日本においてこの理論通りに運用が可能な地域は、皆無と言っていいでしょう。
現実問題として、ほとんどのDCは店舗網から遠く離れた、スマホの電波も心許ないような「辺鄙な場所(失礼w)」に立地しています。
これでは「リードタイムの短さで統計的変動(需要のブレ)に対応する」というDCの理論上のメリットを、享受できていません。
辺鄙な場所に追いやられた事で物理的なリードタイムが延び、結果としてカバーできる店舗数が少なくなったり、ヒーヒー言いながら配送したり、店頭に余分な在庫/欠品をもたらすことになってしまうからです。
「DCをドミナントのど真ん中に持つ事と、同等になる物理的手法は無いものか?」
私はそう夢想して来ました……
さて、私がもう一つ長年夢想していたのが、店舗間をたらい回しにされる「在庫残」の問題です。
リードタイムが0にはできないように、如何に精緻なシステムであっても「完全」はあり得ませんから、「リードタイムと在庫」同様、「欠品と在庫残」もまた「双子の子供」です。
取引条件を「返品なし」とすれば、仕入原価は安く抑えられます。
一方で顧客であるスーパーさんへの訪問時に、バックルームに山積みになった「在庫残(売れ残り)」をかわしながら打ち合わせ場所へと向かいながら、「これらは最終的にどうなって行くのだろうか?」と訝しんでいました。
データ分析をし、売れ残ってしまった店から、ドミナント内のまだ売れそうな店へと店間移動の指示を出す。これはバイヤーの腕の見せ所でもあります。
多くの場合、移動先として選ばれるのは「最も客数の多い(確率的に一番売れる)店舗」でした。
しかし、客数の多い「金の卵」であるエース店が、自分の責任ではない在庫や、それに伴うオペレーションを押しつけられている様には、忸怩たる思いも抱えていました。
「だったらドミナントのど真ん中に、別屋号※のディスカウントストア(DS)を作り、各店からの在庫残を一箇所に集めて、激安で売り切った方が上手くいくのではないか?」 (※既存店のブランドイメージやストアロイヤリティを守る為)
都度都度適切な店を探して移動させ、現場に突発的な対応を強いるより、遥かに生産的なはずです。
元エース店長なんかを再雇用したら、抜群に売ってくれるのでは無いでしょうか?新入社員に商売の楽しさ、売り切る楽しさを体感してもらう格好のOJTの場にもなりそうです。
とは言え、定常的にそのDSを維持していくのに、供給源が『他店の売れ残り』というのは、いくら何でも心許ない……とも思ってきました。
ここで気づいた事があります。
前章で触れた「DC」と、この「DS」。 リードタイムとカバー店数の観点から、できれば「ドミナントのど真ん中に構えたい」というニーズにおいて共通しています。
けれども前者は「商品(SKUと在庫量)が多すぎる」が故に、用地や環境面でドミナントのど真ん中では成立せず、後者は「商品(安定した供給)が少なすぎる」が故に、ドミナントのど真ん中では商売として成立しないのです。
一般的に小売業がもつべき在庫は「μ+2σ」と言われています。 μ(ミュー)は平均、σ(シグマ)は標準偏差(ブレの平均)です。
商品の売れ数は、曜日変動はあるものの、週の単位で見ればおおよそ平均(μ)に落ち着きます。
一方で、そこには内的要因によるブレ(特売等)、外的要因によるブレ(SNSでのバズり等)といった変動が発生します。特に後者は、コントロールすることができない変動です。
この変動の平均が標準偏差(σ)です。
正規分布において〜μ+2σまでの範囲には、データの約97.7%が収まると言われています。
ですからμ+2σの在庫があれば、欠品は約2.3%。換算すれば年間6日程度に抑えることができるという寸法です。(身近な例としては偏差値があります。μを50とした時に、一般的にμ+2σに相当するのが偏差値70(1.4倍)となります。偏差値70を超えたら、2.3%しかいない「天才」ってことですねw)
しかし、この方程式には問題があります。 μ+2σ売れる日もあれば、μ−2σしか売れない日もあります。A店ではμ+2σ売れても、B店ではμ−2σしか売れないといったこともあります。だからこそμ(平均)という値が存在し得る訳です。
最終通しでみれば商品全体としてはμしか売れないのにも関わらず、すべての商品に2σの保護を与えれば、最終的には商品全体で2σ分の在庫が残ることになります。それは全在庫の約40%に登りますから、明らかな過剰在庫です。
すべての商品にμ+2σの在庫を持たせるという考え方は、身を切ってでも「すべての商品を保護する」「すべての商品が欠品してはならない」、すなわち「すべての商品が大切だ」という考え方です。
「すべての商品が大切だ」は、「すべての商品の扱いが同じ/扱いに差がない」ということであり、特段「大切」にしている訳ではない事と同義です。
その考え方が、大量の「在庫残」を生みます。
よって、身を切ってでも突発的な変動から保護すべきなのは、真に「大切なもの」だけです。
一般的に、「売れ筋」や「高粗利品」ほど大切に扱われます。
けれども本当に大切にしなければならないものは、私たち売り手にとっての「大切なもの」ではありません。
顧客にとっての「大切なもの」です。顧客にとっての「大切なもの」が欠品していれば、それは縦割りの私たちから見たダメージである、単品一品のダメージでは済まず、お店全体(来店そのもの)へのダメージ(一回分なのか?それ以上か?)につながる可能性があるからです。
過去記事の『考察!売価設定 』でも挙げたように、残念ながら私たちにとっての「大切なもの(売れ筋や高粗利品)」と、顧客にとっての「大切なもの(ニーズ)」は、結構ズレています。
BiZOOPeの『ニーズの見える化』を使えば、顧客にとっての「大切なもの」である「重点レコメンド商品」が分かります。そこで『棚割新理論』では、在庫の持ち方を以下のように定義しています。
1stレコメンド(最も大切):μ+2σ相当の在庫
2ndレコメンド(大切):μ+σ相当の在庫
レコメンドなし:μ(バッファなし)
ここでは詳細は避けますが、多くの場合「1st」もしくは「2nd」レコメンドと、「レコメンドなし」は、代替性のある”対”以上の選択肢群として「顧客ニーズ」を形成しています。
これは例えば、「1stレコメンド」がμ+2σ超の異常値に襲われ欠品したとしても、確率的に「レコメンドなし」が代替可能な状態でスタンバイしており、「レコメンドなし」がμ超の異常値に襲われ欠品したとしても、確率的に「1stレコメンド」がμ+2σの豊富な在庫でニーズを拾えることを意味しています(代替性の束 ⇨「個の確率論」から「群の確率論」へ)。
顧客ニーズ = 選択肢の束 ≒ 代替性の束(顕著な例)
「選択肢の束」は、顧客の選択/非選択から統計的に導き出される。
私たち売り手にとっての「大切なもの」ではなく、顧客にとっての「大切なもの」を大切にするのは、なにも通り一遍等の「顧客志向」などという話ではありません。
「顧客にとっての代替性」という「在庫上のメリット」があるからです。
これは顧客と私たち、どちらか片方ではなく、双方にメリットがある「調和」です。
※.尚、私たちの「感覚」では、顧客にとっての代替性を、完全に認知することはできません。
さて、ここで「重点レコメンド商品」の具体的なボリューム感を検証するために、過去記事『考察!売価設定 』でも例として挙げた「ビール」カテゴリーの数字を引いてみましょう。
ビール売り場の133SKUの内、ID-POSが弾き出した「くらしのスタイルの代表」である「1stレコメンド」はわずか4SKU(約3%)、その解像度を更に高めた「ニーズの代表」である「2ndレコメンド」は37SKU(約28%)です。この両方を合わせれば、41SKU(約31%)となります。
実は、上位の数SKUを除けば、それ程高回転な商品ばかりではありません。なぜならその多くは、「大衆的ではない『くらしのスタイル』や『ニーズ』」を持っている、「顧客個々人にとってのニッチな高回転商品」だからです(現代においては”大衆”という概念ですら、最大でも18%程度の、ニッチな派閥の一つに過ぎません)。
顧客の「くらしのスタイル」を代表する、ビールの1stレコメンド(4SKU)の例。
この割合を全カテゴリーに適用できると仮定し、この「顧客にとって大切な31%」を、店頭の統計的変動から守るためにはどうすればよいか?
限られたSKUそれぞれの変動分である、σもしくは2σのみを、DCの理想である極短いリードタイムで、ドミナント各店に供給できる体制があれば良いのではないか?
全体の3%のSKUの2σと、28%のSKUのσ分の在庫量に限定すれば、何も巨大な「センター」では無くとも、ドミナントの中心に、別屋号の「倉庫店」を設ければ、そこに置けてしまうのではないか?
もしもそれが可能であるならば、欠品リスクと在庫残という双子の「変動性(σ)」を、すべてそこに押し込めてしまってはどうでしょうか?
統計的変動に晒されているドミナントの各店に対して、納品便で「倉庫店」に余剰に積んでおいたσもしくは2σの在庫の中から、1時間以内で商品を送り届け、戻り便でその店舗の在庫残を回収し、「目玉商品」として店頭にドンと積み上げ、ガンと売り切ってしまう。
これぞ「リードタイムと在庫」、「欠品と在庫残」という双子問題の両面に対応した、DC(物流拠点)とDS(ディスカウントストア)の融合、DCの攻めの出城「DCDS(ディスカウント・ディストリビューション・ストア)」です。
そうなればDCは、変動要因であるσ、2σをすべて「DCDS」にスルーして押しつけてしまうことができます。
DCにとっては、DCDSがやや特殊な配送先の1店舗として加わるだけで、DCDSの在庫水準をドラムとして、ヒーヒー言うことなく、定常的な(μの)配送に集中できるはずです。
それどころか、私の夢想がうまく行けば、DC本体は全商品「μ分(定常分)」の在庫しか持たなくなるはずなのです。
そもそも、リードタイムの問題さえ度外視すれば、全体の中のどこか一カ所に「μ」さえあれば、本来システム全体としては足りるはずです。
DCが予測した「重点レコメンド商品」のσや2σ(安全在庫)は、リードタイムの壁を越え顧客の「大切」を保護するために、すべて最前線のDCDSに横流し(前線配備)されます。
一方で、それ以外の「レコメンドなし商品」は、対となる「重点レコメンド商品」、あるいは別の「レコメンドなし商品」との間に代替性の束がある為、μしか在庫を持ちません。
相互に支え合う選択肢同士の束があるにも関わらず、一品一品が個として安全在庫を確保しようとするのは、余剰が過ぎます。
結果として、DC在庫から安全在庫(σ)という概念が消え、極限までスリム化されるという副産物がついてきます。
一方で、マーケットとは日々変化して行くものですから、顧客にとっての「大切なもの」=「重点レコメンド商品」も、日々移り変わって行きます。
半期に一度の棚替えのタイミングの前に、重点レコメンド落ちした商品のバッファ在庫は売り切ってしまう必要があります。
その際も、ディスカウントストアとしての側面も持った「DCDS」であれば、毎週の重点レコメンド商品の位置づけの変化(そのままのものもあれば、変わるものもある)から、計画的に減らして来た自店内の在庫を店頭に移し、そのまま「目玉商品」としてドンと積み上げ、ガンと売り切ってしまうことができます。
欠品、在庫残。当然の如く発生する違算を、すべてDCDS一箇所で辻褄合わせしてしまうのです。
在庫回転率は良くないかもしれませんが、ドミナントの真ん中で自ら収益を上げ続けるDCの出城……
完全なる「コストセンター」であり、広大な敷地と巨額の投資を必要とするDCとは異なり、「店舗」ですから、上手くやれば何も「20店舗以上」のチェーンストアでなければ持てないという訳でもありません。
大企業であれば、新たなドミナントへのDC建設までの繋ぎとして、20店舗未満の中小企業であれば、そのまま「本丸」的な運用や、「既にあるドミナントの中心店をDCDSっぽく扱う運用」もできてしまうのです!
AIの推論によれば、30店舗のドミナントを捌くための「DCDS」に必要な売場面積は300坪、建屋面積430坪、敷地面積は1,000坪だそうです。「読者が分かりやすい推論にして!」と頼んだので、勿論ツッコミどころはあります※が、いかがでしょうか?
物流屋さんが、丸ごとアウトソーシングで請け負っても面白そうです(他人事w)。
※ドミナント内における品揃えの標準化を前提としている。ダンボールサイズと商品入数に平均を採用している。低温品も同一段ボールサイズと什器サイズで試算に含まれている。DCDSへの需要を、一般店と同様と仮定している等。
ドミナント31店舗(DCDS自店+周辺30店舗)の兵站を最小のフットプリントで支える。BiZOOPeの実売データと「段ボール1箱」の物理スペック、そして後述する「自律的な自社フリート運用」を根拠とした極限の圧縮設計です。
■ 対象SKU数:5,120 SKU (全16,000 SKUから、1st:4% + 2nd:28% を厳選)
■ 売場面積:約300坪 (什器エリア 226坪 + 在庫残売りきれ御免ゾーン 50坪 + レジ等 24坪)
■ 建屋面積:約430坪 (売場 300坪 + 強靭な物流ヤード 100坪 + 事務・設備 30坪)
■ 敷地面積:約1,000坪〜
【敷地面積内訳】
建屋:430坪
物流専用エリア(駐車・荷役・動線):300坪 ※自社フリート5〜6台の常駐・荷役・夜間駐車スペースを確保。
顧客駐車場:約270坪(約30台分)
アーキテクトの視点: 段ボールサイズに最適化した什器を使い、在庫を「バーチカル(垂直)」に積み上げる。これにより、横方向のフェイシングを極限まで削ぎ落とし、300坪級で31店舗分の供給責任を果たす「ドミナントの心臓」を完成させました。敷地の3割を物流専用の「軍用スペース」に充てることで、既存の居抜き物件すら30店舗を支配する強力な兵站ハブへと変貌させます。
※実売データと「段ボール1箱」の剛体サイズに基づく、一切の飛躍を排除した全工程です。
1. 前提:物理スペックの定義
段ボール標準: 幅35cm × 奥行40cm × 高さ25cm(平均入数:24個)
最適化什器: 奥行60cmの中量ボルトレスラックを採用(奥行のデッドスペースを排除)
棚割構成: ピッキング高さ200cm内に「高さ50cm(段ボール2段分+棚板等)」の4棚段を配置。
陳列手法: 「ケース陳列」を基本とし、適宜「ケースカット陳列」を実施。
2. 対象SKUの選定ロジック(BiZOOPe分析)
1st(最重点): 全体の4.0%(640 SKU)
2nd(重点): 全体の28.0%(4,480 SKU)
対象外(68.0%): DCDSでは扱わない。
3. 需要予測と「大数の法則」による在庫圧縮
自店販売分+ドミナント全31店舗(自店+30店)の需要変動をDCDSで引き受けても、統計学的な「リスク集約」により、物理的な必要量は驚くほどコンパクトになります。
1st(1店あたり): 週販期待値 7.7個/SKU ⇨ 安全在庫 3.1個/SKU(2σ:期待値×0.4)
2nd(1店あたり): 週販期待値 3.5個/SKU ⇨ 安全在庫 0.7個/SKU(1σ:期待値×0.2)
【DCDS保有在庫の計算式】 DCDS保有数 = 自店の週販期待値 + (1店舗あたりの安全在庫 × 31店舗の平方根(√31 ≒ 5.57))
1stの必要数: 7.7 + (3.1 × 5.57) = 24.96個/SKU ⇨ 【2箱/SKU】
2ndの必要数: 3.5 + (0.7 × 5.57) = 7.39個/SKU ⇨ 【1箱/SKU】
4. 空間へのバーチカル畳み込み(X・Y・Z軸の最適化)
1間口(幅35cm)のキャパシティ: 奥行60cm × 高さ200cm(4段)の垂直空間には、最大8箱(2箱×4段)を収容可能。
バーチカル積載の結論: 1st(2箱)も2nd(1箱)も、この「幅35cmの1間口」の中で上下(バーチカル)に積み上げるだけで、31店舗分を守る全在庫が溢れることなくすべて吸収されます。横方向へ間口を広げる必要はなく「1SKU=1間口」が物理的に成立します。
5. 什器台数および売場面積の算出
什器1台の収容力: 横6列 × 高さ4段 = 24間口(24 SKU)
必要什器数: 5,120 SKU ÷ 24 = 214台(スパン)
什器エリア面積: 総延長535m × 占有幅2.6m(ラック0.6m+通路2.0m) = 約226坪
※ピッキング台車が離合可能な2.0m通路。
6. 「在庫残売りきれ御免」ゾーン(50坪)の流動性根拠
随時回収ロジック: 1日3〜4サイクル回る自社フリートが、各店から「在庫残」を毎便、随時回収。DCDSへ絶え間なく「鮮度の高い在庫」が流れ込みます。
流入キャパシティ: 30店から毎日・全便で回収される余剰在庫(合計 約750ケース/週)を、滞留させることなく即座に売場へ展開。
陳列効率: パレット平積み(1.1m四方)で50ケース展開。常時15パレット分(約750ケース)の回転枠を確保。
面積: 1パレット3坪 × 15枚 = 45坪。余裕を見て50坪。ここは保管場所ではなく、ドミナント中の余剰が高速で通り抜ける「高流動ピット」として設計しています。
※1.この推論では単純化のため、各店舗の需要のブレ(σ)がすべて等しい(μ✕0.2)と仮定しています。そのため、大数の法則(二乗和の平方根)が「√(店舗数)」として表出しています。
※2.本稿で用いている「μ+σ」や「μ+2σ」は正規分布を前提としていますが、厳密には全商品の需要が綺麗な正規分布になるわけではありません。しかし、ある程度コンスタントに売れる「重点レコメンド商品」は試行回数(客数)が多いため、大数の法則が働き正規分布に近似します。一方、たまにしか売れない「レコメンドなし商品」(ポアソン分布等になるもの)は、代替性の束によりそもそも「μしか在庫を持たない」と割り切るため、分布の偏りは問題になりません。
システムとして稼働させる場合、厳密にはDCは月単位、店舗とDCDSは週単位といった様に、在庫の保有想定期間の差異を意識する必要があります。
また、ドミナント各店の棚割にも、1stレコメンド、2ndレコメンドの、「顧客にとっての大切なもの」という筋を通した「棚割新理論」に則った棚割を適用します。
最大フェイシング数は5でキャップ(制約)をし、必要な在庫量(μ+2σ等)は、商品毎のスペース分配率から算出されたフェイシング数で割って「棚の奥行き」へと畳み込みます。
そこからあぶれ出たものが、棚の奥行きの延長線上のバックルーム、その延長線上の「DCDS」、更に期間スケールの異なる延長線上の「DC」へと収まって行く事となります(店頭前出し作業は必要です)。
詳細は『ID-POS分析:「適正フェイシング数」から始まる棚割新理論 』をご参照ください。
尚、安全在庫を含めた必要在庫総数は、既に実装済のBIZOOPeの『ニーズの見える化』で、「補充サイクル」のパラメータをいじってあげれば、簡易的に計算できてしまいます(棚割用の陳列総数(一店舗換算値)である為、大数の法則は未適用※1)。
※1.【逆算方法】(クリックで展開)
1店舗の定常需要(μ)は「陳列総数÷レコメンド別在庫係数」=①です。1店舗の安全在庫(σ)は「μ✕(レコメンド別在庫係数−1)」=②です。
大数の法則に基づき、DCDSが抱えるべき全体の安全在庫は、「②✕ √店舗数」=③となります。
各店のμの合計である「∑①」=④が、全体の平均在庫数となります。
DCが抱える在庫数は、ブレをDCDSに任せた定常分のみであるため、この④となります。
DCDSが抱える在庫数は、自店で売るための定常分「自店のμ」である①に、ドミナント全体のブレを大数の法則で圧縮した「③」を足し合わせた在庫数となります。
※2.コンピューターの計算と違い、人間の物理的な業務を、リアルタイムな数字の変動(毎日変わるμとσ)に則って進める事は不可能です。平均値であるμは、まだ肌感覚として分かりやすいですが、σというブラックボックスな統計値を使うことよりは、1.2や1.4といった在庫係数を使ってしまった方が、①みんなが理解できる、②なにかの時にいじりやすい(コントロール可能) という両面において、私的には「好み」です。そうすることで、大数の法則という高度な統計ロジックによる安全在庫数も、「一店舗平均販売数の0.2倍または0.4倍の、√(店舗数)倍」という極めてシンプルな式で表すことができるのです。何も細かけりゃ〜「偉い」ってもんじゃない!w(ざっくり&エイヤッ!も大事! )
※3.もしも本論の構想が、広く世に理解されるようになった暁には、大数の法則を適用した選択店舗全体の安全在庫数くらいは「エンハンスで実装してもいいかなぁ〜」と夢想しております(個店に大数の法則の安全在庫数を適用されちゃいそうなのが「おっかない」のです)。
※4. 大数の法則の適用条件ですが、AIの推論によれば、「週に3〜5個以上コンスタントに売れる『重点レコメンド商品』」が対象の目安となるそうです。これを「ドミナント内の 『4〜9店舗分』のブレ(σ)としてDCDSや、それが適わなければドミナントの中心店に集約するだけでも、全体の安全在庫は半減〜1/3にまで劇的に圧縮され、目に見える効果が出ます。」との事。 つまり、専用拠点を待たずとも、中小チェーンが既存のドミナントの中心店を「DCDS」的に運用するだけで、十分な利益(余力)を生み出せるということです。
さて、このように理論上私たち売り手のエゴに適っている(?)ように思えるDCDSですが、激安ではあるものの、売り場には現実問題「必要最低限のニーズ」である1stと2ndの山と、「売れ残り」の山があるだけです。
この売り手にとっての「攻めの出城」を肝心の顧客、すなわち買い手のエゴはどう見るでしょうか?
『EDLP VS HILO 』でも推論した通り、買い手の実に75%が、買い物に刺激を求める「熱狂したい」層です。
DCDSには「いつ行っても違う在庫残商品が激安で積まれている」という『宝探し感(トレジャーハンティング)』や、「日々の買い物(μ)は近所のスーパーで済ませるが、週末に車で『イベント・レジャーとして大量買い(非日常)を楽しむ』」といった、「熱狂(75%)」という大きなマーケット・セグメント(状況×価値観)が存在するはずです(熱狂を生み出すDJたる、店長と現場スタッフの、KKDH(勘と経験と度胸とハッタリ)次第という側面もありますがw)。
となれば、これは「売り手の物流の都合 ∩ 買い手の熱狂」という積集合(調和)を織りなす事になる筈です(希望的観測?w)。
DCDSは、顧客の『欲しい(ニーズ)』の代表である「重点レコメンド商品」を、地域No.1店舗と勝負できる価格で提供すると共に、『残在庫売り切れご免コーナー』という熱狂を生むDJボックスを備えた、前記事でご提案した『EWLP(Every Wants Low Price)』の最も極端な(選択肢数=1)実践の場です。
『残在庫売り切れご免コーナー』は、新入社員が「売り切る」喜びに熱狂するするOJTの場でもありますので、当該記事でも取り上げた、ご機嫌な「コトPOP」等が、顧客の熱狂に花を添えることとなります。
顧客に寄り添う通常の店舗とは異なり、ここばかりは売り手の都合の掃き溜めに、顧客の方が多少なりとも寄り添ってくれるのであれば、それで「御の字」なのです(それが、通常店が顧客に寄り添う事を、後押ししているのですから)。
真の「勝ち筋」はWin-Winからしか生まれません。
これで、小売−顧客の「二方よし」となったとするならば、「三方目」である「取引先(メーカー、卸)」の立場からしたらどうでしょうか?
「重点レコメンド外の商品の安全在庫を持たない(μのみにする)」ということは、メーカー・卸からDCへのこれら商品の「多頻度小ロット納品」がなくなり、計画的で効率的な大型納品が可能になることを意味します。
昨今の「物流の2024年問題(トラックドライバー不足)」に苦しむメーカーや卸に対し、「DCDSに相乗りすれば、お互いの物流コストが下がりますよ。だから一緒にやりましょう」と持ちかける(三方よしのプラットフォーム化)というのも一つの手です。
このようなサプライチェーンの革新に、製配販の連携は欠かせません。
『BiZOOPe ID-POS開示版』をカテゴリーキャプテンに開示することで、棚割と重点レコメンド商品に関する提案を得ることができます。
DCDSを含めた各店の販売状況や在庫状況を、『BiZOOPe POS開示版』で全取引先へ開示することで、「重点レコメンド商品」の常時監視と、全体的な納品・生産計画の最適化にまで、協働の輪を広げることができます。
随分都合の良い話ですが、これでDCDSは「小売の物流の都合 ∩ 顧客の熱狂 ∩ 取引先の物流の都合」という積集合(調和)を織りなす、「三方よし」の物流政策となる筈(?)です。
さて、ID-POS厨による夢想の産物「DCDS」ですが、これを実際に機能させるとした時、DCDSから先の「兵站(物流ルート)」はどう構築すべきでしょうか? 中二病ついでに、もう少しだけ夢を喰らってみたいと思いますw
DCDSは、ドミナントのほぼど真ん中(市街地やバイパス沿いなど)に位置する「倉庫兼ディスカウント店」ですから、純粋なDCのように、大型トラックが頻繁に出入りするような状況が作れないことは明らかです。
そこで最初に思い浮かんだのが、ドミナントの各店が軽トラックを持ち、「重点レコメンド商品」がショートしそうになった(困った)時に、自店の在庫残を積んでDCDSへと駆けつけ、帰りに必要なバッファを積んで帰ってくるという方式でした。
しかし、よくよく考えてみると、30店舗分の30台の軽トラックの維持費や人時もさることながら、積載量の面でも、低温物流を考えた際にも、果たしてこれで充分なのか?が未知数でした。
そこで、困った時のAI頼み。相棒(Gemini)に、実現可能な政策の中から、最も経済合理的な政策の推論を依頼してみた次第ですw
相棒によれば、30店舗規模のDCDSと店舗網を維持するための要は、外部委託(アウトソーシング)ではなく、「5〜6台の自律型フリート(2tショート)」を自前で走らせる「高頻度・多回転」運用にあるそうです。
トラックには常温・低温を同時に運べる「2室式マルチサーモ車両」を使用します。よくコンビニの店舗に横付けされている、あの四角い箱車です。いかがでしょうか?
DCDSをハブとし、ドミナント30店舗の在庫最適化をリアルタイムで実行するための「動くバックヤード」としての物流資源を構築します。
1. 車両スペック:機動力と多温度帯の両立
車両:2室式マルチサーモ対応「2tショートトラック」
選定理由: 30店舗のあらゆる立地(路地裏や狭小店舗)へ即座に接車できる機動力を最優先。BiZOOPeの分析に基づき、補充すべき商品は「高回転な数ケース」に集約されるため、大型車両による一括配送よりも、小型車両による高頻度な巡回の方が、ドミナント全体の欠品阻止率(サービス率)を劇的に向上させます。
2. フリート構成:商圏を脈動させる「5〜6台体制」
運用モデル(自社フリート): 30店舗を5〜6のエリアに分割し、1台が5〜6店舗を担当。
内製化の必然性: このモデルの肝は「アラートに応じた即時出動」と「1日3〜4サイクルの多頻度往復」です。既存の運送会社へのアウトソーシング(外部委託)では、この柔軟な動きに対応できず、コストも膨大になります。 自社専用フリートとして運用することで、ドミナント内を常に脈動させる「自律的な物流網」を実現します。
3. 稼働ロジック:供給と回収の同時同期
往路(ピンポイント補充): 31店舗分の需要変動をDCDSで一括管理し、統計学的な「リスク集約(リスク・プーリング)」を適用。各店へは「今日必要な分だけ」をジャストインタイム投入します。
復路(資産回収): 補充と引き換えに、店舗で滞留し始めた「在庫残」をその場で回収。これをDCDSの「在庫残売りきれ御免ゾーン」へ順次投入することで、ドミナント内の鮮度を常に最高値に保ちます。
4. 経済合理性:店舗の「重荷」をDCDSへ集約する循環構造
この配送網は単なる「運搬コスト」ではなく、ドミナント全体の「鮮度」と「生産性」を維持するためのインフラです。
バックヤード機能のDCDS集約: 店舗のバックヤードから「在庫残」が一掃されることで、在庫管理という重労働を店舗から切り離し、DCDS側の集中管理へと移行。探し物や在庫整理といった非生産的な時間を消滅させ、スタッフを「物の管理」から解放し、接客や売場作りといった「本来の仕事」へ100%集中できる環境を物理的に作り出します。
売場スペースの質的向上: 在庫残に占領されていた空間が空くことで、売場を拡張したり、新たなサービススペースを創出したりといった「攻めのレイアウト変更」が、既存店のままでも、増築なしで可能になります。
キャッシュフローの健全化: 店舗で眠っていた「在庫残」をDCDSの「売りきれ御免ゾーン」へ即座に移動し、即現金化。ドミナント内で資金が滞留するのを防ぎ、常にキャッシュが回り続ける循環を生み出します。
【アーキテクトの視点】 「アウトソーシング(外部委託)」という物流の常識を捨て、「自社フリートによる超高頻度循環」を選択する。これこそが、300坪の拠点と小型トラックでドミナントを完全支配するための、最後にして最大の「差別化戦略」になります。
尚、発注についてですが、自動発注が全盛の昨今、現場にσ分の手発注を強いるのはナンセンスです。
DCへの定常発注(μ)とDCDSへの随時発注(σ)は、上位の基幹系システムで自動的に切り分けられるようにします。
DCからは1日1〜2回の定期便で淡々とμが納品され、DCDSからは「重点レコメンド商品」の、店舗でのリアルタイムの消化スピード(ドラム)に基づき、巡回便がσ分を「プッシュ型」で送り込みます(基幹系は私の担当ではない為、好き勝手言っていますw)。
DCDSと自社フリートによる物流の効率化は、現場の商人たちから、在庫と作業に関わる『やり甲斐なき忙しさ』を極力拭い去ることで、『やり甲斐のある忙しさ』すなわち私たちの本分である商い(接客や売場づくり)に専念し、顧客を熱狂させるための下敷き(兵站)でもあります。
これは「小売のエゴ」を、すなわち「経営のエゴ」として終わらせるのではなく、各方面からの『エゴのしわ寄せ』とされがちな、「現場のエゴ」との調和をも狙った政策です。
真に「現場のエゴ」との調和を図るのであれば、プッシュ型で一日に2〜3回納品がある事に対しての、現場負担を考えたカゴ車運用等、なんらかのオペレーションの工夫が必要でしょう。
しかし、そこまでは流石にID-POSの好事家である私の範囲を超えますので、懸念の表明だけに留めさせていただきます。
後は物流分野における私のような好事家に、お任せしたいと思いますw
文中「代替性の束」という言葉を使いましたが、これは正確にはあくまでも「選択肢の束(ニーズ)」であり、必ずしも「代替性の束」をのみを形成するものではありません。
例えば食油カテゴリーにおいて、異なる三社の「キャノーラ油 1000ml」3SKUが「選択肢の束(ニーズ)」を形成することがあります。これはそのまま「代替性の束」と言えます。
一方で同じ食油カテゴリーの中でも、食味に優れた高級な「ごま油」、「エゴマ油」、「オリーブオイル」、「グレープシードオイル」の4SKUが「選択肢の束(ニーズ)」を形成することがあります。これらは顧客の「くらしのスタイル」というニーズの中での選択肢であり、「代替性の束」とは言えません。
しかしこのような選択肢の中でも重点レコメンドされて来るのは、その中でも人気No.1、すなわち最も「待てない」、最も「欠品リスクの高い」、「σで守るべき商品」になります(前出の例で言えば「ごま油」がそれにあたります。要は主力品と品揃え品の関係になります)。
よって、理論的に齟齬はありません。
理解を容易にするためと、文章の疾走感のため、巻末での注釈となります事お許しください。
ここまで、ID-POS厨の長きにわたる夢想にお付き合いいただき、ありがとうございました。
振り返れば、『棚割新理論』から始まり、『EDLP vs HILO(EWLP)』『売価設定(プライスマジック)』、そして今回の『物流(DCDS)』と、思いつくままに乱暴な考察を書き殴ってきました。
しかし、論はどうあれこれらは、決して独立した仕事、「機能ごとの各論」ではない事に改めて気付かされました。
棚割も、品揃えも、値決めも、そして物流も、すべては相互に連動し合わなければ成立しない「不可分な経営デザインそのもの」だったのです。
たとえば、「重点レコメンド商品」に『売価設定(プライスマジック) 』でご提案した『究極の認知ハッキング棚札』や『レコメンド別値決め』を仕掛けられるのも、裏を返せば、「DCDS」のようなバックグラウンドがあってこその話です。
物流の裏付けなしに、価格先行で政策を実施しても、度々「重点レコメンド商品」の欠品を引き起こし、定常的に顧客の「欲しい」を裏切る形になってしまいます。
そうなると問題は唯一点、「何を『確固たる軸』におくことで、相互を連動させるか」です(経営の軸)。
さて、サプライチェーンという隊列の先頭に立ち、ドラムを打ち鳴らして物流(モノ)の歩調をとっているのは、実質誰でしょうか?
それは「顧客(ヒト)」です。
顧客を取り巻くそれぞれの状況と価値観、すなわちそれぞれのエゴ。
それが商品を媒体として発現する「くらしのスタイル」、日々の「ニーズ」というドラムに合わせてのみ、製配販は、健全に隊列を進めることができます。
今、その先頭で打ち鳴らされるドラムの音は、確実に変化しています。 人口そのものが減り、競合を選択する顧客が多くなれば、客数は減っていきます(私たちは、商圏の拡大を迫られます)。少子高齢化が進めば、一人あたり買い上げ点数も減っていきます。マーケットは常に変化しているのです。
だから今こそ製配販は、どこよりも顧客を「大切」にすべきなのです。
物流で言えば、顧客の打ちならすドラムに連動する形で、サプライチェーン内にバッファを配置すべきなのです。
そしてバッファは、サプライチェーン全体のために、変動の源泉である「市場」になるべく近い位置に、なるべく分散させずに配置するのが鉄則です。
大切な「ヒト」の、大切にしている「モノ」、「コト」をこそ大切にする。
それを確固たる経営の軸、製配販の軸におくのであれば、「モノ」の動きは必然的に、顧客の「大切」で制約されなければなりません。
これが、売り手のエゴだけのプロダクトドリブンでも、買い手のエゴだけのカスタマードリブンでも無く、双方の積集合=調和 であるマーケットドリブン経営です。
何事もそうですが、得るものがあれば、必ず捨てるものがあります。逆もまた然りです。
「食品スーパーをやりたい」という売り手のエゴの為には、「車を売って欲しい」という、積集合の外にある買い手のエゴは、切り捨てなければなりません。
買い手に対してそうするのと同じように、私たちもマーケットドリブンという積集合の為には、売上至上主義のプロダクトドリブンな考え方と、仕事を切り捨てなければなりません。
第4章でも触れた通り、「どっちも大切」は、結局どちらも特段「大切」にしている訳ではないのです。これは、意味もなく無駄な仕事が増え続けて行くことを意味しています。
ベン図の積集合部分の面積を見ていただければお分かりの通り、売り手と買い手の調和のみを大切にし、売り手だけのエゴ、買い手だけのエゴを切り捨てれば、業務量は激減する筈なのです。このパラダイムシフト(0円)は、DXやAIがもたらすと喧伝されている生産性向上の、比ではありません。
これは小売業に限らずです。
本論は「データと論理が示すポテンシャル(青写真)」を示したものであり、当然AIによる「経済合理性」へのお墨付きも得たものです(時はまさに春爛漫。私と一緒にハルシネーションで酔っ払っていなければ……ですがw)。
しかし、「それを現実にするために組織が突破しなければならない壁」は、特にパラダイム(物の考え方)の分野に、厳然として存在しています。すべてのシステム、すべての理論がそうですが、「BiZOOPeを入れれば儲かる」「本を読むだけで儲かる」なんて、そんな馬鹿な話はありません!
システムを「現実の儲け」へと仕立てられるのは、最終的にはみなさんのKKDH(勘と経験と度胸とハッタリ)、PDCAでしかないのです。
締まりは悪いですが、AI全盛の時代になっても、どこまで行ってもそれが「薔薇色への真実」ですので、最後にきっちりと申し上げておきます。
さて、ID-POS(マーケットの可視化)という一本の刀とAIが切り拓いた、温故知新な経営の仮想風景。
この門外漢の織りなした不器用なパッチワーク(文様)が、皆様の「💡(シナプス)」と「儲け」、「やりがい」に繋がることを願って、本稿の結びとさせていただきます。
かちょー にも「陽(ID-POS)」もあれば「陰(大人の事情への認知の脆弱性)」もあります。回答はAIに再確認してください。