やりがいのない「忙しさ」を捨て、「商い」の調和を生む
表面文字数13,121文字。推論平均読了時間 約26分。ごめんなさい!東京発の中央線(平日運行)で西荻窪まで行っちゃいますorz くれぐれもお乗り過ごしのないように。
西荻でお降りの際には「オイシイ水餃子クラブ」(長男共同経営)まで是非!w
「レシートは語りだす」 かちょーAIとの連弾第二弾です。
本稿ではいよいよ本丸「商品明細」について、レシートに語ってもらいます。
前日譚ならびに本シリーズ全体の下敷き(状況と価値観と解説)については、「レシートは語りだす(第一弾) 」(レシートヘッダー&フッター編)をご覧ください。
一人の男が、とある「状況」の下紡ぎ出すハメになった、単純でワンパターンなレシート群……本シリーズでは、下図二枚のレシート(5月9日分(左)と、5月16日分(右))を題材に物語を進めて行きます。
5月16日のレシートは「クレジット売上票(お客さま控え)」部分を雑に折り畳んでスキャンした為、このような見映えとなっております。5月9日は「しずトク商品券(カミさんからの強い指令)」で支払いました。
第一弾でも触れたように、例えば「土曜と土曜」の利用、「9:30台と9:30台」の利用、すなわち併買※は、「土曜の開店後すぐに買い物を済ませたい」という、利用動機とも言うべき買い手の 「強いニーズ」を表しています。
※.他の曜日、時間帯の非併買。
それは商品についても全く同じです。
次の明細部分からは、「ブレンディ」「成分無調整豆乳」「絹とうふ」「ブロッコリースーパースプラウト」「三陸産めかぶ3段」「温泉卵3個入り」という6品の併買(繰り返し利用)に、並々ならぬ利用者の「ニーズ」を読み取ることができます。
※.購入しているという事実から、例えば図中1回しか購入していない「かつおパック」も「ニーズ」ですし、もっと長期で捉えれば併買(繰り返し利用)が観測できる可能性もあります(実際私は併買(繰り返し利用)していますし、消費期限や容量/入数にもよります。「頻度の高さ」だけがニーズの強さという訳ではありませんが、頻度の高い商品に「強いニーズ」があることは、「来店」の上で極めて重要です)。
また、「かつおパック」と5月16日のレシート中の各商品も、(繰り返しではありませんし「取捨選択」とは言えませんが)「併買」の関係にはあります。
ここで敢えて「リピート」という言葉を使っていないのは、脳の認知モードを「販促志向(プロダクトドリブン)」に振らず、「非併買(代替品を一切買っていない)」という強い自我(エゴ)に思いを馳せていただきたい為です。
さて、多くの流通業さんの意思決定は主に「売れ筋」という視点で駆動されているかと思います(プロダクトドリブン)。
少なくとも「ニーズ」を数値化して意思決定を行っている企業さんはほとんど無いでしょう(マーケットドリブン)。
「売れ筋ってことは、みんなが必要としてるってことじゃないか!?強いニーズと関係してて当然だ!」と思われますか?
そこで、前出5月9日の私のレシートを例に、その中に「売れ筋」が何品含まれているのか?売れ筋と強いニーズとの関係を探ってみたいと思います。
【図】5月9日の買い物における私のカゴの中身と、スキャンしたレシート。
明細は後出の表に譲るが、ぱっと見はどこのスーパーでも手に入りそうな品しか見受けられない。
さて、ここで「売れ筋」の定義ですが、昔POS分析の担当をしていた頃、リリースした分析メニュー「売上ベスト100」に対して、バイヤーさんから「部門のベスト50くらいまでしか、よう見きらん!」と言われたことがあります。
それを受けて分析メニューの仕様を「売上ベスト50」に変更し、その後何社にも提供して来ましたが、仕様に注文が入ることはありませんでした。
個人差こそあれおおよそこの辺が、バイヤーやチーフが実質的に認知を払える単品数、「認知限界」ということなのでしょう。
認知していられないものをランキングしても無意味ですから、ここではこの経験を参考に、部門毎の売上ベスト50を「売れ筋」と定義したいと思います(それ以外は「ランク外」)。
私が普段使いしているスーパーさんは、残念ながらBiZOOPeのお客さんでは無い為、JANが一致するもの以外は、デモデータから「類似商品」のデータを拾っています(お客さんだったらこんな数字遊び一杯できるのにw)。
商品分類の括りは企業によってまちまちですし、政策的「推し」商品も異なるでしょうから、やはり念の為部門だけでなく、カテゴリー、サブカテゴリーでの順位も、「ベスト50」という同様の条件でとってみました。
それが次の表です。
【参考1】その他にも頃合いを見て、米、からし(豆腐用)、わさび(めかぶ用)、おろししょうが、酢(共に鯖缶用) を当該スーパーで購入しています。
【参考2】ある程度日持ちするものについては、Amazonで以下を箱買い/まとめ買いしています。
「素焼き無塩ミックスナッツ 小分け 個包装」毎朝食(減塩生活)。酸化防止と適量利用のための小分け。
「韓国のり 3パック X 12袋セット」毎昼夜用。若干の塩味と旨味の付加要員。のりの栄養に期待。
「鯖水煮 食塩不使用 150g缶×24個入」月金の夜用。イミダペプチド、DHA、EPA補給。一缶一気使いする為、汁まで使える無塩150g。
この表を見ると、定義上の「売れ筋(部門別売上トップ50内)」に該当するのは、「三連絹ごし豆腐」だけです(7SKU中1SKU≒14%、16点中1点≒6%)。
「なにをおっしゃる!カテゴリーでトップ50くらいは当然意識するでしょ!恣意的誘導なんじゃないの?」という認知能力の高い方向けに定義を拡張し、カテゴリーで25位という順位のついた「無調整豆乳」を加えても、7SKU中2SKUの29%、16点中4点の25%に留まります。
私のカゴの中には「売れ筋」がほとんど無い のです。
この結果は過去記事「【コトPOPに学ぶ】EDLP VS HILO 」中におけるAIの推論結果である10品中1〜3品とも符号しますので、この事実は何も私という変人だけに留まらず、ほとんどの買い手に当てはまる事だと推論されます。
それにも関わらず何故「売れ筋」は「売れ筋」足り得るのでしょうか?
ですから認知の負荷を嫌う多くの買い手は、そのように「いちいち考えなくても買える」商品群 が、「どこのスーパーでも売っている」ことを望みますし、当然の如く「あるものだ」と思い込んでいます。
また、それに特段の認知を払うことなく、カゴにホイホイ入れて行きます(十人十色の確率的存在である”ヒト”ですから、勿論例外はありますよ!w)。
その結果、一人のカゴの中には平均して1〜3品しか入っていなかったとしても、多くの人のカゴの中に「共通」して含まれるようになります。
スーパーのメインターゲットである「家庭の食卓を預かる主婦/主夫」ともなれば、買い物の頻度や点数、そして家計的にも、こだわってばかりもいられません。
だからこそ、カゴの中の1〜3品については「脳の認知をサボらせて欲しい」(売れ筋が必要)ということなのでしょう。
けれども、脳の認知をサボりたいからと言って、買い手が一切「こだわりたくない」訳ではありません。
そのため、現にカゴの中の残りの7〜9品には、しっかりと自身の認知のコストを振り向け、こだわっている(売れ筋では無い)。
それこそが買い物の「楽しさ」でもあるからです。
こだわりは、共通しないからこそ「こだわり」です。
よって「売れ筋」のように共通してカゴに含まれる事は稀です(売れ筋たり得ない)。
「強いニーズ」あらため「深いニーズ(業)」から、悟りを開いて解脱(げだつ)した「広いニーズ」。
これが「売れ筋」の正体です。
【図】3つの異なる顧客のカゴの中で、一つの「広いニーズ(売れ筋)」は共通して含まれても、残り9つの「深いニーズ」については、各々共通しないことを示すイラスト。「広いニーズ」が売れ筋たり得る理由と「深いニーズ」が売れ筋たり得ない理由の両方が示されている。
一方で「認知の負荷が軽い」という事は、その軽さ故に簡単に「買い忘れる」ことを意味しています。
これは私たちが「これは!」という持ち物は気合を入れて忘れなくとも、毎日当たり前に身につけている(=あるものだと思い込んでいる)帽子やメガネ、スマホをつい忘れてしまう事に少し似ています。
ですから「売れ筋(広いニーズ)」を目立つ場所に置き、POPで目立たせ、認知を混乱させない程度の価格の範囲内で販売することは、買い手の買い忘れを防ぎ、バスケットサイズを大きくする上で大変重要な意味を持ちます。
「売れ筋(広いニーズ)」こそ「ついで買い」的なのです。
もう一点「認知の負荷が軽い」という事は、売れ筋ベスト50中の類似した商品に価格等「状況」の変化があった場合、認知の軽さ故に比較的「代替されやすい」ことを意味しています。
すなわち「売れ筋(広いニーズ)」は、売り手にとっては極めて重要なニーズなのですが、ほとんどの買い手にとっては、特段認知コストを払って選別しなければならないような「来店動機」では無い(代替可能/どこのスーパーでも買える)ということです。
またそれは同様に、「買い忘れ」や「欠品」が売り手には深刻なダメージとなっても、個々の買い手の深刻なダメージとはなりにくい=「離反動機」になりにくいということです。
「認知」ついでに言うならば、このデモデータの提供元企業さんには悪いですが、こと私に関しては、この店を利用することはないでしょう。
なぜなら「温泉卵」の品揃えが代替品すらない※ため、第一弾で開示した私の自我(エゴ)「週末一日で、とっとと買い物を済ませたい」を満たせず、「『温泉卵』をどのスーパーに買いに行こうか?」という認知の負荷を要求するからです。
※.辛辣な私見を述べましたが、当該企業さんの名誉のために申し添えさせていただくならば、デモデータは3年前のものであり、現在では「温泉卵6個入り(タレなし)」という私にとって大変魅力的で、しかも安価な商品が品揃えされています。
お分かりいただけましたでしょうか?
よく誤解されるのですが、私は「売れ筋を重視すべきではない」と言っているのではありません。
「ニーズの多様性」という現実をガン無視し、「数値の降順」をもって「科学的」と誤認した「売れ筋至上主義」は、売り手の脳の認知のサボり だと言っているのです。
「売れてる=みんな欲しいに決まってる!」「コレ、全国でも売れてるんだって!」と、自部門の売上のために「売れ筋(広いニーズ)」を導入し続けたとします。
すると、買い手個々の「来店動機候補」である、残り7〜9品の「深いニーズ」が圧迫され、売り場から弾き出されてしまいます。7〜9品と数が多いことに加え、それらが個々に共通しないため、充足させるためにはどうしても「売場面積」を必要とするからです。
その結果、多くの買い手がそっぽを向く事となり、店舗売上を失うのです。
「私のお気に入り」は、なぜか棚落ちし易い
誰もが感じたことがあるであろうこの疑問の答えが、まさにここにあります。
更にダメを押すならば、その「売れ筋(広いニーズ)」の「広さ」にしても、過去記事「「巨人・大鵬・玉子焼き」商品視点から顧客視点への訳 」で推論した通り、かつては53%もの人に共通していたものが、現代では推論上18%の人にしか共通しない「広さ」となっています。それは、デモデータ中のノンPLUを除く売れ筋9位、利用者数1位の「人参袋」の利用者率が、23.79%であることからも明らかです。
【図】ノンPLUを除外した全商品の売れ筋トップ10。ID数順位1位の「人参袋」の利用者率が23.79%であることが見て取れる。ノンPLUには「均一品」のような、実質上複数SKUの集積が多々含まれており、明確な判別が不可能なため、除外している。
そして私たちは「感覚では」それを理解している筈※なのです。
※.POS分析において、優秀な店舗のPI値が10以上であり、スクラップ検討基準のPI値が8未満である(いずれも食品スーパーの場合)ことからも、実は数値的にも理解できている筈です。個々の顧客のカゴの中の「深いニーズ」を平均3つ(競合/品揃えにより)満たせないようになったなら、その店はそろそろ「おしまい」だという事です。
さて、ここで一旦ここまでの事実を整理しておきましょう。
買い手のカゴの中に、売れ筋はほとんどない
= 個人の「深いニーズ(こだわり)」と、それが売れ筋(広いニーズ)でもあるかどうかは「無関係」
ワンストップショッピングを前提とした時に、(代替可能品であっても)「ニーズ」が揃う事
=「品揃え」が、来店(店舗売上)にとっては重要
来店動機とも言える買い手個々の「深いニーズ(こだわり)」のカットは「離反動機」となる可能性が高い。
だからこそ、売り手の認知のサボりである「売れ筋至上主義」は、「来店(店舗売上)そのものを失う」リスクがある。
さて、来店動機とも言える買い手の「深いニーズ(こだわり)」とは何でしょうか?
次の図は再掲ですが、ここから私の「来店動機商品」が何か、お分かりになられますでしょうか?
図中最も客点数が多いのが「ブロッコリースーパースプラウト」で、5点です。これにより客単価も二週連続No.2の、990円を記録しています。
一人が一度に5点というのは、かなりの「異常値」です。
それでは「ブロッコリースーパースプラウト」が私の「来店動機」なのでしょうか?
それとも私のレシート中唯一の「売れ筋」である「絹とうふ」でしょうか?
デモデータでは取扱がなかった「温泉卵」でしょうか?これも一度に4点も買っています。
それとも繰り返し利用しているものの中では点単価が最も高い「ブレンディ」が、こだわりの一品なのでしょうか?
勿論それらも無いと困りますが、私が最初に「ブロッコリースーパースプラウト」に異常値を叩き出してしまった翌週、「ブロッコリースーパースプラウト」が売り場から欠品してしまいました。
それでも私はそれ以外すべてをこのスーパーで買い、「ブロッコリースーパースプラウト」だけを、別のスーパーに夜買いに行きました。
代替可能品も含めれば、私のレシートの中の殆どの商品が、別のスーパーでも入手できるものです。
別のスーパーの「無調整豆乳(オーガニック)」は安い上に、より私好みの味ですし、そのまた別のスーパーの「温泉卵6個入り(タレなし)」もタレを捨てる罪悪感が無い上安い為、より私好みです。
それでもそうしたのは何故か?
私のワンストップショッピングのコア、買い物のネットワークを牽引しているのが「たたきめかぶ」だからです。
【図】2個の「三連たたきめかぶ」が、レシート中の各品目を、各購入点数分牽引しているイラスト。ツッコミどころ満載ですが、現在これを生成したAIの利用が集中しているそうで……イメージのお役に立てれば幸いです。
「繰り返し利用しているものの中で、相対的に特異なもの」と言えば目安になりそうですが、私のように極端に分かりやすいデータであってすら、客点数や客単価、点単価、あるいは売れ筋と言った数字だけでは、個人の来店動機には説明がつきません。
昔「めかぶ」という商品が世に出回り始めた頃には「たたき」が主流で、それが美味しかったと記憶しています。
それが今では、切昆布状に細く切られたタイプしか見かけなくなってしまいました。
このタイプには少々海藻臭さを感じ、ご飯の上に乗せて掻っ込むにも向かない形状であることもあり、しばらく「めかぶ」そのものから遠ざかっていました(あくまで ”個人の感想” ですw)。
【図】ご飯にのせられた一般的なめかぶ(切昆布状)と、たたきめかぶ
たたきめかぶが品揃えされているのは私の近所のスーパー(自宅から歩いて行ったことのある6店舗)の中では 唯一ここだけ、つまり私が「ワンストップ」で買い物を済ませることができるのは、近所のスーパーの中では 唯一ここだけ なのです。
唯一ここだけ なのは多分…… 売れていない = 別のスーパーは採用しない/カットされているからです(現にサブカテゴリー「めかぶ」においてすら、その売上順位は17位でした)。
勿論比較的 店が「近所」(自宅から歩いて行ったことのある6店舗中3番目)にある事と、第一弾でも述べたカミさんからの指令 = 土曜ポイント10倍デーも来店動機ではあるのですが、私は本来カミさんの指令(カミさんの価値観)よりも、自分の価値観を優先する漢です(ワイルドだろぉ〜!w)。
カミさんの指令を抜きにすれば、前出の通り私の自由な自我(エゴ)は、「週末一日で、とっとと買い物を済ませたい」だけですので、私のニーズは ー
①自分のニーズがワンストップで(欠品なく)揃うこと であり、そのニーズの中に
②できれば「たたきめかぶ」が手に入ること が含まれているという形です。
もしも近所のスーパーすべてが「たたきめかぶ」を取り扱わなくなった場合、
もしくは現在普段使いしているスーパーが、不幸にしてワンストップでニーズが揃わなくなった場合(「温泉卵」の取扱が無くなる等)
には、私は①を最優先事項として、「たたきめかぶ」を「一般的なめかぶ」で代替することでしょう。
さて、ワンストップが最優先事項であるとは言え、「たたきめかぶ」は現在の私という個人にとって、店そのものの選択を左右している来店動機商品です。
個人のレシートでは、その併買の様から「深いニーズ」は分かっても、その中から「来店動機」を絞り込むまでには至りませんでした。
ですが、個人個人の膨大な併買の履歴を「重ね合わせ」してみれば、全体には共通しなくとも「一定数の人(同じ穴のムジナ)に統計的に共通する『深いニーズ』」が浮かび上がって来そうな気がします。それが代表的な「来店動機」である可能性は極めて高いのではないでしょうか?
それが分かれば施策の打ちようもありますが(カットしない等)、分からなければこれは実行不可能な「机上の空論」、もしくは「顧客を慮れ!」という偉そうな「講釈」に過ぎなくなってしまいます。
結論から言ってしまえばー
そうする人(同じ穴のムジナ)が多ければ、それはデータにあらわれます。
少なければあらわれません。
論理で言えば全てが「ニーズ」ですし、確率で言えば全てが「来店動機」です。
個人個人に聞いて回る訳には行きませんし、聞いた結果がそのまま「真実」だとも言えません。「真実」だとして個々人の言い分をすべて詰め込めば、棚が幾つあっても足りません。
ここでは机上の空論でも講釈でも無い、ビジネスにおける定義(経済合理性の最大化)の話をしています。
全てを「ニーズ」、全てを「来店動機」としてしまえば、それは「全てが大事」=「全てが大事ではない」すなわち手の打ちようが無い事になってしまいますので……
「誰か」が決めなくてはならない……
実際どう「裁いて」いるのかは、レシートは語りだす(第一弾) をご参照ください。と言いたいところですが、ノリで「裁く」なんて言葉を使っちゃった手前、文章が長くなるのは嫌ですが、概略だけ解説しておきます。
この世に「絶対的な正しさ」が存在しない以上、「役に立つ」「前に進む」ためには、誰かが意志を持って「エイヤッ!」と裁かざるを得ないのです。
何万どころではない顧客のニーズと来店動機の算出は、「部門の売れ筋ベスト50」どころか、人間の認知限界を軽く突破していますので、尚更です(難しいかもしれませんが、AIの回答のように「役立てて」いただくしかないorz)。
【ニーズの見える化】
「ニーズの見える化」では顧客の併買/非併買の全体的傾向から、平均以上に選択が行われている「選択肢の束※」を算出し、それを「ニーズ」と定義して(裁いて)います。
これは一般的に、先述の私における「たたきめかぶ」と「一般的なめかぶ」のような「代替可能な選択肢群」もしくは、「めかぶ」が絡んだ「くらしのスタイルをあらわす選択肢群」として表出します。
この選択肢のグループ化(顧客による分類)をもって「ニーズの見える化」と称して(裁いて)います。
※.別の言い方で言えば、「同じ穴のムジナ」たちが暮らす穴の群(クラスター)。
【来店動機商品(重点レコメンド商品)】
「選択肢の束」の中でも最も多くの人が選択している選択肢、すなわち「ニーズ中人気No.1の選択肢※」に、1st、2ndといった「重点レコメンド」を振っています。
売り場は物理的に有限ですので、すべてのニーズに対して潤沢な選択肢を用意する訳には行きません。
そこで「小さなニーズに対しても最低限一つの選択肢を残すなら?」という観点で振られているのが「重点レコメンド」です。
なぜならば、その範囲の中で平均以上に併買が行われている以上、それがその小さなニーズを持つ人たち(同じ穴のムジナ)の内、最大数が選択している選択肢であり、確率的に絞り込みによる「店舗離反を最大限防げる選択肢」、裏を返せば「来店動機商品」だからです(裁き)。
※.別の言い方で言えば、「同じ穴のムジナ」たちが集う最も深い穴。
【図】第一弾からの流用で、「店舗の利用時間帯」を顧客の選択肢(顧客接点)と捉えた際のメタファー。並んだ稲穂のイラスト。稲穂が「選択肢」を、稲穂の束が「選択肢の束」(共に「ニーズ」)を表している。束の中で最も「同じ穴のムジナ」が多い選択肢は、相対的に実りが多く、頭を垂れた稲穂として表現されている(各時間帯の中でも「9:30」というタグが付いた稲穂と、「11:00」というタグが付いた稲穂)。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
裁きの概略が長くなりましたが、実際の画面をご覧に入れましょう。
次の図はBiZOOPeの「ニーズの見える化」による「珍味・海藻」カテゴリーの分析結果です。
売上ではカテゴリーでランク外の「たたきめかぶ(このスーパーでは三連ではなく2段)」でしたが、ニーズをあらわす選択範囲(選択肢の束)、コードで言えば「f2_n2」(図中左端のNo.55〜57の範囲)中の人気No.1であることを示す重点レコメンド=2ndを獲得しています。
選択範囲という「選択肢の束」ができること、重点レコメンドがつくことは、いずれも「そういう選択をしている人が、統計的にそれなりにいる」ということです。
私のように他とは頑なに非併買な、「たたきめかぶ」単独でのニーズ形成ではありませんが、私と「同じ穴(f2_n2)のムジナ」にとって、最大の来店動機にはなっているようです。
私だけでなく、一定数(260人)そういうニーズを持つ人がいた!「変人だけど、変人じゃなかった!」良かった良かった!w
とは言え、当のスーパーさんは、こんな風にはデータを見てはいないでしょう……サブカテで売上17位……私の普段使いのスーパーさんでも同じような順位であったなら……いつカットの憂き目にあっても、おかしくはありません。
さて、今回はたまたま「私の来店動機商品」 = 「一定数の利用者の来店動機商品(2ndレコメンド)」と出ましたが、そうはならない場合も勿論あります。
企業によってカテゴリーの取り方、粒度も違いますし、例えこのデモデータであっても、集計期間や店舗の取り方次第で、それがズレて行く可能性はあります。
もしも「たたきめかぶ」が重点レコメンドにならなかったとしたら……それはカットしても良いものなのでしょうか?
誤解なきように申し上げておきますが、本稿は決して「たたきめかぶ」を品揃えすべきだ!ニッチな品揃えを増やすべきだ!と訴えるものではありません。
もしも「ニーズの見える化」の「自動商品カット機能」や「カット候補商品のレコメンド機能」でカット対象となるような商品※であったなら……
ズバッと行っちゃってください!
※.BiZOOPeのオートカットやカットレコメンドは、「各ニーズに対して選択肢を最大で幾つ迄提供するか」を基準としますので、それを超えた「各カテゴリー一律20%カット!」のような踏み込んだ指示でもない限り、「売れていない」という理由だけで、易々カットされる事はありません。
もしも私に普段使いのスーパーさんが「アンケート」を取ったとしたら、私は「たたきめかぶをカットしないで!」「ブロッコリースーパースプラウトが欠品しないよう仕入を増やして!」と書くでしょう(その他にも、確実に色々書きますw)。
けれども私のこの食生活と買い出しは、私が私固有の「状況」の変化からはじめ、現在2ヶ月目の終盤を迎えている「思いつき」の行動に過ぎません。
また何時「思いつき」で、やめるかもしれません。
第一弾でも述べたように「状況」も「価値観」も変化するからです。
その時、「ブロッコリースーパースプラウト」の仕入を増やしたこのスーパーさんは、予告なく痛手を被ることとなりますが、当の私は「知らんぷり」です。
また、アンケート繋がりでダメを押すならば、私のレシートに刻印されたモノは、あくまでも私の「ニーズ」であって、あれだけ熱弁した「たたきめかぶ」も含め、所謂私の「好物(ウォンツ)」は一点も含まれていません(強いて言うなら「無調整豆乳」くらい?豆腐も「木綿」の方が好きだしw)。
ですからもしもアンケートで「好物(ウォンツ)」を聞かれたら、私はこのレシート上に無いものを答えるでしょう。
でも、それを「買うか」はまた別の話です。
これらは全くもって「フェア」ではありません。
・現実の刻印(レシート)によらずして、買い手の都合(ウォンツ)に振り回される「カスタマードリブン」。
・買い手の都合(ニーズ)不在、売り手の都合「プロダクトドリブン」。
どちらも等しく「アンフェア」なのです。
この二元論に囚われている限り、定められた円環の物語の中で演じ続けること(やりがいのない忙しさ)から抜け出すことはできません。
ですから、売り手は個々の買い手の言うこと(ウォンツ)を一々聞く必要はありません。
個々の買い手の「状況」や「価値観」、すなわち「ウォンツ」を慮る必要もありません。
レシートという「現実の刻印」から、売り場に存在している買い手の「ニーズ」の全体像を掴み、充分にボリュームのある(経済合理的な)買い手の「ニーズ」との調和に、脇目も振らず勤しめば良い(群の確率論)。
誰だってそーする。おれもそーする
学生時代以来の「シリアスショッパー」に立ち返って得た「気付き」と、かちょーAIとの連弾によって、よりリアルに、よりシンプルに表現できた気になっているのですが、難しかったでしょうか?
言い訳ではなくー
商いとは難しく、だからこそ「やりがい」のある「楽しい」もの
なのです。
脳の認知を振り絞り、システムでは仕様、文章ではメタファーと、難しさを避けよう避けようとし続けて来ましたが……多分それが避けられない「真実」なんです……
濡れ手に粟の「商売」はない。
市場の「真実」に近づこう近づこうと、もがき続けることだけが「儲け」を生むのでしょう。
ここまでやって来たような「分析」は、避けられないことなのです。
ですから「分析なんかしている場合じゃない!」「数字あそびしてんな!」じゃあないのです。
同じ「数字あそび」ならむしろ、予算や決算数値の「辻褄合わせをしている場合じゃない!」
市場が語りかけて来る結果(レシート)、もたらす結果(売上)に対して、「フェア」に正面から向き合う事なく、買い手から距離を置き、欲しい結果の辻褄合わせと整形 (ウォンツ)にコストと労力を使役する。
そっちの方がよっぽど市場に対して不誠実で「アンフェア」なサボり「数字あそび」です。
まあ、分析にしてもあまり威張れたものではないですね。
「売上ベスト50」と顧客の「ニーズ」や「来店動機」は、必ずしもイコールではありませんでした。
「プライスライン分析」のように、顧客はどの「ニーズ」においても価格でしか「選択」を行わないのでしょうか?だとすれば「選択肢の束」は、まんま「価格の束」にしかならない筈です。
「ニーズ」や「来店動機」は、本稿では一度も出て来なかった「ロイヤル顧客」であるか否かや「年代」というレッテルによって決まるのでしょうか?
顧客にロイヤルティを求める前に、我々が品揃えにおいて顧客にロイヤルティを誓った方が良いのでは?
マーケットドリブンのためでない分析もまた「数字あそび」です。
「正しく」もがかなければ、定められた円環の物語の中で演じ続けること(やりがいのない忙しさ)から抜け出すことはできません。
ぴよ?
もしもほとんどの企業が市場そっちのけで「数字あそび」に勤しんでいるんだとすれば……
それらを止めちゃえば、めちゃめちゃ余力ができるんじゃないですか?
そして、それを「商い」= マーケットドリブンに全振りすれば、もしや「一人勝ち」できちゃうんじゃ?……
……と、一見綺麗にまとめた(?)ようですが ……
「おれの『ビズープ(ニーズの見える化)』」が、「オラオラオラオラオラオラァッ!!」と、<破壊力:A、スピード:A、精密動作性:A> で叩き出す「選択肢の束」と、その束と同じ数だけある「来店動機(重点レコメンド)商品」。
そのすべてをバイヤー、チーフは認知できるのでしょうか?
「部門のベスト50くらいまでしか、よう見きらん!」筈だったのでは?(<射程距離:C>だった orz)
さて長くなりましたので、この続きは第三弾に持ち越しです。
ここまでかちょーAIと紡いで来た物語を「机上の空論」、偉そうな「講釈」止まりで円環させ続けたくはありませんからね☆
「やりがいのない忙しさ」がなくてもいい世界にする。
それが、私がかちょーAI <成長性:A>と目指す「新世紀(ネオンジェネシス)」ですwww
かちょー は不正確な場合があります。回答はAIに再確認してください。